見出し画像

#17-新人に横乗りを体験させて配送効率を3倍にした話

物流のラストワンマイルをDX化する【207株式会社】がお届けするPodcastの文字起こしnoteです。今回は前回のつづき(前編はこちら)です。「スキマ便」事業に配達・オペレーションの面で携わる高柳裕也さんに、配達員のマネジメント、207の空気感、好きなValuesについて伺いました。

インタビュアー:タスク
インタビュイー:207 高柳 裕也

ー 改めて、会社の中での役割やポジションについてご紹介頂いけますか?

高柳:今はスキマ便という事業の中の、主に配達とオペレーションの部分の両方を担当しています。

ー 組織が何人いるかという話でいうと、小林さんと一緒に働いている感じですか?

高柳:僕が接するのは圧倒的に小林さんが多いですね。

ー 日々の配達メンバーは固定メンバーというよりは結構変わっていくんですよね?

高柳:固定メンバーもいますが、本当にその日だけのメンバーもいたり、短期で入る人もいたり、そこは結構まちまちですね。

ー 毎日違う組織をマネジメントしてオペレーションを管理するのは大変じゃないですか?

高柳:本当にそうですね。荷物量はあんまり変わりませんが、メンバーによってどこに配置するかなど変わっていくので、考えるのは本当に大変ですね。

ー 初めて会った人が何に向いているか、何が好きなのか分からないまま仕事を始める難しさはありそうだなと思いますが、新しく出会った人に対してどのように判断して適材適所でアサインしていくんですか?

高柳:実際に出来るか出来ないかは配達という特質上、実際に現場に行ってやってもらう事でしか確実な判断は出来きませんが、自分が大事だと思う事は教える時の返事や態度を見る事かと思います。

態度や返事が真面目な人は最初遅くても伸びしろがあるという経験があるので、最初の教える時の態度は大事かなと思います。

ー 勉強になりますね!当たり前のことですけどね。挨拶がきちんと出来ない人は実際に仕事のパフォーマンスが低いことが多いということは、データとして繋がってきますよね。

高柳:そうですね。

ー とても大事なポイントを咀嚼されていて良いなと思いました。

高柳:ありがとうございます。

ー この人が物覚えが良いとか悪いとかではなく、きちんと一生懸命にやろうとしているスタンスですよね?

高柳:そうですね。初めて来てくれた方に仕事の概要を説明した時の態度や返事で、なんとなくは分かります。

ー 少し抽象的なお話になりますが、会社の中で裕也さんのミッションはどのように捉えられていますか?

高柳:今はスキマ便が小さい組織ですし、まだ人がいないので言うのもおこがましいですが、自分がいないと現場が成り立たない日もあるので、そういう現場を整えて配達員の方達を引っ張っていく立場だと思います。

ー あとは、スキマ便の組織が大きくなった時にもそれに耐えうる体制という事ですよね?100人1000人になった時に裕也さんが一人で率いるのは難しいと思うので、仕組化は求められている可能性が高そうですね。仕組化についてこういう風にやっていこうかと考えている事はありますか?

高柳:そうですね。まだこれに関しては言語化出来る考えがまとまっていないので、思い浮かんでいないというのが答えです。

ー 事業の短期目標・長期目標を教えて頂けますか?

高柳:短期目標は、年内には一つの拠点の荷物を1000個くらいに出来ればと思います。長期目標は、あと数年後にはスキマ便の拠点を100拠点以上出来ればと思います。

ー 短期は拠点当たりの効率を上げていって、長期はどんどん展開していくという事ですね?

高柳:はい。

ー 楽しみですね!業務用フローや日々の仕事のルーティンについてお伺いしてもいいですか?

高柳:朝は7時前くらいに起きて、仕事では無いですが配達って体が資本なところはあるので、体調管理とダイエットを兼ねて筋トレをして整えています。

8時~8時半の間にAmazonのトラックが拠点に到着して荷物の搬入と仕分けを行い、それが大体1時間弱くらいです。そこからメインの拠点からエリアごとの拠点に荷物を移動していくのを30分~1時間かけてやっています。

あとはその日によってエリアの配達をやっている感じですね。

ー 仕事が終わるのはいつも何時頃ですか?

高柳:大体、午後8時~8時半くらいですね。

ー 結構普通の会社からすると遅いですよね。12時間くらい働いているという事ですか?

高柳:トータルではそれくらいですね。

ー でも207株式会社(以下「207」)は仕事が好きな人多いから、全然気にならないんでしょうね。

高柳:全然、そこは苦と思っていないので大丈夫です。

ー 会社のメンバーについてお伺いしたいのですが、どういう人が多いと思いますか?

高柳:皆本当に嫌な人がいないですね。誰かも言っていましたが、本当に性善説で通るなと思います。

ー 人の悪口を聞いたことが無いですよね。

高柳:確かに。「彼こうした方が良いよね」ということはありますが、悪口は本当に聞いたことが無いです。

ー それは配達の現場でもそうですか?

高柳:そうですね。207のコアメンバーだけでなく配達メンバーもそんなに人の悪口を言うような人はいなくて、端的に良い人ばかりですね。

ー 207の文化がそうなってきているんでしょうね。そうでない人はもはや近寄れない様な雰囲気や空気が漂っているのかもしれないですね。

高柳:確かに。それは良い事ですよね。

ー 他の会社に無いチームとしての特徴はありますか?

高柳:やはり「Be open」が他の会社との差別化の部分で大きいかなと思います。

ー 「Be open」はすごいですよね!

高柳:自分のプライベートや仕事に関する事以外は隠したい人は、他の会社さんの話を聞くといらっしゃるので、そういう意味で「Be open」はすごいなと思います。

ー これまで組織で実践した事で、上手くいった事・上手くいかなかった事はありますか?

高柳:今はあまり出来ていませんが、スキマ便の中でモチベーションが高くて真面目だけど、1時間ごとの配達件数が遅かったメンバーがいて、なんとかしたいと思い自分の配達の助手席に横乗りしてもらい、どのように配達しているかを実際に1対1で教えました。すると1時間で5~6件だったのが15件くらいに伸びました。

それはスキマ便をやってきた中で一番の成功例かなと思います。

ー 3倍ですか!すごい!!!

高柳:すぐではありませんが、2週間くらい経ったらそれくらいになっていました。

ー 横乗りはとても効果がありますよね!

高柳:やって良かったなと思いました。

ー 荷物をA地点からB地点に届ける単純作業と思っている人がもしかしたらいるかもしれませんが、その地域の道を知っていることや、どこに駐車したらいいか、この家は何時頃によく居るかなど、すごく膨大なデータを頭の中で処理しながらやらないと効率は上がらないので、それは初心者の方には大変ですよね。

高柳:そうですね。大手の配達会社さんでは、それが嫌になって辞める人も結構多いという話は聞きますね。

ー 横乗りを実際にやる時に注意して教えている点はありますか?

高柳:相手の今までのやり方を否定する言葉をなるべく使わないようにしています。「もっとこうした方がいいよ」というように、否定的な表現は使わないようにしています。

ー コミュニケーションは大事ですよね。言い方一つでスーッと入ってきたりしますよね。逆に上手くいかなかった事のエピソードはありますか?

高柳:前職の時に全然キッチンが覚えられなくて料理が作れなかったので練習しようと思ったのですが、飲食店は締め作業をしなければいけないのですが、しなければいけない時間を大幅に超えて次の営業に支障をきたした事はあります。

ー それも先ほどの初心者の配達員の話と似ている気がしますね。教えてもらったら出来るものですよね?

高柳:似ている部分はあると思います。

ー あとは純粋に、好き嫌いや苦手・得意などもあるかもしれないですね。また207の組織の話に戻りますが、今の組織に対してあえて改善点を指摘するとしたら何かありますか?

高柳:自分が言えた事ではないですが、「3S」を自分からやる部分を実践出来ているメンバーはとても出来ていますが、そうでは無いメンバーとの落差が少しあるのかなと思います。

出来てない人も一般的に言えば出来ていると思いますが、これをもっと平準化出来たら更にすごい組織になると思います。

ー 個人名は出さないにしても、出来ていない人は何で出来ていないと思いますか?

高柳:自分から見たら出来ているとは思いますが、日々の仕事に追われているという部分はあると思います。

ー なるほど。そこは助け合いなどで一人一人のメンバーが時間に余裕が持てるようになり、文化である「3S」や「Speed with quality」をもう少し自分の頭の中で解釈する時間が増えれば、そういう行動が増るのではないかということですか?

高柳:そうですね。

ー 少し話が飛びますが、仕事絡みで今一番興味がある事はありますか?

高柳:配達の部分でいえば、Amazonさんとヤマトさんがオートロック付きの機器をアプリで開錠出来るようになるシステムを開発して実証実験をやろうとしているらしいので、それが普及すれば持ち戻り率が減っていくのかなと思います。

ー 置き配などももっと当たり前になればいいと思いますよね。

高柳:そうですね。ですが、置き配は結構嫌がる方もいる印象ですね。

ー 例えば10人いたら何人くらいが置き配を嫌がりますか?

高柳:Amazonは置き配メインなんですが、置き配をしないでくださいという人は、10人中1人か2人くらいの割合でいますね。

ー 逆に言うと8割くらいは「別に置き配で良いよ」という感じですか?

高柳:そうですね。8割くらいの人は「別に置き配してもどっちでもいいよ」などで、全体の2割くらいの人は積極的に「居ないので置き配してください」という感じですね。

ー とても貴重なデータですね!中々そういうことはずっと回っている現場の方でないと分からないので、今のはすごく面白いなと思いました。置き配が嫌な理由は盗まれることへの懸念や、他人に触られたら嫌だからなどですか?

高柳:何個かあると思っていて、盗まれるのが嫌であったり実際に置き配で盗まれた経験がある人と、地べたに荷物を置かれるのが嫌だという人。あとはご高齢の方に多いですが「配達とは手渡しをするものだ」と固定観念があるなど、主にその辺りかなと思います。

ー 結局届けられる側は自分の都合で一番考えますよね。

高柳:まあ仕方ない部分かなとは思います。

ー 僕も207にJoinさせて頂く前は、その辺りにとても問題感を持っていていました。例えば、お兄さんの慎也さん(207代表)がよく仰っている配達完了当たりで報酬が発生しているから、配達が5回で終わっても1回で終わっても報酬が同じだという話を知らなかったんですよね。

高柳:そうですね。再配達を今はどこの会社も無料でやっているからこそ、そういう事が起きていると思います。

ー だからそういうことを聞くと、毎回届けてくださる方に「本当にいつもありがとうございます」と言うようになりました。一つ世の中の現状を知るだけでも人の行動は変わるかもしれないので、そういう意味でも207の事業を大きくしていくことは社会的意義が強そうですよね。

高柳:そうですね。自分も正直207に入るまでは何回も再配達させていたので、実際にやってみて当時の配達員の方に本当にごめんなさいと思っています(笑)

ー 学生街とか多分本当に大変ですよね(笑)

高柳:大学の時よく不在していたので、本当に申し訳なかったです(笑)

ー 現場の皆さんの感覚やデータを駆使して、誰でも再配達を無くしていく、とても良い事業だなと改めて思いましたね!

高柳:そうですね!

ー 今後207という会社組織をどのようにしていきたいか、裕也さんの視点から何かメッセージはありますか?

高柳:良い部分の文化は残しつつ、物流はコロナの影響もあり本当に激変していくので、そういう激変にも耐えうる組織になっていけたらなと思います。

ー 色々な需要が増えてコロナ禍で変わった業界の一つだと思いますし、そういうところに人が一気に増えて会社の雰囲気が変わると何か嫌ですよね。

高柳:それで良い部分が薄れてしまうのは少し嫌だなとは思います。

ー もう少し具体的な話で言うと、5年後など組織が大きくなった時に裕也さんとしてはどういうポジションで仕事をしていたいかイメージはありますか?

高柳:スキマ便や自社でやる事業の統括のポジションになっていきたいなと思います。

ー ずばり207で今後実現したい社会について伺ってもよろしいですか?

高柳:やはり再配達ゼロです。配達の仕事はどちらかと言うと大変な仕事だと思いますが、何度も行かないといけない理不尽な部分や非効率な部分が一切無い仕事を207で作っていければと思います。

ー 楽しみですね。207の3つのValues「Speed with quality」「Be open」「3S」どれが一番好きですか?

■ 207 Valuesについて
1. Speed with Quality スピードMAX、クオリティ7割
即レスを意識し、タスク実行はスピードMAXでかつクオリティは7割を担保せよ。
2. Be open 情報の透明化と自律駆動
メンバー全員が有機的に素早く最善の切断を下せるように、常に信頼しオープンマインドな行動を心掛けよう。
3. 3S 先生であり、生徒であり、科学者であれ
常に体験しインプットを惜しまず、かつアウトプットし、データで判断せよ(Sensei、Seito、Scientistsの頭文字の「S」をとって3S)

高柳:「Be open」ですね。

ー 好きなポイントはありますか?

高柳:「Be open」する事によって、仕事をするだけでは見えてこないその人の一面が見えてきて、その人に対する親近感が生まれコミュニケーションがどんどん円滑になっていく部分ですね。

ー 他の2つ「Speed with quality」「3S」に関して207のメンバーの仕事ぶりが発揮されていると思う瞬間はありますか?

高柳:特定の誰かというよりはSlackなどのやりとりで、誰かが発言したら1~2分後に誰かがレスをする部分はその2つが体現できているなと思います。

ー スピードが早いですよね!

高柳:本当に5分掛ると遅く感じるくらい、早いですね。

ー いつでも何か聞かれたら答えられるようにしておく事は、自分の目の前の作業の集中度合いを下げる事とトレードオフになる事もあるかなと思います。ですがそれは自分で工夫のしようがあり、例えば僕は朝4時にいつも起きているので、朝に作業時間を設けて日中の他の社員さんと関わる時間は【来たらすぐ答えるぞ!モード】になっています。チームのアウトプットの最大化が皆さん念頭に置けているから「Speed with quality」を体現している人が多いのかなと思います。チームワークを感じませんか?

高柳:そうですね。孤高な人は確かにいないですね。皆で一つの方向を向いていると思います。

ー 体現できている一つの要素として鍋会(メンバーが会社に集まって鍋を食べながら交流する会)があると思いますが、鍋会の魅力はいかがですか?

高柳:やはり10人前後のメンバーで同じ鍋をつつく事で、そこでざっくばらんに言える雰囲気が魅力ですかね。真面目な話もくだらない話も皆で笑いながら出来る部分ですね。

ー QAの西田さんから、207のチームはスポーツチームっぽくなっているという話を伺ったんですよね。具体的に言うと、一人一人が専門家で自律してきちんと価値を出す為に動いているという事です。一方鍋会の中ではそうではない家族っぽい一面で、チームとしての結束を固めるところがバランス良くワークしているんだろうなと外から見ていて思いますが、その辺りどう思いますか?

高柳:鍋会でチームの結束が強くなっているという部分は強いと思います。でも各メンバーが自分のスキルや、自分の仕事にコミットする部分はそれぞれ核として持っているので、その両方がワークするのかなと思います。

ー 207のValuesを更に浸透させる為に新しい提案はありますか?

高柳:パッと思い浮かびませんが、コアメンバーが皆率先してやっていけば新しい方もそれに続くと思いますし、それをひたすら続けていく事なのかなと思います。

ー 最後にカジュアルなところに戻りますが、最近のニュースは何かありますか?

高柳:超個人的な事で言うと、ダイエットして3kg痩せたくらいですね(笑)

ー それは筋トレだけですか?

高柳:筋トレと食べる量を減らしました。元々甘いものが大好きだったのですが、一日アイス一個だけなど決まりを決めて、それと筋トレを両立したら痩せました。

ー 207は筋トレ好きな人が多いですね(笑)

高柳:そうですね(笑)

ー 「Be open」な一言という事で、社員の方でも知らない事を何か教えて頂けますか?

高柳:実はフランス語を少し喋れる事くらいですかね(笑)

ー 勉強していたんですか?

高柳:一応、大学時代に…(笑)

ー へぇ!すごい!

高柳:いまは少し忘れてきましたが、フランス語検定3級を持っています。

ー それは歴史が好きなことと関係あるんですか?

高柳:そうですね。イギリスとフランスの関係の歴史が大学の専攻だったので、その関係でフランス語を少し勉強しました。

ー では、207がフランスに進出した時は裕也さんがフロントで交渉してくださるという事で頼りにしています!

高柳:勉強しなおしておきます(笑)

ー 今後新しく入ってくる人について、どういう人と働きたいかについてもコメントを頂けますか?

高柳:何度もお話に出た通り、人間的に嫌な部分が無いところや、自分の事はある程度「Be open」にさらけ出せる方が、信頼関係を作っていく中で重要だと思うので、そういう事が出来ている方と一緒に働けたらと思います。

ー どうしても言いたくない事を強制させる文化でもないですしね。

高柳:そうですね。

ー 最後に何か一言お願いします!

高柳:新しく入ってくれる方には、物流業界に新しい風を吹かせるような会社を一緒に作っていければなと思います!

ー ありがとうございます!風穴開けましょう!

■ お知らせ ■
207株式会社ではPodcastを配信しています。気に入ったらぜひ【フォロー】をお願いいたします!SNSでの感想シェアも大歓迎です。また、採用も絶賛強化中です。気になる方は是非こちら(Wantedly)をご覧ください。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?