見出し画像

規模拡大に興味がなくなった理由。 規模より価値へ。 数字より質への拘りとは。

不動産投資初期から、6年間くらいの間は、ある一定の規模を作り、さらに
拡大するか、維持するかを悩んだ時期がありました。

普通の投資家さんなら、拡大の一途を選ぶでしょうが、
僕のこれまでの記事を読んでいただけるとお分かりの通り
規模より質を重視しつつ、ブランドの価値を物件で表現する事に
精通してきた背景があります。

そんな僕が、どこで規模拡大に意味を感じなくなったのか
そして規模より価値重視、数字より質へのこだわりを
感じ始めた理由などのお話を書いてみようと思います。

数多くの新築を手掛けて来ましたが、今は価値を保有することに意味を感じています。

過去作った物件が新しい価値を生み出す 物件を精算し次の戦略に進んだ


ブランドマーケティングを重要視して来た背景は、過去記事を読んでいただければと思いますが、

物件数が10箇所以上、世帯数が全体で200戸程度(1LDK〜3LDK、ガレージRC、店舗含む)、平均賃料を増加させてきた過去に感じたことは
ブランドの認知と共に、価値の高い物件を作ることで、ファンの増加という経験をしたことが一つのきっかけでした。

次はどこで、どんな物件を作るのか?
いつくらい出来上がるのでしょうか?
という期待値が非常に高まって来たことは、驚くべき出来事でした。

そして、過去作ってきた物件が、現在作る価値と比較して、
明らかに、そして明確に違い過ぎて、
過去作った物件のレベルが低いと認識されることで
ブランド全体の価値のバランスを維持することが難しいと感じました。
そして、期待を裏切る事になりかねないと考えました。

その為、物件数を増やすより、過去の物件を精算し(売却譲渡)
その資金で新しい価値を生み出すことに注力しなければいけないと感じたんです。

この2年程度で4棟の売却を完了しました

2016年に完成したRC物件も知人に譲渡。その資金は現在に活かされています。

何の物件を、いつ、誰に譲渡するかに関しては、思いが詰まった物件だけに、慎重に動いたこともありました。
そして、施工費用などを掛けた物件に至っては、市況もありますが、やはりレベルの高い物件は、市場から見ても厳しい値段でも売却が進みました。
それら手を入れて来た価値を価格に反映しても、それを良しとする方がいます。

そのおかげで現在までで4棟の売却を終え
税引後数億円のキャッシュを保有するに至った訳ですが
それら資金は、自社のマーケティングプランに則って
新しい物件や、さらに将来の価値づくりに対して投下する準備資金となりました。

変化があったのは、
それだけ資金が潤沢になっても、物件をたくさん作ろう!という意思に
向かなくなってきたことであり、これは自分でも変わってきたなと
感じた部分です。

どこにでもあるような物件より、極めて高いレベルの価値を物作りで表現しようと強い意志を持ち始めた。

その地域に価値を生み出すための、ブランド表現を行うためには・・・この基礎がより強固になった。

このような事から、過去の物件が、新しい価値づくりの基礎になって行きました。
現在開発中の物件は4ヶ所(確定しているこれからの場所も含む)ですが、あといくつかの可能性が将来やってくるかもしれません。

それら物件は、極めて価値重視のため、少ない物件の戸数は2戸程度から
最後のマンションは14世帯で6億円の事業となっています。
それ以外も、戸数は少ないが、極めて賃料も価値も非常に高いものになって行きます。

誰でも作れるような物作りをしていては、ブランド価値も毀損する上
自分の成長、ブランドに期待をして頂いている顧客を裏切る行為に繋がるからこそ
より高い価値を目指して、土地の選定、物件の維持管理のレベルアップ、環境の手入れ、独自の入居促進プログラムの開発に注力している最中です。

このように、同じことを繰り返していても、意味を持たないと感じると同時に
規模拡大しても、ある一定以上はリスクもあるなと感じたことも正直あります。
事業者として、先見性と革新性を持った価値観を表現しなければ
世間の大家業、デベロッパーと何ら大差のない仕事しかできないと認識されてしまいます。

規模を増やすとリスクの数が増え、価値を高めればリスクが減り、全ての質が上がることを経験

何が質で、何が価値であるかを見極める力もついて来ました。

もっとも、中古物件などは、棟数を増やせば、リスクはかなり増大します。
補修、修繕、入居者からの連絡、入居者の質、問題、事故、事件などです。

お分かりだと思いますが、家賃の安い物件は、属性に見合った方が入居される傾向というのは通説。
そのような物件を保有することは、経営リスクを増大するものになります。
利回りが高くても、最終的に収益は変動しやすいもの。

そして、ありきたりの新築に対しても同じことです。
同じような物件ばかり生まれる事から、顧客の流動性が高いということ(退去が多い、入れ替わりが多い)世間が同じような物件だから賃料競争に陥る(コモディティ化)礼金も取れなくなるし、競争力を維持することは難しく、出来上がってから高めることは不可能。

この事から僕が提唱したいのは、いつも書いている事ですが
数より価値を生み出し、提供すべき顧客にだけ選んでいただけるように
今こそ行動するという価値観を持って欲しいという事です。

どこにでもある
ワンルーム、1LDKばかり作っていてはいけないのです。

いい物件、差別化の取れた、他にない物件を作れば、それは価値となり
その分、もし売却するとしてもその価値分値段に影響を与えられるのです。
僕は4棟売却してきて、それを強く感じて来ました。

他と同じような物件を欲しくない!と思っている人がやはり一定数おられるのです。
それは入居者も同じであります。

いい物件を作ると、価格が近隣より圧倒的に高かろうが、選ばれるのです。
そのような物件が、その市場になければ、より選ばれます。
市場を生み出す観点で臨めば、非常に簡単な話です。
(世間大多数に影響を受けにくい経営につながります)

そして、価値の高い物件に住まわれる入居者は、分かっています。

感度の高い人は、質の高いものを求めている
賃料は高くても構わないという入居者もいる
自分の感性に突き刺さる物件に住みたいと思っている
他とは違った物件を常に望んでいる。

これらの内容の方々に提供する物件を作ることの方が
数を追い求めるよりも、より安定したリスクの少ない経営ができると
僕は経験して来たのであります。

質に拘るには、当たり前を排除し、自分が住みたいと感じる物作りをしよう。

賃貸だから、これくらいで良いだろうを完全に捨て去りましょう。

全ては、自分が住むならば、憧れや夢を形にしたものを描いて物件にそれを表現すること。難しいけど、これは最低限やって行きたい内容。

世間の投資家は難しいと思うだろうけど、これって、思いを入れた物件を作る過程で、その内容に共感する人に届くと感じています。

だからこれくらいで良いだろう、コストがかかるから安くしよう、などという感覚でものづくりを行うと、安い人が来るわけです(ちょっと失礼な言い方・・・ですが)分かりやすいものです。 

自分が住みたいものを、どうせ建てるなら、妥協せず選ぼうということです。
その分、賃料に上乗せして良いと思います。
ただし1LDKとかではあまり意味がありません・・・・市場は飽和状態を超えてしまっていますから。



僕は、何億円借入があって、何億円の家賃が入っているなどということを
言いません。

そこに価値を感じていないからです。

それより、その何億円の物件は、どんな価値を持っているのでしょうか。
何億円の家賃は、税引後は一体いくら残っているのでしょうか。

僕はそんな数字より、圧倒的な価値観で表現された、圧倒的な物件を数点保有している方が魅力を感じます。

顧客の質も高い、物件の競争力もすごい、安定した経営が出来ている
それも他とは違う価値観を有していて、無視できないような、ものづくりを行なってる、そんな事業者でありたいと思っています。

過去物件を買うことに必死だった僕はいません。
今は数億円も持っています。
だけど買うことは価値ではない、何をするかに価値を見出しています。
そのステージに来ているからこそ、見える景色です。

初心者の方々、熟練された方々にとって、僕がどうみられようと関係ありません。
ただし、不動産で価値を作るということが、実際にできる世界があることを
感じてほしいし、将来、そこに価値を見出せそうだと思った時は
努力してみて欲しいと感じています。

規模拡大に興味がなくなった理由。 規模より価値へ。 数字より質への拘りとは。 


終わり。

サポートをいただける皆様には、質問や、思い、ご希望などありましたら、遠慮なくご連絡ください。 ブログ記事、何らかのサポートを検討したいと思います。まずはご希望をお聞かせください。今後もよろしくお願いいたします。