見出し画像

【後編】新築物件と中古物件 不動産投資はどの手法も正しいと思える理由。

前回の【前編】では、新築不動産投資のメリット、デメリットなどを書いて見ました。新築、中古とも、どちらも投資手法や、考え方はそれぞれ固有のものがり、双方の取り組みにおいて不正解はなく、正しく経営することで、メリットを最大化することは可能です。本日のお話は、後編として、中古物件の不動産投資について述べてゆきたいと思います。
中古ならではの融資戦術や、住宅提供という側面でも、世間の住宅がほぼ中古であることから、経営の仕方によって大きく差別化も可能でありますので、その辺りも少し書いてみます。

中古物件は既存価値に影響受けることが経営の前提。

過去保有していた当時築29年のRC。現在40年を超えています。本当にいろいろ経験しました。

新築はその場所で作る行為から入りますが、中古物件の運営、経営という観点で言うと、物件のある地域と建物自体が昔からある訳ですので、既存の価値に影響受けると言う事が大前提となります。

どう言うことかと言いますと、その地域が過去から現在までどんな地域であるか、その建物がどんな運営の歴史によって今があるのかによって、経営の仕方が変わってくると言う側面があります。
駅が割と近い、遠いなどや、郊外でもバイパスが通った地域に変化したのであれば、通勤、通学がしやすい環境かを確かめて、近くにコンビニ、スーパー、病院、ガソリンスタンドなどの商業系があれば良いなどまず地域を見定める事が前提となります。
そして建物自体もオール電化、プロパン、大規模修繕、修繕履歴などの状況と履歴を理解すること、入居者の属性なども確認することが重要です。
これらは新築と違って、購入時に中古ならではのリサーチが問われるという側面があり、その理解度の高さよにって、自分ならば利回り○○%だったら、買いだな当ように目利きのポイントを養うことが求められます。
そう言う意味では、新築は本当に簡単なので、中古、築古ってのは、実はハードルが高い種別であると僕は感じます。

何度も登場させてしまっている過去の保有物件、大規模修直後画像。影響を自分で作り利回りを上げる事ができる。

中古はそれなりのメリットが多い投資事業分野。

新築と違うメリットが存在します。
①利回りが圧倒的に高い
②過去からの運用実績がある
③償却が短いためCFが出る
④購入時リサーチ情報を元に値段交渉ができる(新築建物は不可)
⑤購入する値段が圧倒的に安い

そしてデメリットも当然ながら存在します。
①設備故障、建物の不具合が多い
②融資期間が短い、担保評価が低い
③売却が難しい
④家賃が安く、入居者属性の低い方が多い

このように、中古(築古)物件の良さと言うのは、やはり圧倒的に高い利回りに尽きると思います。また、それら利回りの根拠というのは、現在のその地域、建物状況の影響を受けた上での現状家賃であり、これまで凄腕大家さんが経営していない限り、建物価値を最大化できていない方が大多数だからこそ
より高い収益を狙えるという側面は新築にない良いポイントであると僕は考えています。

過去僕が経営してきた中古RC2棟(いづれも4年、5年前に売却済み)は、大規模修繕を実行し、太陽光パネルを設置、および増設。
そして部屋のバリューアップ、間取り変更などを行いつつ、建物環境のレベルアップを図りました。

その結果賃料アップに結びつき、入居者の属性の向上、地域環境に寄与する物件の認知アップなどにもつながり、収益力のアップとなり、利回りの向上を果たすことができました。
ただし、単身1R系のRC築古はそれでも厳しい世界ですので、可能ならば避けることをお勧めします。

木造は構造躯体(構造壁、構造柱)に影響がなければ、1Rx2=1LDKなどのバリューアップも可能になります。



過去大規模を行った中古RCの廊下。まるで新築みたいになり、大幅な賃料向上ができた。

中古はリサーチ能力を養えば、より良い物件の取得、安定した収益を養える運営が可能。

これまで記してきた通り、対処可能なデメリット部分を解消すること、メリット部分を最大化するには、リサーチ能力、物件の目利き力を養うことで、一般的に売られている金額よりも安く交渉し、そして高い値段で貸し出すための融資工夫も可能です。

新築と大きく違うのは、現状にある物件、環境を元に、購入する金額を目利きから算出することが値段交渉のキーポイントになりますから、次のような部分をしっかり調べて交渉の材料とするのはとても良いことだと思います。

①躯体に構造クラックなどの建物の懸念部分をしっかり記す。
②入居者の回転数から、原状回復コストを算出し1部屋あたりの収益力を見る。
③建物の維持管理が行き届いてない場合は清掃コストを増やした運営費を見積る。
④融資の妥当ラインを金融機関に確認をし、そこから金額提示する。
⑤大規模修繕などの見積を取っておき、それを含んだ実際の運営費用を事業計画に入れ込み利回りを算出する。

このような内容を値段交渉の材料として、実際に買える客であること、状態を見てしっかりと売主に提示することで、交渉のテーブルについてもらうことは適切だと思います。

よく古民家(通称ボロ戸建)投資では、更地にした際のコストを売値から差し引き提示するなどという手法がとられますが、それと考え方は同じで、必ず根拠ある数字を元に交渉することで欲しい金額での利回りで着地すると優位な運営ができるものと思われます。これらは新築ではできない交渉行為です。

家具を設置したり、いろいろ表現にトライしていた時期が懐かしく思えますが、これも差別化につながりました。

購入後の大規模修繕を含む融資付などでは、状況によって融資期間の延長なども可能でCFに良い影響がある。

安く仕入れた中古物件を運営するにあたり、例えばこれから賃料を数万円アップとする為、○○室をバリューアップのリフォームを行ってゆくことで、リフォーム資金数百万円、大規模修繕1千万円を合わせた額を、残債借入と合わせて、再度融資の引直を交渉する相談する事も可能です。
表向きは、リスケジュールに該当しますが、本部承認次第では、建物残存価値期間の延長、融資額の増額、それらの目的と利点が伝わることで十分可能な事だと考えます。僕は過去そのような手法で、結果借り換えになってしまいましたが、そのような融資内容で引き直すことができました。
こうなりますと総事業は増えてしまいますが、実際に古い高利回りの環境は良い環境となり、賃料も向上でき、それでも新築よりも高い利回りにて、運営ができることから、個人的には、良い事業であると考えます。

「中古は既存価値を高める事業」という側面を新築至上主義の投資家さんは忘れないこと。

この言葉が全てを物語っています。
新築物件至上主義の方にとって、中古は結局古いし故障が多いから
表面利回り通りに経営できないという考えも間違ってはいませんが、
それでも新築には絶対に出せないような高い利回りを持って、償却期間が短い物件では、十分CFも残るからこそ、メリットが集約していると行っても過言ではありません。町にある中古物件が上手に運営できれば、地域にとっても良い影響を持つことができます。

そのようなことを考えると、中古の価値というものは、経営する人が上手に運営することでバリューアップ、賃料アップは後からでも可能であることから、
中古は儲からないを馬鹿にするということは、お門違いであるということにつながります。
そして新築を買われる方のは、いづれその新築も中古となり、経済を回すように、次の中古の方々の手に渡ってゆくことになりますから、そもそも自分の作った物件を買う人を大切に思う一面も忘れてはいけません。

このように、新築も中古も、それぞれのメリット、デメリット、思惑、戦略、運営や物件を見る目線も養い方も全く違った側面があるということです。


最後に、中古物件至上主義の方で、DIYを行える方々というのは
自分で手入れを行い、利回りを改善し、運営コストも下げられる素晴らしい経営技術です。そのような方々というのは、新築であっても築古であっても、いつでもバリューアップを経験を活かして取り組み、時代にあったご自身の価値観を建物内部にも表現できるわけですから、それは素敵なことです。

これは利回りだけでは語ることのできない、人の手仕事の世界。
建築する人も同じ、職人の領域。
僕はそのような事が実現できる方を心から尊敬ししています。

新築も中古も、誰のためのものであるのか
利回りや自身のある収益だけを見る人には理解されない分野を
僕は理解しています。


どちらも正しい、どちらも成功体験は可能なのです。
ご自身らしい経験と歩みを。不動産投資は素晴らしいものです。


サポートをいただける皆様には、質問や、思い、ご希望などありましたら、遠慮なくご連絡ください。 ブログ記事、何らかのサポートを検討したいと思います。まずはご希望をお聞かせください。今後もよろしくお願いいたします。