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「美味しい進化」読了

今日は、「美味しい進化」という本を読み終えた。読み終えたのは2度目。1度目に読んだのは昨冬。

1度目は、図書館の新着コーナーを通りかかり、見かけて借りた本だった。面白かったので、また読みたかったのだが、激しい眠気を誘われる本だったのが気になり、最近になってようやく古本で購入し読んでいた。

1度目よりは、もう少し理解しやすかったということか、1ページも読めずに寝てしまうということはなかった。少なくとも10ページくらいずつは読めた。

前に読んだときは、貸出期間を延長しても、予約が入っていないことを幸いに、再貸出してもらっても、眠気に勝てず、最後は斜め読みで返却してしまった。

眠くなる理由は、未だにわからないが、少なくとも、つまらないから眠い訳ではない。2度読んでも面白かった。

眠くなるのは、初めて聞く言葉が多いせいで難易度が高いのかと、何となく思っている。書かれている時間軸が、壮大過ぎるせいか、とも思ったりする。

何が面白いのかも、内容が盛りだくさんなので、面白い箇所は多い。何度も読むだろうと思って買った本。2度読んでも、理解し切れたとは思わない。さらに、読む人によって、気になる項目は、きっと違うのだろうとも思う。

書かれているのは、いろいろなものの起源。そこから続く今を過ぎて、未来の食糧はどうするのか。

起源は、ヒト・農業・家畜・料理など。

医学や理科系の内容から、社会科のような歴史の流れも関係あり、家庭科的な内容ばかりではない。2019年出版の新しい本なので、新しい知見を反映した、学校では習わなかった内容を読める。

感染症が流行る直前の出版だが、感染症が流行ってから、よく聞くような言葉も見かける。

いろいろなジャンルを横断し、進化を知る内容なので、自分のルーツを知るような面白さがある。そして、この先は?ということも考えさせられる。

そうだったのかと納得したり、勘違いしていたと思ったり、気づきの多い本だった。

料理については、レシピは一切ないが、デザート、チーズ、ハーブとスパイス、ワインとビールなどの章がある。

チョコレートが欠かせない私にとっては、

「チョコレートの口の中でとろける美味しさは、テオブロマ・カカオの種子の中に体温で溶けるたっぷりの脂肪と興奮剤として働くアルカロイドのテオブロミンがともに含まれているという幸運のおかげだ。この組み合わせに糖を加えたら、中毒になりかねない食品が生まれてしまうのも当然では?」

という一文に納得。食べ過ぎだ。

「デザートの基本的な材料はたった3つ、すなわち炭水化物(糖とデンプン)、脂肪、創意工夫だ。」「私たちが炭水化物と脂肪をこんなに愛している理由は、衝動の進化をあまり深く掘り下げなくても理解できるだろう。なにしろ、この2つは純粋なエネルギー源で、そのための味覚受容体まであるのだから。」

中毒ではなく、純粋なエネルギーの摂取ということにしておく。

デザートの章には、ミツオシエという鳥とヒトの、蜂蜜探しでの協力関係や、糖尿病の仕組みと今後などが書かれている。デザートの章だけではなく、どの章も、単純な昔話ではないので、飽きずに読んでいられる。

天文学に親しんできたので、生活感のない時間や距離や速度には、驚かない方なのだが、進化の時間は、実感のわかない壮大さだ。

「40万年前に地中海東岸からゾウが消えたとき」と書かれていたり、「どうやら人類初のバーベキューは150万年も前におこなわれたようだ」と書かれていたり「6000年前のワイン圧搾所が発見されている」と書かれていたり…。

「6000年」と読んだときは、少しは現実感のある数字だったせいか、カレンダー6000個は何kgくらいだろうと、たくさんの卓上カレンダーを想像した。時間の長さを、重さの単位に変換しても、何の意味もない。

原文で読める語学力があるなら読みたい、ユーモラスな文章。未来もユーモラスでステキだと良いなと思う。

この本を読んで、眠くなる人が、多いのか少ないのかも、興味がある。