8月に見た台湾映画
台湾の8月は鬼月だ。
中国語で鬼は、オニではなくて幽霊やオバケの意味になる。
8月1ヶ月丸ごとお盆みたいな感じで、祖先の霊がこの世に戻ってくる。祖先だけでなく無縁仏たち(台湾では「好兄弟」という、この言い方好き)も8月には現世にウヨウヨいるから、生きてる人間はいろいろ気をつけて、いたずらされたり、取り憑かれたりしないようにしないといけない。
そんな人間には普段は見えない鬼たちが、自身の存続?をかけてがんばる物語だった。
かなりおもしろくて、いろいろ考えて、なるほどなぁと思いながら、まんまと泣いた。
霊の世界も大変なんだな。
生きてる身内から忘れられたら、幽霊でいることさえできなくなって、完全に消滅してしまう非情な世界。
(ちょっとここ、私のリスニング力の問題でイマイチわかってないかも...)
生き残る(って変だけど)道は、人間に怖がられる幽霊になることで、その中でもYouTubeで語り継がれるような怪奇現象を起こすことができて、注目されればされるほど地位も上がる。
まるで芸能界やインフルエンサーの世界をそのままを写したような死後の世界。
生きていようが死んでいようが、今いる場所で一生懸命生きる(いや、死んでるのでややこしいけど)感じが中華圏の人たち!って感じがしてよかった。
最後も爽快だったので、気分よく泣ける映画だった。
MRTの駅で見かけた広告がおもしろそうだったし、監督が『返校』という話題になった映画の監督さんだったので、たまには映画でもというノリで見に行ったけど、行ってよかった。
クライマックスにかけて、少しずつみんなの思いが理解できてきて、あぁ、そうなるんだ!なるほどこの展開いいね!って思う瞬間の気持ちやどうしてそう思ったかをもっと言語化して伝えたいけど、それって本当に難しい。
ただ、実は本当におもしろい映画かどうかとは関係なく、私の気持ちが「おもしろくて感動するもの」を求めていて、そこにズバーンと入り込んできたのがこの映画だったという気もする。
あと、すごく聞き取りが難しくて、字幕を必死で読んでやっと理解できる映画だった。
もっとリスニングを強化しないといけないなぁ。