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はじめての海外旅行一人旅

現在54歳、12月で55歳になる私。50とか60という数字が気になるお年頃なわけです。人生100年にあてはめれば54歳は折り返したばかり。まだまだ!と言いたいところだけど、現実は老眼が進んでiPhoneの文字を太くしたり(大きくするのはまだ抵抗がある)、膝が痛い、腰が痛い、椅子に座るのも椅子から立つのも「よっこいしょ」と声が出る。ああ、私もここまで来たかと年齢に向き合う日々です。

でも、気持ちは若い頃と変わらない。というより、若い頃より行動力が増した感さえあります。あれもこれもと詰め込まないで、本当にやりたいことを選んで余裕を持って行動するようになりました。

私の趣味の1つにホテルステイがあるのだけど、これも50代になってから始めたこと。遠くまで行かなくても都内のホテルに1泊するだけでリフレッシュできるのでおすすめです。お気に入りのホテルは三井ガーデンホテル神宮外苑の杜プレミア。

何が良いって部屋にベランダがあること。私は東向きの部屋をリクエストして朝陽を見ながらラジオ体操をすると本当に気持ちがいい。そして朝食も美味しい。テラスがあるので外で食べることもできるし、都会のど真ん中にいるはずなのに静かな朝を過ごせるところが気に入っています。

さて、本題はここから。

5/15に勤めていた会社を辞めました。正社員の事務だったのだけど、勤務時間は長くて6時間、短くて4時間でも給与は全額出る。病気で長期休むことになっても有休を使えば給与は全額出るし雇用も保証されるという、と〜っても楽でと〜っても良い会社だっただけど、急に不安になっちゃったんですよね。

事務って辞めたら何も残らない

もし私が結婚していたらたぶん辞めなかったと思います。だって主婦業をしながら正社員として働けて、しかも時短勤務で給与は全額だなんて最高の職場じゃないですか。でも私は独り身で、定年になって会社からポンッと放り出されたら路頭に迷うことが目に見えていたので、これは真剣に将来のことを考える時がきた……というのが去年2022年の話です。

結論から言うと、来月から介護施設で働くことになりました。給与は安いけど、体が動くうちは働ける業界だし、去年母親がコロナになった時に介護の方に本当にお世話になって、感謝してもしきれないくらいのありがたさを体験したので、少しでも早く介護業界に入って経験を積みたかったんです。準備として去年の6月から今年の2月までの間に介護の資格を2つ取って転職活動をしました。

今までが楽すぎる仕事だったので、180度どころか540度違う世界だと思うので心しておきますが、林修先生よろしく、「いつやるか?今でしょ」なんですよね。年を重ねると変化することにためらいを感じるようになる。ましてや転職なんていう大きな出来事に対しては保守的になることが多い。このままでいいのか?楽というだけでなんとなく毎日を過ごして、目が死んでいてもいいのか?って思っちゃったんです。「あの時動けば良かった」と後悔するより、「あの時動いて良かった」と勇気を出した自分に感謝できるようにいっちょ頑張ってみるか!と54歳の私は清水の舞台から飛び降りたのでした。

会社を辞めることは1年前から考えていたので、辞めた時に何をするかということも同時に考えていました。以前から一度行ってみたかった場所があって、そうだ、そこに行こう!と年始から計画と準備を進めてきました。その場所とは、オーストリア・ウィーンにある楽友協会ホールの大ホール(黄金の間)です。

毎年1月1日にこのホールで開催されるウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のニューイヤー・コンサートに一生に一度行ってみたいと思っていて、でもチケットは高額だし年末年始に休みを取るのはなかなか難しいと諦めていたんですけど、それなら会社を辞めたタイミングで行けばいいじゃない!と思い立ち、コンサートの日程に合わせて旅行の計画を立て、それに合わせて仕事を辞めることにしました。自分が本当にしたいことを選んだのです。

残念ながら、このホールでのウィーン・フィルの演奏は会員でないと入れないので、ウィーン・フィルの演奏は別の会場で、この楽友協会ホールの大ホールでは別のオーケストラの演奏を聞くことになりました。別々でもウィーン・フィルと楽友協会ホールに行くという2つの願いは叶うので、その場所に立った時にどんなことを思うのか、どんなことを感じるのか楽しみです。

今回のオーストリア旅行は初めての海外一人旅。国内は一人旅ばかりで、沖縄には足繁く通いました。最後に行った海外旅行は2001年3月のニューヨーク。あの9.11の半年前です。22年ぶりの海外。しかも1人。54歳にしてはじめてのおつかいみたいなものです。

国内旅行はツアーではなく、航空券やホテルは全て自分で手配するので自由に動けるのがメリット。早く帰りたいなと思ったら便を変更したり、時間も行きたい場所も自分で決められるのでストレスフリーなのです。それを経験しているので、海外旅行も航空券だけ旅行会社に頼んで、あとは自分で手配しようと思っていたのですが、どれを頼んでどれを頼まないかを考えるのが面倒になってきて、ええい!全部自分でやっちゃえ!ということで、航空券、ホテル、コンサートのチケット、列車の予約を全部自分で手配しました。今は翻訳という機能があるから便利ですねぇ。

デメリットとしては、情報を全て自分で集めないといけない所。出国・入国時に陰性証明書は要るのか要らないのか、現地のどこでPCR検査を受け陰性証明書を発行してもらえるのかを調べて予約、入国時の制限、乗り継ぎの仕方など、ドンピシャな欲しい答えが見つからなくて、今でも本当に大丈夫か不安。ツアーの添乗員さんってありがたい存在だなと思いました。

でも、すったもんだ色々あってもそれが経験になって後々話せるじゃないですか。ちょっとしたトラブルって、こんなことがあったあんなことがあったって話のネタになるし、忘れないエピソードになると思うんですよね。スリに遭った、物を盗まれた、部屋に強盗が入った、テロが起きたなど笑えないトラブルの可能性もありますが、自分でできる防犯対策をして用心しながら歩けばいいかなと。

54歳で海外に1人で行くことを恥ずかしく思っていたんです。バツイチシングルでいることは楽しいんですけど、「54歳で初めて」っていうのがなんか恥ずかしくて。でも、冒頭の「60歳目前でやってよかったこと」や「50歳からのごきげんひとり旅」という本があると知って、ああ、初めてだって楽しんでいいんだなと思いました。

さて、明日日本を出国します。「ことりっぷ」と「ドイツ語 初歩の初歩を」をバッグに入れて。Gute Reise!