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#15-毎日違うチームをマネジメントするための創意工夫

物流のラストワンマイルをDX化する【207株式会社】がお届けするPodcastの文字起こしnoteです。今回は前回(前編はこちら)に引き続き「スキマ便」事業を統括する小林さんに、スキマ便業務内容、配達チームのマネジメント、SlackのオープンDM活用法などを伺いました。

インタビュアー:Tasuku
インタビュイー:207 小林

ー 会社の中でのご自身の役割やポジションについて簡単にご紹介ください。

小林:自分の役割に関しましてはスキマ便全体を統括しています。スキマ便に携わる事は自分が全て意思決定をしています。

ー 分解してみるとどういう要素がありますか?

小林:要素としてはスキマ便にはまず2パターンあり、1つが毎日の荷物を滞りなく配達するための現場や配達員の管理や荷物の管理という部分、もう1つがスキマ便は現状の維持だけでは無く拡大する事が未来展望にあるのでそこに向けての動きの2軸で動いています。

ー メンバーはどれくらいいますか?

小林:現在はスキマ便に定期的に週3以上入ってくれている配達員が5人程度で、週1くらいが数名いて、本当に日雇いで1日だけの出会いみたいなものもあります。日雇いの方まで含めると月30名くらいと関わっているかと思います。

ー メンバーが固定されておらず色々人が来るのをマネジメントするのは、聞いただけで僕は発狂しそうですが、よくやっていますね(笑)

小林:(笑)これは今だけでなく、昔から日雇いの人をマネジメントする事はやっていて、経験を積み上げて想像して仮説を持って進めていく感じです。

ー 僕には絶対出来ないのでとても尊敬します!会社の中で小林さんのミッションについてどう捉えられていますか?

小林:自分の今のポジションがスキマ便にあるので、スキマ便をグロースさせる事によって、会社やメンバーにインパクトを与えるところだと思っています。

ー 事業としての短期目標・長期目標についてお伺いしてもよろしいですか?

小林:短期目標は、いま自転車リアカーが絶対必要だと事業の中で定義しているので、自分たちが思う「誰もが一定以上の配達完了数を上げられる自転車リアカーはこれだ!」というものを確立する事です。長期目標は、スキマ便は今の拠点が成功するだけでなく、拡大して展開していくところが未来にあるので、この仕組みが整えばどこにでも拡大できる、ギグワーカーでどこの地域にも荷物が運べる仕組みを確立する事です。

ー 言える範囲でいいので、1時間当たりの配達の個数や荷物の数など、そういうKPIはどの様になっていますか?

小林:今は誰が配達しても1時間当たり15荷物以上を配達完了しようと定義しているKPIになります。

ー 現状はどれくらいですか?

小林:大体10~11くらいが1時間の配達完了数になっています。

ー それをリアカーなど色々なものを駆使してどんどん数を上げていくという話ですか?

小林:そうです。毎日そこについて取り組んでいます。

ー 日々の業務フローやルーティンについてお伺いしたいのですが、メンバーの中での定例や代表の高柳さんへの報告などはどのように運用されていますか?

小林:社内ですと、スキマ便に関しては基本的に高柳と話を進めていく流れになっていて、朝に朝会変わりに今日の取り組みと昨日の振り返りを行ってから、現場入りする流れです。

現場では荷物を仕分けて、配達員が来たら指示を出して、配達トラブル等が起きたら対応しつつ、試行錯誤する部分に取り組む感じです。あっという間に1日が過ぎていきます。

ー デイリーのミーティングを実際にやり始める前と後で変化を感じますか?

小林:やり始める前は一人で考えてやっていく事が多かったので、いま自分が向かっている場所が、本当に会社として正しいのかなという思いがありました。

スキマ便は会社の事業なので、会社の方向性と合っているかのすり合わせや、他の方からの意見やアドバイスがミーティングを行う事によって今までより増えたと思います。

ー 少し話は変わりますが、会社はどういうメンバーが多いですか?

小林:社内のメンバーに感じるのは、仕事が好きなんだなということです。自分のやっている仕事が本当に楽しくて好きで取り組んでいる方が多いのかなと思います。

ー 本当に夜遅くまで働いている人もいれば、朝がとても早い人もいれば(笑)とにかく皆とても働いてますよね!

小林:確かにそうですね!皆Slackでいつでもメッセージが返ってくる感覚はすごくあります(笑)

ー 誰に強制される訳でもない感じですよね。

小林:そうですね。仕事を仕事としてやっているというよりか、皆好きで楽しくやっている事が仕事だというのがすごく伝わってきます。

ー 遊びの延長線上ですよね。だからパフォーマンスが出るのかなと思いますね。

小林:はい、本当に。

ー 他であまり見ないチームとしての特徴はありますか?

小林:チームの特徴でいうと、ルールに縛られていないというところですかね。必要な文化はちゃんと高柳が定義して浸透していると思う一方で、動きづらくなる足枷のようなルールが無い事によって、皆が自然に動けているところがチームの良さだと思います。

ー 確かに!これまで組織やチームで小林さんご自身が実践した事で、上手くいった事上手くいかなかった事のエピソードを頂けますか?

小林:これはすごく難しい質問だと思っています。何でかと言うと自分はスキマ便に関わる時間が多い事もあり、あまり組織メンバーと関りが持てていないないからです。ですが207株式会社(以下「207」)のSlackに自分のタイムズチャンネルがあり業務的に直接関わりのないメンバーも見てくれているので、そこにたくさん書き込む事を意識してやっていると皆スタンプやコメントをくださったりして、そこでの関りは上手くいったかなと思います。

ー タイムズチャンネルというのは、DMの代わりにその人の個人チャンネルがあり、何か用があればそこのチャンネルに書き込みするという使い方ですよね。逆に自分が最近思っている事などを常に発信する場としても使っている感じですか?

小林:そうです。

ー 小林さんは確かに結構書き込まれている印象ありますね。

小林:そうですね。スキマ便孤独だー!(笑)と思うところがあるので、そこで関わりたいなと思っています。

ー 自分がやっている事を皆にも知ってほしい思いもあるんですか?

小林:それはすごくあります。やはり一緒の会社で働いているので、起きた事実だけではなく気持ちも伝わった方がお互い良いなと思っています。

ー とても良い事があったら皆で共有した方が、モメンタムというか事業の馬力になりますしね。引き続き発信お願いします!

小林:はい!ありがとうございます。

ー 逆に上手くいかなかったエピソードってありますか?

小林:行動が少ないところですかね。目の前のスキマ便という事業に触れる瞬間の方が多いのもあり、組織としてまだ何もアクションが起こせていないなという実感はすごくあります。

ー もう少し具体的に教えて頂けますか?

小林:例えばスキマ便はスキマ便の中だけで完結する事が多いのですが、他の業務や他のポジションの人達と積極的に会話をしたり、事業的な関りや人としての関りを含めて、組織の中でスキマ便単体ではなくスキマ便+〇〇のような感じで広く関りが作り出せるのかなと思っている中で、そこへのアクションが足りていないところですね。

ー 今パッと思いつくものでいいので、具体的なアクションの妄想はありますか?

小林:思うところで言うと、スキマ便をもっと皆に体験してもらいたいです。エンジニアの方なども、スキマ便の配達を一人一回くらい配達してフィードバックがもらいたいなと思っています(笑)

ー すごく良いですね、それ!

小林:定期的に話題には上がりますが皆さん忙しいのもあって実現できていなくて、そこは自分の後押し足りないのかな…みたいなところがありますね。

ー 本当に、現場を見る事が事業を作るのに一番解像度が上がるので、そういうことは推進出来たら良いですね。何かお手伝い出来る事があれば一緒にやりましょう!

小林:ありがとうございます!

ー 今の会社・組織にあえて改善点を指摘するとしたら思い当たるものはありますか?

小林:いま自分の課題もそうですが、事業やポジションの壁を除いてフラットに話す場、鍋会(メンバーが会社に集まって鍋を食べながら交流する会)はそれの一個だと思いますが、オフラインで開催していることもあり来られるメンバーだけに限られてしまっているので、制約を取っ払って皆で喋れる瞬間がオフラインだけでなくあればいいなと思います。

ー 鍋会は夜にやっているから、例えば僕は子供が2人いて夜は中々そういう場に顔を出せないので、オンライン鍋ランチみたいな(笑)そういうものを試験的に作ってみてざっくばらんに話すのはあっても良いよねと、高柳さんも確か一度仰っていましたね。そういうのもありですよね。

小林:はい。

ー 仕事がらみで今一番興味がある事は何かありますか?

小林:いま現場で自転車リアカーに毎日向き合っていて、それは手作業で作り上げていくアナログなところだと思っていて、自分は現場で走り回るみたいな生き方をしてきたのもあり、そこに囚われていたなという思いがあります。

例えば拠点のカギをスマートロックにするなど、IT技術をもっと導入していく必要があるところで知識がないので、そこには興味があります。

ー とても良いですね!ぜひ進めて頂きたいなと思います。

小林:はい。現場のがむしゃらさとの塩梅が大事だと思うので、両方の目線を持ち合わせてミルフィーユ状に綺麗に作っていきたいと思います。

ー 今後どういう組織にしていきたいかについてお伺いしてもいいですか?

小林:自分は文化やメンバーに惹かれて207に入社したこともあり、そこが207の良さだと思っているので、組織の人数が増えていった時に初期にあったものが失われていかないようにしたいと思います。

人数規模が変わって新たなフェーズに進むのはいいなと思う一方で、初期にあった大事にしたいものが消されていかないように綺麗に残っていけたら良いなと思います。

ー 良い視点ですね。5年後100人200人とそういう単位で組織が大きくなっていった時、207で小林さん自身がどういうポジションでいたいかについてお伺いしてもいいですか?

小林:5年後の自分の中のイメージとして、スキマ便が全国に拠点がある事を想定しているので、未来を考える時はどんどんフェーズが変わっていくので高い視点に上がっていくと思いますが、自分は変わらずに現場の些細な事も今と同じで見ていたいなと思います。

やれる範囲や業務が増えたとしても、視点やその時大事にしていたものが今と変わらずにいきたいという思いがあります。

ー 前回も仰っていた、「当たり前ではないありがとうの精神」の部分や、「I love you的な哲学」などをソフト面では大事にしつつ、ハードではスマートテックを入れていき、どんどん皆を便利にして「そこで働くのが楽しいな」と思う人が出てくるというのは、確かに小林さんが統括だったら実現しそうだと思いました。

小林:嬉しいです。ありがとうございます。

ー ずばり207で今後実現したい社会について、妄想でもいいのであれば教えてください。

小林:今スキマ便はアナログで実際に配達員が配達するところがメインの事業となっていますが、ドローンで配達したり配達専用ロボットが今後出てきたりするのかなと思う一方で、日本全体で考えた時に人が配達する行為は0にはならないと思っています。

そこに対して、誰もが配達を楽しいと思いながら簡単に誰でも配達できる仕組みを作る事が、スキマ便と共に自分が実現したいと思っている事になります。

ー ギグワーカーというワードが無くなるかもしれないですよね。

小林::そうですね。配達しようと思っていなくても、A地点からB地点に移動する時についでにやるみたいな、配達が仕事ではなくフラットに生活の一部になる様な事を実現したいなと思います。

ー 良いですね。207の3つのValues「Speed with quality」「Be open」「3S」の中でどれが一番好きですか?

■ 207 Valuesについて
1. Speed with Quality スピードMAX、クオリティ7割
即レスを意識し、タスク実行はスピードMAXでかつクオリティは7割を担保せよ。
2. Be open 情報の透明化と自律駆動
メンバー全員が有機的に素早く最善の切断を下せるように、常に信頼しオープンマインドな行動を心掛けよう。
3. 3S 先生であり、生徒であり、科学者であれ
常に体験しインプットを惜しまず、かつアウトプットし、データで判断せよ(Sensei、Seito、Scientistsの頭文字の「S」をとって3S)

小林:一番好きなのは「Be open」ですね。

ー その心は?

小林:働く中人と接する中で、何か一つの隠し事を作ったらそれがある事により他にも言えない事になったり、相手が言わなかった事によって動きづらくなったりすることがあります。人との関係性で後から「この人こう思っていたんだ」と知る事が結構多いですが、「Be open」がある事によってそういうことが全く生まれない事を会社の中で実感しています。

ー 確かに情報の透明性が人間関係の複雑さを排除して、すごくシンプルに物事に向かって仕事出来る環境を作り出している事に繋がっているかもしれないですね。

小林:はい。あとは”思い”ですね。「Be open」という定義上に皆が存在しているので、言われない何かがあるんだろうと裏を想像する必要が無くなるのが、働きやすさを感じます。

ー 実際に日々の仕事の中で、207のValuesが発揮されていると思う瞬間はありますか?

小林:先ほど言った、タイムズチャンネルをとても活用していて、207でなければ仲間に言ってないであろう失敗談や心の葛藤を書き込むようになった時に、今までだとそういう弱い部分を曝け出す事も無かったですが、「Be open」がある事によって行動に繋がったと実感しています。

ー Values浸透のために今後について提案などありますか?

小林:入社した時に、Valuesを理解しつつ、何をしたらValuesが体現に繋がるのか理解して習得するまでに時間が掛ったので、Valuesをもっと具体的に新しく入ってくる人に伝えられると良いのかなと思います。

ー 確かに言葉では定義されていますが具体的にこういう事だというのを、例えばslackを見せながら「Speed with quality」のスタンプを貼られている人がなぜ「Speed with quality」なのか、そういうことがオンボーディングプロセスに入っていたら「こういうの良いな」と共感してもらうことも含めて解像度も上がりますよね。

小林:はい!理解も広まるかなと思います。

ー またカジュアルな質問に戻りますが、最近のニュースは何かありますか?

小林:プライベートで一つ人と約束した目標がありまして、自分はボルタリングで壁を登るのが好きで、一緒のシェアハウスに住んでいる女性と壁を登る話をよくしている中で、1年後くらいに一緒に岩を登る約束をしたのが、大きなニュースですね。

ー いわゆる断崖絶壁のような感じですか?

小林:そうです!勿論下に安全用にマットは敷きますが、本当に命綱無しで岩を登る事に挑戦しようとその方と約束をしました。

ー リポビタンDですね!

小林:そんな感じです(笑)

ー すごいな~(笑)「Be open」な一言という事で、あまり社員の方も知らない事を一つ教えてください!

小林:自分は賑やかな時に大々的に発言するなど、目立つことが好きではないタイプだと伝わっていると思います。実際鍋会でも一人ずつと密になりたいと思い関わっていますが、実はミュージカルをやっていた事があります。

大きな劇団では無くて町にあった劇団ですが、4年間くらいやって実際に舞台に立った経験があります(笑)

ー 本当ですか!知りませんでした!

小林:(笑)多分意外だと思います。目立つのは好きではないですが、何故か舞台に立った経験があるみたいな…。

ー それは自分でやりたいと思って始めたんですか?

小林:今よりも人と喋る事が怖くて出来ない人間で、このままでは社会でやっていけないと思い、逆にどういう人が輝いているんだろうとイメージしたのがミュージカルの舞台に出ている人だったので、追い込まれなければ変われない!と思い応募しました(笑)

ー 行動力がとてもありますね!今後どういう人と働きたいかについてメッセージを頂けますか?

小林:207を見ていても、先ほど言った通り仕事が好きという事が皆の共通項としてあるのかなと思っています。仕事は毎日取り組むものなので、それが嫌な思いではなく楽しく仕事をしている人、学ぶ事自体が楽しくてそれを人とアウトプットしたり人から学んだり出来る人と働き続けたいと思います。

ー 最後に一言お願いします!

小林:自分はスキマ便を毎日担当しているので、少しでも自分と働いてみたいなど、スキマ便に興味を持った方はご連絡頂けると嬉しいです!

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