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絵と写真とコラージュで楽しむバリ島

もう15年以上前のこと。夫と2人で行ったバリ島で、夫が急な不調に見舞われた。ホテルのフロントで教えてもらった敷地内の診療所に行くと、その前で若い従業員が箒を持って落ち葉を掃除している。ドクターに診てもらいたい旨を伝えると、その彼は微笑んで頷き、ちょっと待っていてと言って診療所の中に入っていった。しばらくして「用意ができました」とドアを開けてくれたのはドクター用の白衣を羽織ったその彼だった。お医者さまご本人だったのか!

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絵とメモと写真とコラージュ、隅々まで目が楽しめる「バナナの蜜」にはイラストレーターの下田昌克さんが描くバリの人やバリの風景がいっぱい。ダイナミックで鮮やかな色彩の風景にはウワァ!と圧倒させられるようなパワフルさがあって、だけど同時にバリの人たちの穏やかな微笑みが心を静めてくれる。魅力的な島と魅力的な人々の動と静が共存する本だ。

私は本棚からこの本を手に取るたびにあのドクターを思い出す。白衣に着替えた彼は夫の状態を見て薬を出してくれ、にっこり笑って、すぐに治りますよと言ってくれた。その言葉の通り、薬を飲んだらあっという間に治ってその夜は元気に夕飯を食べに行く事が出来た。今でも夫と思い出話をする。あのドクターお元気かな。また行きたいな。


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