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ロンドンで学んだデザイン

ロンドンに来て学びたいと思っていたデザイン。
日本で出会ったデザイナーさんにも、ロンドンに行くならぜひ現地のデザイン学んできてくださいと言ってもらい、
興味のあったロンドン芸術大学の短期コースに通いました。
校舎はファッション系学校で名のしれたロンドンセントラルセントマーチンズ。
受けた講座は「Introduction To Product Design」。
バーレーン、ドイツ、スイス、香港など様々な土地から集まったメンバーでの講座。
途中文化の違いで盛り上がったりもしたことも楽しかった。

「卵を割れないようにする」
という議題。私はできるだけシンプルで少ない素材を使って、かつ見た目が楽しくなるようなものが良いなと作っていた。
すると先生が横に来て、「ZENだね」と言う。
意味が分からなくて、どうしてZENだと思うのかと聞いた。
日本人として自分の中にZENを感じたことは特になかったから。
すると先生は、「できるだけミニマムに、シンプルにというのはZENの精神、なんとも日本人らしいデザインだ」
と言われた。
そこから何を作っても日本人らしいデザイン、ZENと言われ続けた。

なんかちょっと気になって、先生に聞いてみた。
というのも、私自身シンプルで洗練されたデザインの商品にそこまで魅力を感じなく、
なんとも心があったかくなるような、ニヤッとする商品が好きだったから。

「先生、ZENのデザインって面白くないですか?」
と単刀直入に聞いてみた。
すると、
「そんなことはない。だが、常にそれがいいとも限らない。」
つまり、世の中の人が洗練された研ぎ澄まされたものばかりを好んでいないこと、
そして真のデザインは、研ぎ澄ますことではなく、
人々の心に語りかけ、そこにエモーショナルに訴えられるということが真に大切だということ。
そして、そこに何か訴えかけたいというデザイナーのマインドこそが一番必要であるということ。

日本では無印良品など、シンプル、すっきりが今時代が来ているが、
果たしてエモーショナルなのだろうか。
そして気持ち豊かに過ごし続けられるのだろうか。
もちろんシンプルの中にエモーショナルなものもある。
だけども私はやっぱり心豊かにほっこり慣れる商品が好きだ。
個人的に愛着を感じるのはそういう商品だから。
そしてそういうものに溢れた部屋こそ個性を感じるし、様々な会話が生まれる好きな空間。

ロンドンセントラルマートンズでは、プロダクト、ファッション、ジュエリー、ファインアート、様々な芸術分野の学生が学んでいる。
そこで様々な融合も生まれる。
素晴らしい場所でした。

ロンドンにはデザインミュージアムという美術館もあります。
しかも無料で入れる!なんということ。
前回行った時、昔のテレビや電話が展示されてました。
テレビがなかった時、電話がなかった時、
この商品が生まれた瞬間、きっと世界が変わったんだろうな〜
すごく楽しませたんだろうな〜と。見ていてニヤニヤしました。
無料なのでロンドンにお越しの際はぜひ行ってみていただきたいです。
日本ではなかなか感じられない世界があります。

最後に、デザイン本で有名な「The design of every thing written by Don Norman」より好きな言葉を抜粋。
“The best products do not always succeed.”
“Good design starts with an understanding of psychology and technology.”
“Great designers produce pleasurable experiences.”

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