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大企業サラリーマンが、好きなことのために会社を辞めたら「ベーシックインカム」を得た話(5)

こんにちは。5日目に突入です。午前中いっぱい面談が入っていて、午後も3件の用事が入りました。忙しいのはありがたいことですが、文章を書く時間を捻出するのに工夫が必要です。会食が終わって新幹線でこれを書いています。

〇活動について(継承と交流)
過去4回に渡って散々引き延ばしてきましたが、今回は私が取り組んでいることとこれから取り組みたいことの全体像を説明します。具体的に話そうとすると、また情報量が多くなってしまうので、今回はまだ少し抽象的な話になるかもしれせん。

〇活動について(継承)
私の活動は、主に文化の継承と交流に大別されます。まず、継承については、主に伝統工芸の持続可能な継承をテーマにしています。伝統工芸の中には、着物や漆器等イメージがしやすいものから、唐紙や神祇装束など具体的な用法が想像し辛いものがあります。一つ言えるのは、その一つ一つが、日本の文化を象徴する大切なものであること

一方で、そうした伝統工芸品は近年苦境に立たされています。職人さんが減ってしまい、残り1軒しか残っていない品目も多くあります。より細かく状況を見ると、(1)職人の数がいない、(2)原材料がない、(3)道具がない、という問題があります。

(1)職人の数がいない。一般財団法人伝統的工芸品産業振興協会の統計情報によれば、日本全体の伝統工芸従事者数は1979年をピークに2015年時点で5分の1あまりに減少しています。最新の統計はないものの、新型コロナウイルス禍の需要減やロシアによるウクライナ侵攻に関連する原料高の影響で、減少傾向は続いています。

(2)原材料がない。原材料は、工芸品を作る為に必要な材料を指す。例えば、日本人形の顔に白塗りする胡粉、和蝋燭に使用する櫨(はぜ)の実、かつらに使用する人毛等、調達が難しくなっている素材は近年大きく増加しています。また、金属や木材は、材料そのものはあるが近年の価格高騰により調達しづらい素材も多いです。

(3)道具がない。伝統工芸の職人は一社あたり数人でものづくりをしているため、使用する小刀や筆等も数本単位で注文することが多いようです。しかし、小ロット(少ない量)では注文を断られ、仕方なく自分で作ったり、師匠や同僚から分けてもらったりした道具を大事に使う人も少なくないそうです。

こうした問題は、結局、伝統工芸産業が収益を生まない(儲からりづらい)産業だから、という話に帰結しますが、結局は、「(私にとって)大事だけれど、収益を生みづらいものに何ができるか」、という話だと思っています。今、私は京都でこの調査を始め、今後この調査を日本全国や世界各国に広げることを目標にしています。詳細についてはまたご説明をしたいと思います。

〇活動について(交流)
もう一つの交流について。読んで字のごとく文化交流の取り組みを進めていますが、これまでの文化交流の在り方に疑問を持ったのがきっかけです。もう少し、相手国の人に寄り添った形、相手国の人が受け入れやすい形で日本文化を発信できないか、そんなことを考えてこれまでプロジェクトを10個近く進めてきました。

その中で直近東京で実施予定の展覧会「Momotaro Project~どんぶらこ、海を渡る~」は、日本の物語である桃太郎を様々な言語に翻訳をし、物語を知らない海外の伝統画家の方に挿絵を描いてもらうというです企画です。

詳細についてはこちら↓

当初は日本の文化を海外に展開することを想定していたのですが、結果的には、日本の人に海外の文化を紹介する機会にもなりました。嬉しい誤算でした。今後はこうした企画をどんどん進めていきたいと思います。

〇活動について(全体総括)
文化の継承と交流、私はどちらも大事だと思います。当初はどちらかに絞る予定だったのですが、どうしても絞り切ることができず、結局はどちらもやろうということになりました。これがなかなか大変で何度か挫折しかけました。

ただ、大変だけれど学びも多いです。両方に取り組むことで、「自分を知り、他者と生きる」を体現出来るようになりました。自分のルーツを知るために、まずは形ある伝統工芸を学ぶ。同時に、自分が知っていることを世界に伝え、また、世界から新しい考えを学ぶ。継承と交流がタンデム(二人乗り自転車)のように相互作用できるような世界を作りたい。それが今の活動動機です。

次回からは、より具体的に取り組みに込めた思いを説明していきたいと思います。

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