「ハイティーンやくざ」(1962)

鈴木清順が監督した1962年の日活映画「ハイティーンやくざ」は、パイナップル・プリンセス田代みどりが父佐野浅夫のラーメン屋で歌い始めると、若者で店内が一杯になってツイストを踊り出すという明るい青春歌謡映画かと思いきや、団地の建設ラッシュでにぎわう商店街を食い物にするチンピラ集団が描かれた作品でした。

高校生の川地民夫はケンカが強く、チンピラたちをやっつけると、お礼に商店の人たちがお金をくれる。それを恐喝だと解釈した警察に逮捕され、釈放されたものの商店の人たちから白い目で見られる。

場所は明確ではないけど、ほとんど大田区で撮影されたらしい。新興団地と田園風景の対比が面白いし、当時の商店街の雰囲気も伝わってきます。

細身でやさ男のやくざ上野山功一が落ちこぼれをやさしく仲間に引き入れる様子がリアル。草が茂る川原で清純な松尾嘉代が川地を元気づけるシーンも心に残ります。

2018年8月25日

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?