見出し画像

神経繊維【しんけいせんい】

ちょいと大雑把なのは承知の上で言うと、
カラダ中に張り巡らされてる神経繊維ってのは、
街の中の電柱と電柱を繋いでる電線みたいなもんなんですよね。

罰ゲームで熱湯風呂に入らないといけない。
ってことになれば、とりあえずは、
手なのか足なのかを入れてみて、
「あっちーー!!」とかってやらなきゃいけない。
というか、神経をこれから書くわけなので、
あれってのは本ちゃんでアッツアツだとさせてもらって、
「わち!!」ってなるわけですよね。

その「わち!!」って口で発したり
手をサッと引っ込めたり、
氷を探したりってのは、

指にある受容器【じゅようき】がその人体にとってヤバい熱さだという情報を受け取って、
その情報は神経を伝わって脊髄【さきずい】に入り、
脊髄の中で次の神経に連絡して、
脳の視床【ししょう】ってとこまで上って行って、
視床でまた次のに連絡して大脳【だいのう】に伝わる。
で、大脳が

(ん、確かにそれはヤバい!)
って理解して、

「わち!!ってしろーー!!」

って、
いろんな筋肉に対して指示を出して、
それはそれでまた別のルートで別の神経を伝わって
それぞれの筋肉たちに連絡される。
で、
「わち!!」ってなる。

なかなか面倒なんです。
「わち!!」すんのも。

その情報を連絡する神経をあえて電線。
って言ったのは、

神経にも太いのから細いのがあって、
太いのは連絡のスピードが速くて、
細いのは連絡のスピードが遅い。
なかなか原始的な感じだと思いません?

(そろそろ無線でやったら?)

とか言いたくなりますけど、
この辺は愚直にリアルに電線繋いで
ふてーはハエー。
ホッソはおっそ。
って仕組みを哺乳類の誕生以来継承してる。

で、

「冷た!」ってのと「熱っ!」ってのでも、
電線の太さが違うんです。
だから、大脳に伝わるスピードも違う。

さて、ここで問題です。
遅いのはどっちでしょう?

はい。
答えは出揃いましたね。
それでは、正解のVTRをご覧ください。
って、そんなのないんですが、

冷覚を伝える神経繊維の太さは、
1から6μm【マイクロメートル】
そこを伝わる速度は秒速12から30メートル。

では、
温覚の方は、
神経繊維の太さは
1μm。
伝道速度は秒速0.5から2メートルなのです。

「冷た!」の太さには幅があるようですが、
「熱っ!」の方は1μmと細くスピードも随分と遅い。
正解は、
「熱っ!」でしたー!

クイズダービーのはらたいらさんと、
世界ふしぎ発見の黒柳な徹子さんは、
正解です。

篠沢教授と野々村真さんは残念ながら
不正解。


1μmってのは、
1mmの1000分の1です。
この辺はまだしも、
「熱っ!」の方は1秒間に速くて2メートルのスピードで進む。
ワタシの身長が177センチくらいですから、
足の小指に「熱っ!」を仕掛けたら、
1秒経ったらワタシの脳を貫いて、
頭から23センチほど電線が飛び出てるところまで届けられる。
そんなスピードですね。

慣れてる時速に直してみると、
時速7.2km。
早歩きから小走りくらい。

じゃ、「冷た!」の方は、
太さは最大で6μmで、秒速は最速で30メートル。
かなり速い。
時速だと108km。
高速道路で80キロ制限のところを、
気持ちよく走ってたら108キロなってる。
くらいのスピード。

早歩きの「熱っ!」に比べたら、
「冷た!」はスゲー速い。

ただ、比べりゃ速いんですけどね、
そんなもんなんだなぁ。
とも思っちゃうんですよね。

「痛ぁ!」って痛覚も
「冷た!」と「熱っ!」とおんなじ仕組みなんです。

確かに皆さん経験あると思いますけど、
(む?)
(むむ?)
(む、むぉーーーーー!!)
って痛みとか熱さがやってくることって経験ありませんかね?
瞬間じゃなくて、
ほんの、ほんのちょっとすぎる間がありますよね。

あの間を使って伝導してる。
連絡してる。
音速でもなけりゃ、
光速なんてもってのほかで、
5Gなんか意味がわかりません。

原始的なんですよね。

直接、伝えたいんでしょうね。

こういう原始的なところをちゃんと守ってくれてる
なんでしょう?
いじらしいって言うんだか、
可愛らしいって言うんだか、
なんか、
愛着が湧いてくるんですよね。

人体。

そんなこと思いませんかね?

クイズダービーの竹下景子さんに聞いてみたい(^^)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?