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月命日   二十日 愛猫りりこ

今年、2月の寒い早朝この子は私の腕の中で逝ってしまった。

癌。腺房状乳腺癌。  乳ガンだった。

お腹の半分を切り取りさぞ痛くてつらかったはずだ。昨年のはじめに膵炎から復活してすぐに癌は発見された。

抗がん剤や放射線治療はしなかった。自宅をホスピスにしたのだ。ビタミン療法、βグルカンのサプリメント、温かい寝床とお日さま。痛み止めの経口投与。

来る日も来る日もりりこのことにかかりきりで治してはあげることができないくやしさと悲しみ。

およそ9年私の傍らにいた気高いおしゃまさんのりりこ。

にぁ、にぁ、にぁ と足元をくるくるまわって頭をコツンコツンとぶつけてきて。

可愛かった。

         りりこ

これはまだりりこの幼かった頃の写真。

里親になり、りりこのママになった日。りりこは私のスカートの上に丸くなっていた。愛らしいブルーの瞳が忘れられない。

猫を抱えて街を出ろ!! のきっかけはりりこの死だ。

まぁるいりりこ。愛くるしい声  「にぁ」。

死の前日のレントゲン。腸内にベンを確認した。生きようと必死にごはんを食べていた。

私のスマホにはおびただしいほど猫写真がある。りりこの癌を知り、毎日りりこの姿を撮影した。 

  りりこの死に顔

りりこの死に顔は安らかだった。まるで眠っているようで、いきなり起きて「にぁ」となくのではないか、と目尻が切れるほど泣いて泣いて私はからだの一部をもがれたようだった。

火葬は  嫌だった。ずっと抱いていたかった。だんだん冷たく固くなっていく我が子の遺骸を抱き締めて泣いた。

最後の抱っこ。

葬儀には音楽。MALICE MIZERのアルバムを1枚まるまる流してもらった。1曲だけでもかまわなかったが・・・。

りりこの最期は悲しくて朝4時かっきりに私の右腕にくらいついて断末魔をこらえた。

いつか、虹の橋の下で彼女に、りりこに再会できることを信じている。私はまだりりこの首輪を身につけている。

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