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『七つの会議』(2019年公開)

定例の営業会議がまもなく始まります。
野村萬斎演じる八角係長の悠然たる居眠り顔と、対局をなす、片岡愛之助演じる坂戸営業一課長の泣きそうな怯え切った表情。

これが『七つの会議』を見事に表現したシーンといっても、差し支えないと思います。

ここに、ツカツカと乗り込んでくる香川照之演じる北川営業部長。

「営業数字だけが命!」「製品のせいにするな!」「手段を選ばず売り倒せ!」

20.315も実はバリバリの営業経験者ですが、ここまでひどい職場環境ではありませんでした。営業成績も悪くなかったですし。笑。
でも、恐らく伝統ある企業ほど、たぶんこんな感じなんだろうなあ、とも思います。

東芝しかり、三菱電機しかり、富士通しかり・・・。

特別に個別企業名を出して批判することが趣旨ではないので、これ以上個別の企業名は出しませんが、かつて不祥事が表沙汰になった事実があるんですから、日本の企業はどこでも多少はこうした体質がある(残っている)と思います。

さて、そんな恐怖会議の中で悠然と居眠りしている八角係長ですが、なぜか北川部長からのおとがめがありません。なぜでしょう・・・。

話は20年前にまで遡ります。

ネタバレになるので、ここまでにしますが、それにしても、野村萬斎さんの演技は最高!ですね。男が男に惚れるパターンですよ、これは。

七つの会議-1

企業の不祥事を暴くエンターテインメント大作となっていますが、データ偽装問題は令和になった今でもニュースになったりします。

日本社会は上下関係がきっちりしている分、上司や先輩が仮に間違っていても「指摘しずらい」空気が存在します。それは、社長とその取り巻きである役員でさえ、そういう空気感にいます。

コーポレートガバナンス上、こうした空気感を排除しよう、ということで社外取締役の増員や、社外監査役、監査委員会の設置などがなされていますが、中々機能しない。だから、しょっちゅう社長や経営陣が謝罪会見しているわけですね。うーん、困ったもんですね!

映画のラストシーンでも上司から「会議が始まる」と合図されて、八角はいいます。

「居眠りの時間だ」 アッハッハッハ!

野村萬斎さん、最高ですね!

※写真は全て「映画.com」から。



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