パニック障害は『つまらない』。
産まれて初めてパニック障害になった。たぶん原因はこちらの記事に書いてあるとおりの理由だと思うのだが、なんかダサく思われそうなので表向きは『原因不明』ということで通している。
持論としては、人間というのは長く生きれば生きるほどダサく、というかかっこ悪くなっていく生き物だと考えている。だからこそ、生きているだけで偉いのだが。
自分は社会のレールから外れて生まれてきた『なまもの』なので、生れつきちょっぴりダサいのだ、たぶん。潔くかっこよく生きていくのは難しい。
話がずれたので本題に戻ろう。
パニック障害になった、というか「かかった」と言うべきなのだろうか。
この病気については厚生労働省のこのページが詳しい。というか厚生労働省は大抵の病気を取り上げて紹介・説明してくれている。やっぱ厚生労働省と農林水産省しか勝たん。
自分がパニック障害になったのは、特になんの問題もなく過ごしていた日曜の夜8時頃のことだった。
のんびりテレビを見ていたら急に呼吸ができなくなった。とっさに頭をよぎったのは心臓や脳の病気という可能性。脳の病気で身内が何人か死んでんので不安なのだ。
取り敢えず深呼吸を始めたが、苦しくなるばかりだった。生来ビビリなのでディスコード上でも騒ぎ(というか死ぬと思ったので遺言代わりにしてた、ごめんね)、皆さんにもご心配とご迷惑をおかけした。改めて謝ろう、ごめんなさい。
その後も呼吸の苦しさは続き、紙袋(モスバーガー、ポテトの匂いがする)を被ったり、外に出て冷たい空気を肺に取り込む深呼吸をしてみたりを繰り返したが、ちっとも症状は改善されない。
この時の自分の心情としては「このままだと小説がエタる(ネット小説が更新されなくなること、理由には作者の死を含む)」ばかりだった。
だって俺が死んだら私の物語は自分の頭の中にしまい込まれたままで、永久に失われてしまうのだ。
それは言わばレアメタルが日の目を見ないまま人類滅びるようなもんで、もったいないのだ。
なので死にたくなかった。連載抱えてなければ死ぬことは別にどのタイミングでもいい。労働や納税の義務を忘れ、ソクラテスのようにぐっすり眠りたい、多分幸せだと思う。
(これはあくまで自分の内心を書き表しているだけであり、これを読んでいるあなたに対して『死』を推奨しているわけではありません)
ここまで精神が不安定になると、人間、「救急車を呼びたい」という気持ちがやおら立ち上がってくる。初めての感情だった。
が、時刻は夜11時過ぎ。ちょっと呼ぶのは憚られる時間帯だった。訳あって実家住みなので、家族の世間体というものもある。自分の世間体というものはない。
そんなこんなの自分の七転八倒を見ていた父が、「パニック発作じゃない?」と言った。
……その発想はなかった。
ので、厚生労働省のページやその他のサイトを参考にしつつ対処。
(歯を磨いたあとなのに)チョコを舐めて気分転換したり、呼吸することだけに集中してみたりして、夜1時くらいに症状は"マシ"になった。完全に収まったわけではない。
親父は先に寝たので(明日のビジネスがある)、自分も寝ることにした。といっても、ベッドの上でスプリングぎしぎし鳴らしながら転がっていただけだが。
そんな状態だったので、くらーい気持ちでお仕事はお休みし、病院に行った。
内科に。
だって、心臓関連の病気だったら困るし。心臓関連でも身内は何人かやばくなってるので、やはりそちら方面も心配だったのでまず内科に向かったのだ。
お医者さんにお話し、24時間心電図を撮ることに。機械を取り付け、体のあちこちに読み取るためのパッドをペタペタ貼る頃には、「なんかサイボーグみたいだ!」とテンションが上がっていた。
テンションが上ったまま帰宅し、スマホぽちぽちしてたら夜になっていた。その後、シャワーを浴びていたら心電図計のボタンを間違って押してしまい、そのことで混乱していたらまた発作が。
3〜4時間ほど、呼吸が苦しい状態が続き、そのまま眠れない夜を過ごした。
次の日。病院にて機械の取り外し。「ボタン押しちゃったんですけど……」と恥ずかしい気持ち一杯で申告したが、看護師さんは「あっ、大丈夫ですよー」と軽く流してくれた。
心電図の結果はすぐには出ないということで、また日を開けて病院に来ることに。
仕事は休んだ。
不思議なもので、昼間のうちは何も起こらなかった。それでも日中は「またあの息苦しさが始まるんじゃないか……」とどきまぎしながら過ごしていた。
そんなこんなで夜に。また発作が起きた。一昨日や昨日と同じく3〜4時間苦しいのが続いて、自分は家の中を行ったり来たりすることで気を紛らわせたり呼吸を整えたりしていた。
次の日、あんまり褒められたことではないが、心電図の結果が出る前に別の病院に行くことにした。
体の方は調べたので、今度は心の方、つまり精神科だ。いつも通院してる精神科に予約を取り、向かうことにした。そう、通院してんの、精神科。
急な予約だったが先生は診察を引き受けてくださって、自分は「これこれこうで〜」と症状や発作の起きた時間帯を詳細にお伝えした。
先生からここで初めて正式に『パニック障害』の診断が下った。
安心したような、「この病気とも付き合っていかなきゃならんのか」と思ったりとか、複雑な感情だった。気持ちがマーブルチョコみたい。
症状を抑えるためのお薬が出て、経過観察という形で診察は終わった。
家に帰ってもんもんとする。こうも発作が連続して続くと一日中頭の中は『パニック障害』のことでいっぱいで、他のことが考えられないのだ。
恋したことないけど、恋ってこんな感じなのかな……やだ、ロマンティック……自分はアロマンティックかもしれないのだけれど……。
その日の夜、軽いけれど発作が起きた。また深呼吸を何時間もするのだが、こうも何回も続くと深呼吸という行為に飽きてくる、というか飽きた。
てか深呼吸ってつまんなくない? その間なんにもできないし、スーハースーハーとかいう音が嫌、オシャレじゃないしダサいし……と若干深呼吸アンチになりかけた。
パニック障害になって分かったことがある。それは『病気ってつまんねぇ〜!!』ってことだ。
病気になると、しんどいし、上に書いたようにそのことだけで頭いっぱいになるし、自分の時間がなくなるし、好きなことをやる気力もなくなる。治療にお金がかかるし、薬もいっぱい飲まなきゃいけないし、財布も軽くなって仕方がない。あと保険に入れないし。
厚生労働省のページによると、一生の間にパニック障害になる人は1000人に6〜9人はいるらしい。割と確率が高い。
それだけの人が自分のように『つまんない』思いをしているかと憂鬱になる。
脅すわけではないが、これを読んでいる方もパニック障害にかかるかもしれない。もしかしたら、自分と同じようにパニック障害と戦っている人が読んでいるかもしれない。
このnoteには残念ながらあまり中身はない。パニック障害にかかってから二ヶ月経過し、症状・発作が落ち着いてきたので忘備録的に書いてみただけなんだ。
だから愚痴のようなものである。今も発作が起きる日もあるしね。
それにしてもこの二ヶ月間、かーなーりつまらなかった。人生においての『あれ』とか『それ』とかに匹敵するつまらなさだった。
そろそろ収集がつかなくなってきたので話を閉じる準備に入るが、自分としては、『つまらない』思いをする人が減るように祈りつつ、いまこの病気と戦っている人にエールを送る言葉を添えて、終わりとしたい。
あなたが毎日苦しんでいるその症状は、『パニック障害』かもしれません。
こちらのページを参考にしつつ、「もしかしたら……?」と思ったら、すぐに精神科にかかってください。
適切な治療と投薬があれば、あなたの苦しみはきっと軽くなるはずです。
一緒に頑張りましょうなんて、そんな言葉は自分の立場ではとても書けませんが、自分はやりたいこともまだあるので治療を頑張ってみました。
このnoteが、『つまらない』思いをしている世界の誰かに届けば幸いです。
それでは皆様、読んでくださり、ありがとうございました。
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