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妹が難病を自覚してくれません①

妹は100万人に一人の難病患者。らしい。我が家は健康優良児ばかりで骨折もしたことなく、30を過ぎてそんな病気だと言われて私達はおったまけた。

ゆるやかに進行していく神経難病なのだが、発病初期はちっとも緩やかじゃなかった。食べられなくなり、歩けなくなり、がりがりにやせて壁をじっと見つめる妹を見て母が毎日泣いていた。

しかし今は車椅子ではあるものの、毎日笑って暮らしいている。それを見て母も笑っている。

脳に電極を埋める手術が劇的に効いて、食事ができるようになったことが大きい。2年ほど食事ができず、胃ろうで命をつないでいた妹は「食べられるって最高!」とみるみる元気になった。

ずっと怒ってるか悲しんでるかだったので、病気になってから出会ったヘルパーさんやケアマネさんは笑顔を初めて見たと言ってくれた。


で、それはめっちゃありがたいんですけど。もはや元気っていうか前向きっていうか、頑張りすぎる妹を誰か止めてほしい。朝5時半に起き、ラジオ体操(車椅子だけど)して毎日5回の筋トレタイムがあり(筋肉の力で病気の進行に対抗するらしい)、21時を過ぎてもせっせと編み物をしている。どこのブラック企業やねん、その働き方。

前向きに頑張ってくれるのは本当に嬉しい。まじリスペクトしてる。しかし君は難病なんだ!!そんで脳には電極が入ってる!!どうかたっぷり睡眠をとって、激しい筋トレで転んで頭を打つのをやめてくれ。

でも、あんまりにも深刻に自覚して病気にシリアスになるのもハッピーじゃないしな。具合って難しいな。

とりあえず「休むのも仕事」と説得して活動時間を8時〜20時の間にすることに承諾してもらいました。頼むよ。

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