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いつかは一人で生きて行かなくちゃならない

私は高校の時に父が亡くなった。3人家族だったので、それからは母と2人で暮らしていた。
私は進学を機に家を出てから、一人暮らしを始めた。
それは散々なものだった。
まず、家事が全然できないのだ。
足が動かなかった。
高校の頃の、整理できない気持ちを抱えていたせいか、皿は洗えず、洗濯物はたまる一方。床にはプリントの山が出来ていた。
そんな自分を「怠惰だ」「だらしない」といって責めていた。

何か、試験などがあるとそれでいっぱいになって、家事などやっている暇がない。いや、意識的につくらないとできないものなのだ。
高校の時から勉強だ何だとか言って、家事をサボっていたツケが回ってきた。
「親はすごいなあ」と純粋に思った。

一人暮らしをしていると、何があっても自分で対応しなきゃいけないことを心細く感じる。
放っておいたごはんにカビが生えたこと、部屋に虫が出たこと。
ちょっとめんどくさい掃除も、全部自分でやらなきゃ、その責任は全部自分に回ってくるのだ。

そして、最近大学の勉強が終わり、なにも考えずに家事に全力投球できるようになった。
今でも時々、怠惰な自分が顔を出すこともあるが、片親ということもあり
「いつかは自分で全部できるようにならなきゃいけないんだ」という思いが強い。

家事をするということは生きることなのである。
生きている限り、人間は汚い。汚れが出る。
自分で自分のお世話をしなきゃいけないのである。
家事をすることは、生きることと向き合うこと。

だから、以前の私は家事が出来なかったのだと思う。
毎日死にたくて、生きることと向き合っていなかった。
けれどもそう簡単に死なせてくれない世の中だった。
生きることは覚悟だと思う。
生きると決めなければ。

そうして私は今日も家事をする。

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