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展示感想:樹乃かに個展「誰が扉を開けるのか?」Gallery Face to Face

 樹乃かに個展「誰が扉を開けるのか?」Gallery Face to Faceに行ってきました。

今回の展示は、想い描くのもうひとつの世界との出会いという感じでしょうか。

端的には、絵本を開いてその中の一節に妄想を膨らませる場面を考えてみてください。だから、つまづくその一文が、絵のタイトルになっています。

一冊の絵本のページを模した連作いう感じではなく、画廊そのものが、迷いの森として、次の場所に行く扉(ゲート)がいくつもある感じです。


言葉と絵の組み合わせがひとつの世界を作っているのではありません。空想がはじまるその瞬間に引きこむ出会いを演出しているのでしょう。


技法でいえば、樹乃さんは、デジタルドローイングが多いのですが、今回はペンやアクリルペイントなどを混ぜた多彩なものになってます。


それも、扉の多彩さの反映かもしれません。

デジタルドローイングは、指示したものがそのままあらわれる特徴があります。選択や構成には、アーティストの個性や能力が反映しますが、油絵などのドローイングでは、具材という物質による制約がどうしてもでてきます。

墨絵を思わせる作品ですが、ここには、カスレやニジミという偶然のものが入り込む要素がないのです。
筆のタッチのようなものも(フェイクとして混ぜ込むこともできるでしょうが)残ることはないのです。

これまでの美術、芸術に豊富にあらわれたモノとヒトの関わりゆえに染み出す表現の身体性、それに乏しいのがデジタルの世界ともいえるでしょう。


その扉を開けに今回の展示に、行かれるのも面白いかと思います。

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