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20世紀の終わりに向けて

平成が始まり、バブルの華やかさが薄れていきます。それでも今振り返れば、まだまだ残り香はありました。今回は、平成の中期にあたる1990年代後半から2000年頃までの僕自身の変化と社会の動きを振り返ります。

新しい出会いと変化の始まり

中学生時代、僕は地元の中学校に通っていました。小学校時代は小さなクラスで過ごしていたため、隣町から来た大勢の生徒たちとの新しい出会いは刺激的でした。しかし、同時に先輩後輩の上下関係を意識するようになり、人間関係の複雑さを嫌でも学ぶ事になりました。

高校は、地元の学区ではそこそこの偏差値の公立高校に進学しました。本当はアメフト部で有名な私立に行きたかったのですが、そこまでの情熱もなく、親の勧めに従いました。高校生活では部活の後輩に対して抱いた特別な感情が、今振り返ると初めての恋だったのかもしれません。毎日、部活の後に彼と話す時間が楽しみで、心が躍ったものです。

インターネットとの出会い

1990年代後半、インターネットが一般家庭にも広まり始めました。当時、僕はWindows95を使い、電話回線を通じてネットに繋いでいました。インターネットはまだ黎明期で、情報も限られていましたが、その中で自分と同じようなゲイの人々を見つけることができました。

僕はインターネット上で、ゲイとしての自分を隠さずに話せる仲間を見つけました。個人ホームページを運営している人々との交流は、僕にとって大きな救いでした。実生活ではカミングアウトできないまま、ネット上だけが自分を解放できる場所でした。

二重生活の始まり

大学はMARCHと言われる辺りの大学に進学しました。大学生活は新しい友人や経験に満ちていましたが、ゲイであることを隠し続けなければならない日々でもありました。「彼女はいるのか?」と聞かれるたびに、適当にごまかし、好きな女優の話題を無理に合わせることもありました。ネット上では自分らしくいられるのに、現実では違う自分を演じることに疲れを感じていました。

平成の中期、この二重生活は僕にとって挑戦であり、同時に自分自身を見つめ直す機会でもありました。社会もまた、新しい価値観と多様性を受け入れる方向に少しずつ変わり始めていました。

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