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土地をもらって苦労した話

相続の手続き中、実家の持つ一部の土地に抵当権が設定されていることが分かった。

おいおいと思い詳しく聞くと、ご先祖様が金を借りて土地を買っていたようで、時期は明治20年(1887年)、金額は8円50銭だという。

130年以上前の話を令和になってされても…と逆ギレ気味になり、じゃあここに10円玉ありますからこれで払います、領収書と1円50銭のおつり下さいよと言ってみたが、そういう話じゃないと一蹴された。まあそうだろうな。

なんでも時効で抵当権抹消の手続きをするのだそうだ。これまたそうだろうな。じゃあとっとと手続きお願いします、というと、はいすぐやります、ということにならないらしい。いったい何で?ソコはまあそうだろうな、はならないですよ!

聞けば、ご先祖がお金を借りた相手というのが、市役所の前の、合併前の市役所の、そのまた前身の役場だったらしい。その場合、その昔役場があって市役所が引き継いだこと、よってお金を貸した事実も引き継がれたということを証明した上で、市役所は時効だから貸した金をあきらめますよ、という手続きを取るらしい。

何だか面倒くさい。だが仕方ない、じゃその証明をお願いしますというと、いやいやそれは役所の仕事ではなく、あなたがしなければならない、ついてはどこそこに古文書館があるから、経緯を調べてください、という。

おいおいおい。その頃には完全に戦意を喪失しており、司法書士に言われるままにお金を支払い調べてもらって、数ヶ月後にようやく諸々の処理はおわった。

ご先祖さまが当時借りたお金の何万倍かをかけてようやく相続の手続きを行った土地だが、売ったところでいくらにもならない。ため息がでたが、ご先祖へのお供えというか供養というかまあそんなものだとおもうことにした。

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