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坂本龍一さん逝く

高橋幸宏、鮎川誠、に続いて子供時代のアイドルが続けざまに逝ってしまい寂しい。

御多分に洩れず出会いはイエローマジックオーケストラで、忌野清志郎との共作や、ボウイやビートたけしとの共演、映画音楽での活躍にずいぶん刺激を受けた世代だが、コロナ社会になってからは、彼のピアノ作品、最近の内省的な作品を部屋でよく聴いた。

音楽以外にも、子供の頃は彼のフットワークが軽い活動にずいぶん触発された。三島由紀夫の編集者だった父坂本一亀のDNAか、学者や文学者との共著も多く、そうした著作も手に取った。

大手の出版社ではない媒体…たとえば福岡のミニコミ誌に地元の学生が坂本を招聘した際の手記が載っていたり、どこかの保険組合の会報誌で太宰治の娘と対談していたり、思いがけないところで彼の記事を見かけることがあって、ずいぶん手広い人だあ、という印象をもっていた。

そのフットワークはインターネットの登場とともにさらに加速したと思う。教授のニックネームが指し示す通り、音楽は古典的な素養に基づいていたが、ボーダーレスでスピード感のある表現活動は、ネット時代向きの人だった。

ジャンルはまったく異なるがオータニサンより何十年もはやく島国から世界に打って出て、音楽以外の活動も軽やかに奏でたサカモトサン、素晴らしい作品をありがとうございました。謹んでお悔やみ申し上げます。

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