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極端に少ない議員

これでは行政のチェック機能は果たせないんじゃ……

 都構想で想定されている各特別区の区議会議員の定数について考えてみました。特別区に設置される議員の総数は現在の大阪市会議員の定数と同数の83人とするようです。

その内訳は、

 新淀川区 18人(人口約59万人)

 新北区 23人(人口約75万人)

 新中央区 23人(人口約71万人)

新天王寺区 19人(人口約63万人) 

となっています。

はたして、この議員定数は妥当なものなんでしょうか?

少し調べました。そして驚きました。

 人口が一番多い新北区と同じ規模の政令市の熊本市で51人、東京都練馬区で50人、人口が一番少ない新淀川区と同じ規模の東京都杉並区で48人の議員がいます。近隣の中核市では豊中市(人口約40万人)で34人、高槻市(人口約35万人)でも34人となっています。

このように、同規模や近隣の自治体と比較しても特別区の議員定数は極端に少ないことが分かります。

 議員定数の削減が昨今の風潮となっていますが、人数が少なければ良いというものではありません。

 地方議会には大きな権限を持つ首長(大阪市長や特別区長)が「暴走」したりするのを防ぐためのチェック機能を果たすことが求められています。

 地方議会には本会議以外にも各種委員会があります。常任委員会と特別委員会など、多くの委員会が設置されており、地方議会の議員はいずれか複数の委員会に属して、自治体行政のチェックをしています。

 都構想を推進するみなさんは、こんなに少ない議員の数で中核市並みの権限を持つとされている特別区の行政チェックができるとでも考えているのでしょうか?

 特に特別区に移行後の数年間は行政が混乱することも想定され、それゆえ議会は十分なチェック機能を果たすことが求められます。

(※心の声)自主財源が4分の1となり、大阪府の言いなりにならざるを得ないことが分かっているから、たいしてチェックすることもないとでも考えているのでしょうか?

 都構想を推進している議員たちも分かっているはずじゃないんでしょうか?議員定数を増やすのは、コストはもちろんのことですが、世間受けが悪いので、あくまでも現状維持としただけ。

 都構想が決まってしまえば、「やっぱりこの人数では無理です」などと言って、舌を出しながら手のひらを反すことになるのではないしょうか。

 もしそうだとしたら、これこそが大阪市民や地方自治そのものをないがしろにしています。

 大事なことでも都合の悪いことには踏み込まない。

 都構想さえ通ればなんでもいいという、ぎまん的な姿がこのことからも浮き彫りになったのではないでしょうか!

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