映画『きみの色』-無数の感情と、無数の色と
中学生の娘が、『きみの色』を観たいというので映画館へ。
監督は『映画けいおん!』の山田尚子。
人を色で捉えるという個性をもつ、女子高生トツ子が主人公。
憧れの元同級生・きみ、きみのバイト先の古本店で出会ったルイ、3人でバンドを組むことに。
この3人も周りの友人たちも、今どきの高校生よりもずっと純朴で清らかな人格を与えられているかもしれない。
でも、実は大半の10代はこの純粋さを併せ持っていると思う。
保護者を傷つけたくないから本当のことを言えない、とか、自分のしたいことと親から決められた道との折り合いの付け方、とか。
まだ護られている立場であるがゆえの、名前をつけられない感情たち。
それが丁寧に描かれていました。
トツ子たちより少し先を歩き、その形にならない感情を導いてくれる若いシスターがまた、いいです。
3人は文化祭に出演することになるんだけど、終わればそれぞれが別の道をゆくというシチュエーションも、18歳ならではの切なさと隣り合わせ。
別れの日、空に舞うカラーテープがまぶしかったです。
10代という特別の時間を味わうのに観る価値大だと思いました。
それからこれは私的なメモなんだけど、
劇中繰り返される
「神よ、変えられないものを静かに受け入れることのできる強さと
変えなくてはならないものを変える勇気
そして、変えられないものと変えるべきものを見分ける賢さを与えたまえ」
ニーバーの祈り。出会ったとき、私も10代だったような。
再会できたことに感謝。
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