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コミック[ ざつ旅~That`s Journey~]雑感

 本屋で見つけて衝動買いした漫画「ざつ旅 ~That’s Journey~」(石坂ケンタ作、既刊2巻)を読み終えたので、ちょっと感想を書いてみようと思います。
 ざっくりした粗筋を述べるのであれば、漫画家として活動する女子大生の主人公が、インスピレーションの元を探しに旅をすると言うものです。
 ただし、目的地を自分で決めずにTwitterのアンケートや友人や担当編集が決めたりするのが特徴で、「ここに行きたい」でないのが最も大きなポイントでしょうか。
 1人だったり同行者もいたりしながら、旅で得た視点で人間関係を見つめ直したり新たな知見を得たりする話です。
 
 内容についてこれ以上詳しく書いても読む楽しみが減りますし、感想面を書いていきましょう。
 
 画力とかの技術的な面は詳しくないので言及しませんが、読んでいく上で必要十分に解りやすい描き方をしていると思います。
 荒すぎず、細かすぎず。
 作画上大きく特徴になるのはレイアウトかもしれません。
 舞台上の広がりを出すのに単純な見開きではなく、縦を大きく切り詰めた見開きでシネスコより広く見せたりとか、時間経過をコマ割りで済ませたりとか。
 旅に出掛けた時の高揚感で、記憶に残るイメージの強さを優先して描いていると感じる描き方です。
 とは言っても文字情報を軽んじているのではなく、主人公のモノローグなどは頻繁に挿入され、感情移入しやすい筋立てです。
 観光地の案内も最低限度にはされていると思います。
 この作品の場合、旅そのものや旅先の情報はある意味で物語的な補強要素でしかないので、あまり詳しく書いてもテーマがブレますから、むしろこれくらいが丁度良い位だと思います。
 
 そう、この作品のテーマは「旅の行程」そのものでは無いというのが大きい。
 主人公が旅先で何を得て、それを通じて誰かに思いを馳せたり、誰かと旅先で共有する感情そのものがこの作品のテーマだと僕は感じたので。
 なので旅先や旅の方法というのは重要では無く、したがって優先順位が低いのだと思います。
 
 僕もしばしば暇潰しに出掛けますが、主人公のように他人との関係性を考えてみた事は無かったので、ある意味とても新鮮に思えたのが正直なところです。
 というか、僕自身が他人と接点が無さ過ぎてそこまで考えが至らない(出掛けても写真撮る事くらいしか)。
 名産品を頂いたり、現地の人と接点を持ったりして、その思い出を友人と共有したり。
 そういう経験値で人間としての深みが増すのって面白いだろうなぁ、と思います。
 うらやましい。
 
 こんな感じが、今現在の正直な感想です。
 あと、日帰りじゃ無い旅行も少し行きたくなりました。
 とは言え時間とお金の関係もあるので、なかなか簡単には行けないだろうけれど。
 あと主人公の鈴ヶ森ちかさん、なかなかのスレンダー美人なのでその辺り個人的ポイント高いです。
 服装も話数が変わる毎に違う服だったりして、結構に凝っている。
 そのあたりも個人的な楽しみポイントだったりします。
 
 続刊お待ちしております。

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