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2020 秋の京都 part4

 京都遊覧記番外編もいよいよ終盤へ。前回の記事は以下のリンク。

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今回はついに、黒色で囲んだエリア、嵐山・嵯峨野を旅しました。

part4.嵐山・嵯峨野-1 北部

訪問時期:11月中旬
 嵐山・嵯峨野は観光客がいつ訪れても多い。そこで今回は、人の少ない平日を狙って計画を立てた。目論見通り、人は少なく秋の嵐山を堪能できた。まず最初に訪れたのは厭離庵(えんりあん)。藤原定家が百人一首を選定した小倉山荘があった場所とされており、秋にのみ限定公開を行っている。

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この地で百人一首の撰定を行っていたと考えると、歴史のロマンが膨らむ。

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全面的に紅葉が進んでいるわけではなかったが、とてもいいものを見させてもらった。

次に訪れたのは宝筐院(ほうきょういん)。南北朝時代に南朝の主要勢力として戦った楠木正成の子正行の菩提寺と伝わっている。

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入ってすぐに見えるのは美しい紅葉の通り道。見頃を迎えているようだ。

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色の異なる紅葉が私を出迎えてくれる。

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太陽の光が差し込んでくる時間になり、とても気持ちがいい。秋の木漏れ日も美しい。

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晩秋の頃の写真のようにも見える。

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そういえば、宝筐院は一脚や三脚の持ち込みが禁止されている。それには以下のような事情がある。

以前は撮影を許可しておりましたが、通路上に三脚を広げて他の拝観者の通行を邪魔したり、場所の取り合いで喧嘩をしたり、苔庭の中に踏み込んで苔を踏みにじり、庭を荒らしたり、「撮影の邪魔だからそこをどけ」などと我が物顔で拝観者を仕切ったりといった、マナーの悪いカメラマンによるトラブルが度重なり、境内の寺としての雰囲気が台無しになりました。
                      京都嵯峨野・宝筐院 HPより

一人一人がマナーを守る、一見当たり前のことだが守る事が難しい。そのことに改めて気づかされた。これからも宝筐院の姿を、我々観光客は汚さぬように訪れたい。

宝筐院のすぐ横に位置するのが清涼寺だ。寺宝特別展が行われると聞き、訪れることを決めた。

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国宝にも指定されている釈迦如来立像は像の中から絹で作られた内臓模型が発見されたことでも有名である。他にも様々な寺宝を見ることができる。

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本堂奥にある庭園にも紅葉が進んでいた。

続いて訪れたのは二尊院。余談だが、二尊院には角倉了以、伊藤仁斎、伊藤東涯など歴史的有名人の墓が多い。また、藤原定家が百人一首の撰定を行った地とされている。いくつあるのか、と問いたくなる。

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参道が紅葉だらけである。いい眺めだ。

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黄色と赤色の紅葉。両者の組み合わせがベストである。

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上も下も紅葉尽くし。贅沢な空間だ。

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小倉餡発祥の地でもあるらしい。500円で紅葉が体験できる最高の地だった。

二尊院から北に進んで、滝口寺へと向かう。高山樗牛の小説『滝口入道』に登場する主人公斎藤時頼(滝口入道)と建礼門院の侍女横笛との悲恋の地として知られている。

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散りしきる紅葉。

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あまり人が訪れない寺院だからか、敷地を独占することができた。なかなか趣のある空間だ。

滝口寺のすぐ隣にあるのが祇王寺。祇王寺は何と拝観料300円。嵐山という立地にありながら、リーズナブルな価格となっている。こちらも平家縁の地となっており、平清盛の寵愛を受けたものの、後に捨てられた祇王が余生を過ごした地と伝わっている。

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上から下まで全てが色づいている。散り紅葉も美しく、最高のスポットだ。

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夏と秋が混在している空間もあった。なんて美しいのだろうか。

祇王寺から竹林の道へと進む途中に、柿の実が鳴っているのを見つけた。

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江戸時代の俳人向井去来の別荘落柿舎である。一夜にして柿が全て落ちたことがその名の由来となっている(本当?)。

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俳句を1句でも詠んでみたい気持ちになる。五七五、たった17音に心情、景色を詠み込むという日本で高度に発展した歌だ。江戸時代の人たちはそのような歌が自然と詠める人たちが比較的多かったのだろうか。

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こじんまりとした空間だったが、よく手入れが行き届いており、趣のある場所だった。

part4.嵐山・嵯峨野-2 南部

 竹林の道を抜けて、次なる目的地へと向かう。紹介する場所が多いため、JR山陰線を境にして北部、南部と便宜上分けさせてもらう。
次に訪れたのは大河内山荘だ。昭和の映画スター大河内傳次郞が自らの別荘に30年もの歳月をかけて作り上げた庭園が見所となっている。入場料は1000円と他の観光地に比べると高めだが、そんな事は気にならなくなるくらい壮大な庭園が待ち受けている。

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まずは庭園内でお茶をいただく。お茶は心を落ち着かせてくれる最上の飲み物だと思う。抹茶の苦味がまた、美味しさを引き立てているのだ。

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お茶席から望める景色だ。紅葉真っ盛り。やはり嵐山は全体的に見頃を迎えているとようだ。

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庭園を散策する。

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大乗閣と呼ばれる建物。ここがこの山荘の母屋となっている。

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この地の紅葉は1つ1つがとても美しいと感じる。木の種類が違っていたりするのだろうか。

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京都市って盆地なんだな、と改めて再認識。

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持仏堂、傳次郞が毎日座禅を行っていた。

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散りしきる紅葉、一面を染める赤。手入れがよく行き届いていることがよくわかる。庭園はやはりそれ自体では成り立たない。生かすも殺すも人の手に委ねられているのだ。

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途中の高台からの写真。嵐山の雄大な自然を感じられる場所だ。山中にポツンと寺院が建っている。これは最後に訪れる千光寺だ。なかなかすごい所に建っている。

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晴れやかな空の下、大きな秋を見つけた。

次の目的地へと向かう途中、亀山公園を通り過ぎたのだが、

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なかなかここも絶景スポットのようだ。

亀山公園を抜け、人のいる方向へと進むと、渡月橋が見えてくる。ひとまず渡月橋はおいておいて、天龍寺のすぐ近くにある宝厳院を訪れることとした。

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何とも洒落ている庭園だ。

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それぞれの紅葉がとても美しい。真っ赤に染まった紅葉はこれまで訪れた地の中でも群を抜いている。

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はらはらと落ちた紅葉もまたこの庭園に彩りを与えている。何とまた美しい景色か。

宝厳寺を抜けた後は、最後の目的地へと向かうために渡月橋を渡る。

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最後の目的地、千光寺へと向かう。大河内山荘の頂上から見えていたあの小さなお寺である。

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15分ほど歩き、参道までやってきた。

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10分ほど山道を登ると、頂上が見えてきた。建物の中に入り、景色を見下ろす。

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反対側の小高い丘は先ほどの大河内山荘だ。山全体が色づいており、山そのものが秋を教えてくれる。

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保津川も見える。絶景スポットだ。知る人ぞ知る嵐山の奥地である。

嵐山と嵯峨野にはこれだけでは伝わらないたくさんの魅力がある。実際にその目で風光明媚なこの土地を味わってほしい。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。(次回リンク↓)


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