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オランダで、卵が先かニワトリが先か。

私はテレビを持っていないので、もっぱらYouTubeで日本の番組を見ているんですが、

最近観た番組でも、今の時代”人間力”があれば、この先も大丈夫!

ってなことを言っていて、本当にそうかもなぁ・・・なんて思う今日この頃。

オランダでの私の周りの人々は、キャラ立ちしているのもそうなんですが、

人間力がある人たちばかりがいる感じがする。

(自分の事はちょっと脇に置いといて)

お掃除の、その場を清めるパワー

私は常々『お金持ちになりたい』と思っている。

それはなぜかと言うと『お金持ちの家に住みたいから』です。

平屋でもいい、狭小住宅でもいい、インテリアにこだわりながら、

日々お掃除をして、好きなインテリアに囲まれて、

何なら巨匠(?)の絵画や芸術作品なんかを愛でながら日々を過ごしたい。

あと、ジャグジーバスとか高性能の電化製品に囲まれて、愛する人と過ごしたい。

”ヘイ、Siri!”

とかよりかは、ミーレとかの食器洗浄器の最新機種とか、

https://www.order-kitchen.com/dishwasher/2015/01/13/3447

Totoの淡い色合いの素敵な温水便器、とかそういうの。

とにかく素敵な我が城(マイキャッスル)を日々お掃除して、ピカピカの家に大きな窓から見える自然の緑(花々)を肴にお酒を飲んだりジャズを聴いたりしてオシャレなお料理を作り、愛する家族と眠りたい。

の、一部分、お掃除って、楽しい。

お掃除の会社でも立ち上げようかと思うくらい、お掃除好きなんですが、

お掃除って、

お掃除するとお金が貯まりそうだし、

人間力もアップしそうだし、本当に大好き!

で、現在お掃除仕事をやっている。

といっても、申し訳程度しかやっていないけれどね。

ある家は若者達のシェアハウスのお掃除で、メンバーチェンジを色々経て、現在3部屋埋まっている。(部屋数は4部屋)

一番の古参が アダム で、若いながら塗装業のフリーランス仕事。

もう一人が ムラル(ムダル)で、空港に勤めている。

もう一人が最近来た子で、名前がよくわからない。

以前は比較的年配者が混ざったりしていたので、

そんなにびっくりする事はなかったんだけど、

このメンバーになってから、波乱万丈の連続。

若いんだな、みんな。多分ね。

アダムは割と陰キャラだけど、人間力や生命力があり(と言っても、お腹壊したり、体調悪かったり、腕を怪我したりはしょっちゅう)私の上司(梨乃姐)からも頼られており、最近になって判明したがどうやらこの家の主人的な立場らしい。私が行くといつも「調子はどうだい?全てうまくいっているかい?」と声をかけてくれる。もう一度言おう、私よりはるかに若者だ。
ムダルも最近加入したメンバーだが、人間力があるんだかないんだか・・・。おっちょこちょいだが愛嬌があり、イケメンかと思われる。ただ、頭が良い感じを出していながら、本当は違う・・・?なんていうギャップがある。おっちょこちょいが災い?してか、最近結構大ごとに腰を痛めて、湿布が欠かせず、寝込んでいた。名前の発音が難しく、愛称ムー。
つい最近入居したメンバー、話はそこから始まる。縦にも横にも大きい。名前がわからずなので、仮にフトシとしよう。幼さの残る顔だが、やらかし率半端なく、仕事は何をやっているのかも謎。(私が言えた義理ではないが)ただ、お金持ちのボンボンらしく、持っているものがやたら高級品ばかり。もしかしたらどっかの王子?!

フトちゃんが来たとき

梨乃姐(私の上司)から『今日は新しい子が入居したからね!』って言われながら、シェアハウスへ。

『みんな同郷(アラブ)だから、いい感じなんじゃない?』って笑顔での姐さん、も束の間、

家に入ったら、アゴ外れっかと思った。

キッチンのシンク一杯に全ての食器がぐっちゃぐちゃになって、山盛りになってた。

『アダーム!』

ってちょっと強めの姐さんからの問いかけに、

駆けつけたアダムの話では、どうやら食洗機が壊れたみたいなんだ、との事。

『なんですぐなんとかしないのよ!ここに溜めてどうするつもり?!』ってアダムが怒られながら、姐さんと会話しているので、私は二階の部屋掃除に行く。

新規入居者の部屋に行ったら、(物が)上へ下へのお祭り騒ぎになっていた・・・。

ちょっと、ハードル高いから、先に他の部屋からやろう・・・。

そっと扉を閉めた・・・。

他の部屋(ムーアダムの部屋)をやっている間に、姐さんがシーツなどの必要なものを持ってきてくれて、

それを新居入居者の所にも・・・と思ったらしく、

姐さん扉を開けちゃってね・・・。

『アダーム!すぐに来て!』と呼びつける。

その声に、ムー も駆けつける。

『みてよ、これ!何なの?ひどすぎない?!』

って事で、アダムムーが怒られている・・・。

ムーが慌てて新規入居者に”戻ってきてなんとかして”と電話すると、

どうやら戻ってこれないらしく、アダムムーが二人でその部屋の後始末をしていた・・・。

お酒のビンやコップ、風船の残骸やタバコの吸い殻、何かの食べ残しや汚い脱ぎ捨てられたままの服・・・。

え?パーティーやったよね??

ウエルカムパーティー??

ギャグみたいにブラインドからベッド上までとにかく汚かった。

小学校とかで、先生に怒られて掃除サボった二人組が教室をシュン・・・としながら掃除する・・・まさにそのままだった・・・。

(二人が汚したわけでは無いのだが)

新人って、どんなヤツ?

ちょっと警戒感が強まる。

次の時には、どうやら詫びを入れたかったらしく、

私が行くのを待っていて、

私が着くと

「この前はお世話かけたね。今日は綺麗にしておいたから大丈夫と思う」

と声をかけて出て行った。

第一印象・・・半端なく、デカい。

3メーター近いかも知れない。

横も大きいから、一山が歩いている感じ。

だけど、幼さの残る顔をしているので、怖くはない。

後から来た梨乃姐が

『言っておいたからね!謝りに来た?今日は大丈夫でしょう?!』

って嬉しそうに言いに来たので、

「あの・・・汚くはなかったんですけど・・・。」

と恐る恐る報告してみる。

「クローゼットの扉が破壊されてました」と。

あと「ゴミ箱の中に危険物(マリファナ)がありました」と。

アダーム!

と呼びつける梨乃姐。

・・・コントかよ・・・。

ニコニコと人間力高めのアダムが現れて、梨乃姐が乱れまくって訴えたら、

アダムも真剣に聞いて「でも、扉まではちょっと面倒みきれなxzj・・・」的な事を言ったら、

姐もキーっっ!ってなってて、小20分くらい乱れ苦情みたいな事を話していた。

(ウンウン、申し訳ない、そうだ、オレが一緒にやる・・・)と聴くアダム

の、あと、二人でテラス席に出て、

タバコとお茶を飲みながら、クールダウンして人生話をしていた。

”二人でより良い環境をつくっていこう”的な?

・・・夫婦コントかよ・・・。

私は、というと、各部屋の掃除が終わり、階下に降り、

今度は見ると、二人仲良く?!大音量の音楽と共にキッチンの掃除をしていて、

『Hey!ユウキも踊って!』

とすっかりご機嫌な姐さんに元どおり。

(無理です、と丁重にお断りしましたが)

これも何もかも全てアダムの人間力のなせる技ですな。

その次の時。

扉を開けたら、フトシがまたもや待っていて、

「今日は本当に大丈夫だから!で、家族増えたから!」

って、犬・・・。

犬。

「ユウキは日本人でしょ?この犬も日本の犬だよ!」

と、見たら、秋田犬・・・??

「Akitaケン?」

って言ったら、

「そう!それ!可愛いでしょ?」

って嬉しそう。

可愛い・・・。(犬が、ね)

うん??・・・自部屋が整わないフトちゃんが犬を飼えるのか??

「ユウキのいる間は散歩に連れ出すからね!」ってご機嫌に出て行った。

まぁ、部屋はちゃんと程よくなっていたからいっか。

各部屋を掃除し終えたあと、キッチンに行くとおいおい、めっちゃ汚いやん。

食洗機あるんだから、使いなよ〜!

とか思っている所へムーが来て、

「今日はどう?何か足りないものとかある?お茶飲む?」

っていつものように心配してくれた。

(ちなみにアダムは不在)

「あ、そうそう、台所用洗剤がもうないんだけど」

っていうと、

「倉庫にあった気がしたけど・・・僕が揃えて置いたから。見てあげるよ」

と見に行き、

「なんだか無かったから、これから買いに行ってくるよ!他に必要な物はない??」

ムーちゃん”やっぱ無かった”よく言う)

他にもトイレ洗剤などがなくなったので、色々頼むと買い出しに出て行った。

しばらくすると、背高のっぽの・・・誰?!あんた誰?!な

男の子が入って来て、

「ちょっと質問あんだけど。掃除終わった??」

って言うから、

「まだ終わってないよ、各部屋は終わったけど」

と言うと、

「部屋終わったの?戻っていい?」

って言いながら、フトちゃんの部屋に入って行った・・・。

え?あんた、誰やねん。

で、しばらくするとリビングに降りて来て、なんだか寛いでいる・・・。

・・・あんた・・・誰やねん。

階下のトイレを掃除しようとトイレを開けたら、トイレがなんか凄い事になっている!!

(凄まじかったので説明割愛)

恐らく、トイレ詰まりを放置して、なんか次に入った人が格闘した形跡が・・・。

トイレ詰まりを解消するパッコン!するやつが必要だが、見当たらないので、

リビングにいるノッポ君(仮)に聞いてみる。

「トイレが詰まっているから、道具が必要なんだけど・・・どこにあるか知ってる?」

「トイレ、詰まってんの?道具が必要なの?・・・オレ、ここに住んでないから知らないし」

と来たもんだ、こりゃ。

・・・だからあんた、誰やねん・・・。

もう、ソッコーで姐さんに電話っす。

姐さんが助っ人を派遣してくれ、

『トイレの詰まりは私が何とかするから、かわい子ちゃんは他のが終わってんなら、帰んな!」

(女性です)

とのありがたいお言葉をいただき、

姐さんが待つ本部へ・・・。

開口一番、『あいつらに言っとくから!』

あぁ、ケンカはやめて〜・・・。

状態でその日を終えましてね。

(ところで、ムーは結局消えたなり)

今日、そんなドタバタな日々を経て。

再び、シェアハウスに行くと、笑顔のアダムが待っていて、

キッチンやだいたいのところはアダムが一人で整えていてくれていた。

そして、部屋に行くと、

フトやんの部屋に(再び)ノッポ君・・・。

びっくりしながらも、

「掃除していい?」と聞いたら

「もちろんだよ、今靴履いてるだけだから」との返事。

後から必要なものを運んでくれた同僚がノッポ君

「ちょっと言いたいんだけど、時間あるときでいいからいい加減このクローゼットの扉、直さない?」

と言うと、

「知らんね、オレの家じゃないし」との事。

・・・だから、お前、誰やねん。フトシをどこへやった??

全て掃除を終えた頃、アダムが戻って来て、

「私は掃除、終わりました。ありがとう」

と言うと、

「何で”ありがとう”なの。それを言うのは俺たちの方だよ!いつもありがとう、綺麗にしてくれて。・・・これ、少ないけど」

って、チップくれた。

何回でも言おう、私よりはるかに年下だ・・・。

でも、確かにいつも愛情込めて掃除している。

”病気にならないように”

”部屋に入って、ほっと出来るように”

”物をなくさないようにわかりやすく”(主にムーちゃん

”仕事が捗るように”

”お金が稼げるように”・・・etc.

綺麗な部屋には良いことがたくさん入って来て、いつも幸せになれる。

だから私は掃除するんだ。

綺麗なところには綺麗な人や物や運が集まってくる。

だから私は掃除するんだ。

元々オランダは住環境が第一優先の国。

綺麗な家で暮らすから幸福度も高い。

人間力もおのずと上がってくる。

結局、卵が先かニワトリが先か、じゃないけど、

とにかくいつも綺麗な部屋でいようと思う。

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