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ネイチャーフィールドⅩ~生命体観察マガジン(昆虫)2020・06 その9

ネイチャーフィールドⅩの番人、20.315です。

週末に雨が降ると、ネイチャーフィールドⅩでの作業もできず、生命体の観察もできないので困りもんですね。日本の雨季ですからしょうがありません。

でも、雨もしっかり降ってくれなければ堆肥の熟成も進まないので、一概に雨を疎んじるわけにもいきません。ウィークデーの水曜、木曜ぐらいに雨が降り、土日は晴れる、みたいに天気がコントロールできればいいんですけどね。

ま、そんな詮無いことを言っても始まらないので、自然に身をゆだねるのがいいんでしょう。

さて、今回は冒頭写真にもあるとおり、カミキリムシの特集です。

長い触覚、大木をも切り出せる鋭利な牙、そして手に取って胴体を指でつまむと、小さくキィーキィーとか弱く泣く声、さらに顔が小さく胴体が長いフォルムで、どれをとっても子供たちに愛されそうな甲虫の中のアスリート、といえますね。

(どこがアスリートやねん?とか突っ込まないように。印象、あくまで印象です!)

中でも、冒頭のゴマダラカミキリは身近なカミキリムシです。

ネイチャーフィールドⅩ カミキリほか5jpg

実はこのゴマダラカミキリ、ネイチャーフィールドⅩにいたわけではなく、自宅の庭にいたのです。しかも、イチゴ苗に佇んでいたのです。↑

イチゴ苗が自然に、自宅庭に生えていることは1年前からわかっていたのですが、イチゴなので、抜き取らずそのまま放置していました。
そうしたら、いつの間にか実際にイチゴの実も成っているでないか!と喜んでいたのですが、ふと見ると、ゴマダラ君がいました。

ゴマダラカミキリはミカン系樹木やクリ、クワ、イチジクなどの葉を食しますが、イチゴを食べるなど聞いたことがありません。

なぜ、そこにいたのかは謎です。

↓ ナガゴマフカミキリ。

ネイチャーフィールドXで作業中、竹類を堆積した場所から1本の竹を取ろうとしたら、指に違和感があり、ふとみたら、うごめく物体を発見、よくよく見たらナガゴマフカミキリでした!

あまりにも周囲の環境に同化(保護色)しているため、見つけるのが困難な甲虫のひとつです。カミキリムシはゴミムシ等とは違い、盛んに動きまわることが少なく、静かにじっとしていることがあるので、ますます見つけにくいんです。

ネイチャーフィールドⅩ カミキリほか2

樹木の枯れ木や伐採した木に集まりますが、ネイチャーフィールドⅩには、大量の「やがて堆肥」があるので、ナガゴマフカミキリにとっても住みやすい環境ですね!

↓ こちらはテツイロヒメカミキリですね。おそらく。

ネイチャーフィールドⅩ カミキリほか3

「おそらく」としたのは、様々な昆虫系サイトを見て「これだ」と同定しているにもかかわらず、「100%確定」と断定できない部分が残っている場合があるからです。

テツイロヒメカミキリだと思うのですが、国立の研究機関である森林総合研究所が運営する「日本産カミキリムシ画像データベース」で調べると、カミキリ亜科に属するトワダムモンメダカカミキリにもよく似ていますし、「吉崎ネット甲虫館」の中で調べると、チャイロヒメカミキリにもよく似ています。うーん、困った・・・。

悩みに悩んだ末、一応、テツイロヒメカミキリとしました。全体的な身体の特徴と色を比較すると、このテツイロヒメカミキリに最も近い、限りなく似ていると判断したわけです。

ただし「KEI's昆虫採集記」には、「関東では京浜地区に集中」とあり、ここは埼玉県ですので、ひょっとすると違うかもしれません。でも、このサイトで比較すると、そっくりなんです・・・。

昆虫研究の世界は、未だ発展途上にあります。同じ種類の虫だ、と判断されても、20~30キロ離れると、多少の違いが現れます。さらに調べて、これは同種でなく新種である、との判断されるケースも少なくありません。
さらにいうと、研究者同志で意見が食い違い、未だシロクロの判定がなされていない昆虫もいます。

それだけディープな世界なんですね。そこがまた昆虫世界の面白いところでもあります!

今回のエンディングは、カミキリ類ではなく、これまた子供たちに人気の「ナナフシ」です。

↓ ナナフシモドキ。

ネイチャーフィールドⅩ カミキリほか4

20.315も、初めて生のナナフシを発見しました。最高にうれしい一日です。

フイリアオイの若芽とケヤキの大木の間を一生懸命に登っているシーンです。手のひらに載せてみようと、手を差し伸べたのですが、ハラハラと下に落ちていきました。危険から逃れようとして、脚を自切する可能性もあるということなので、それ以上は追いません。

せっかく見つけたナナフシモドキちゃんなので、成長して成虫になってほしい、頑張って生きて行けよ!と励まして見送りました。

正式にはナナフシモドキですが、ナナフシには違いありません。

子供の頃、カブトムシやクワガタを見つけると小躍りしてはしゃいでいた記憶がありますが、残念ながら、見つけようにも全く見つけられなかったのが、このナナフシでした。若い小枝に擬態しているため、そもそも発見が難しい昆虫の代表格です。

リアルな図鑑やサイト図鑑でも「都市近郊でも結構見つかる」と書かれていますが、正直「ホンマかな~」と疑っていました。

でも実際に、こうして見つけることができました!
ネイチャーフィールドXなど緑が豊富な場所で、じっくり時間をかけて観察すれば、結構見つけられるもんですね!めでたしめでたし。

※写真は全て20.315が撮影。
※場所はネイチャーフィールドX、ゴマダラカミキリとイチゴの写真は自宅です。






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