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髪の長い猫

爪が長い

目の色が変わる

ぺろりと舌を出す

撫でようとすると逃げる

放っておくと怒る

それでも気になる、どうしても気になる

こちらのことはまったく気にしていないので、こちらも気にしないでいようが出来ない、どうしても出来ない

目が追ってしまう

目が合うとこちらはおどおどとヘラヘラ笑みを浮かべてしまう

目が合うと向こうはフンと鼻を鳴らし、じーっと見つめている

じーっと目をそらさず、じーっと

なんだかその目はこちらの弱みを握っているという目だ

弱みなんかあるもんか

弱みなんか、あるもんか

弱み、なんか、

弱み、

あーずいぶんながいこと使っていなかったいなかった言葉が頭に浮かぶ

恥ずかしさに顔が歪む

ほら、言ってごらんなさいよとその目が催促しているのがわかる

絶対に言うもんか

絶対に、言うもんか

言うもんか

言う、か

全筋肉で唇を動かす

ア、声を出す前に目をそらし行ってしまった

ホッとする自分に腹が立った

でもホッとしたのは、本当だ

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