何故、方言を勉強したことがなかったのか

 私は方言に対する憧れが強い。それなのに、今まで一つも真剣に勉強したことがなかった。

 どうしてかな、と考えてみると、
「方言はその地方出身(もしくは在住)の人しか話しちゃいけない」
 という思い込みがあったのです。

 下手な関西弁とか、関東人でも聞けばアクセントの違いで、
「この人ネイティブじゃない!」
 と分かりますよね? そういうのって嫌だな、自分はやりたくない、とずっと思っていた。

 しかしこの間、偶然放送大学のラテン語講座を聴き、その先生が、
「ラテン語が母国語という人はいませんので、発音を間違えても怒られません」
 と言っていて、あーそれ羨ましい! と思った。

 方言は「母国語」とする人が身近にいるから、かえって使えないんだ。「完璧に話す」と「一切話さない」の二択。外国語は勉強するし、海外旅行に行ったら下手なりに話したりするのに。

 たとえ間違えても、憧れている異国の言葉を学ぶように、方言を練習してみても良いんじゃないか。

 そんな訳でDちゃんに、
「あとぜきせんかい!」
 と叫んだりしています(熊本弁で「開けた戸を閉めろ」という意味らしい。便利ですね、これ)