見出し画像

孤立から孤独へ

NEW ELITEは以前から気になっていた書籍なのだが、なぜか購入していなかった。いつか買おう買おうと思って、忘れてしまうの繰り返しだったが、年末たまたま本屋さん以前から気になっていた書籍なのだが、なぜか購入していなかった。いつか買おうと思って、忘れてしまうの繰り返しを重ねていたが、年末たまたま本屋さんに最後の1冊があったので手に取ってみた。目次とはじめにを読んで、すぐに魅了されたので、今度は迷わず購入した。

今後の日本の立ち位置

「はじめに」に日本が淘汰される可能性に言及されている。頭の隅っこにはあったが知識としては確立されていなかった。そこで落合陽一の『2030年の世界地図帳』しっかり読んでみた。

ディストピア的な話は好みでは無いが、『2030年の世界地図帳』はテクノロジーを絡めたポジティブな書籍である。また、SDGsはどのような経緯で成立したのかを丁寧に解説されていて、非常に勉強になった。デジタル社会と一言で言っても、アメリカ型、中国型、ヨーロッパ型とそれぞれ異なる。当然思惑も異なるので、日本の立ち振る舞いが今後問われるであろう。

画像1


日本のGDPは2019年では世界3位だが、2030年予測だとインドに抜かれて4位になり、2050年予測だとインドネシアに抜かれて5位になる。順位だけ聞くと、緩やかな現象のようだが、ドルの値の開き方は2016年のアメリカとの差が14兆ドルに対し、2050年首位の中国との差は43兆ドルとなっている。日本は世界経済の中で存在感がどんどん小さくなって行くようだ。

日本でビジネスを考える外国人企業家は減っていくのかもしれない。同様に縮小する日本よりも海外に打って出る方が若者にはたくさんチャンスがありそうだ。

今後ますますスキルがコモディティー化する時代では、会社=他人に人生を任せることは非常にリスクが高い。今まで以上にセンスが問われる。

センスは一朝一夕には身に付かないが、直感からの行動をスピーディーに行うことを積み重ねていけば、事後的に身に付くものだ。まず行動し、メタ的な内省が必要だ。

自分が見たい世界があるなら、他人に任せていては時間がかかりすぎる。やはり自ら行動し、実現させていく気概が必要だ。

TakerとGiver

『NEW ELITE 』では、自己実現=他者貢献と定義している。もらう価値よりももたらす価値を大きくすることで、結果的により大きなものを得ることができる。最近よく耳にするTaker は一時的に欲しいものを得ることができるかもしれないが長い目で見たときに何も得られなくなる。逆にGiverはいざと言う時に周囲の人たちが助けてくれる大きな可能性を有している。

画像2

1月5日付の朝日新聞GLOBE掲載記事

今後ますます多くの人間が孤独と向き合わなければいけない。孤独は一見悪のようだが、1人で生きる人間力と言う観点で、いずれどこかで向き合わなければならない。その時にいかに孤立していないかが重要。

Takerは孤立の道筋をつけてしまいがちである。Giverはたとえ孤独になっても、きっと孤立する事はないだろう。

Play Work

また仕事に対する捉え方をアップデートする時代である。

人生は我慢大会ではないという常日頃から思っているが、本書でも部活のノリは学生時代で終わりにして、楽しく仕事しようとある。

私も職業柄、いろいろな経営者と話をする機会がある。成功しているなと思う人は、皆基本的には上機嫌である。楽しく仕事をしているからなのであろう。

自分で選択をするということを意識的に行っていけば、先にも述べたようにセンスも身に付くのではないだろうか。

センスと夢には相関関係があるのかもしれない

想像できる力​

日常は情報に溢れて多くの人は受け身のままその情報を得ている。

DJ Nobbyさんが以前、連続ドラマと一話限定のショートドラマに例えて、日本人はショートドラマに目を引かれてしまいすぎたと警鐘鳴らしていた。

桜を見る会問題や芸能人の不祥事問題といった単発的なNewsで意見を出す事に夢中だが、複雑な中東情勢には関心がない。話が長すぎて(複雑すぎて)、自分とは関係ないと安易に決めつけてしまいがちだ。

情報を消費するだけで終わると何の学びにもならない。Newsから、自分は何を感じたのか何を思うのか、これから世界はどう変わるのかを想像する。思考する力を得たいと思うことが第一歩になる。

そして新しい価値を生み出して世界を変えていける。




この記事が参加している募集

読書感想文