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チョメルな小杉 VOL.1

べいびーちゃん(赤子のお腹時代の呼び名)よ、大変申し訳ない。

あなたの母は今のところ全然友達いなくてさ、これからも出来る気配が微塵もないのよ。どうしようもない母で本当にすまぬ。

今後もママ友とかそういうのね、作れないと思うし子育てコミュニティに自分で飛び込んでいくこともできないと思うのよ。

だから母、チョーキットあたりのローカル市場行く!ローカル飯屋にも通う。

マレー系、インド系、中華系、おじちゃんおばちゃん、きっとみんなかわいがってくれる。だって大人の母でさえけっこうかわいがってもらえてる。母ね、東南アジアの懐に全力で潜り込んでべいびーちゃんをみんなに育ててもらいたい。

そうやって自分らしく楽しく子育てをしたいと考えているんだよ。

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赤子が無事うまれたらどローカルな色んな場所に連れ出して色んな人にかわいがってもらおうと決めていた。

海外でひとりまともに子育てなんてできるわけがないと思っていたし(今も変わらずそう思ってる)、当時の私にとって闇雲に友達作りに励むよりよっぽど現実的な子育て方法な気がしていた。

出産後すぐにロックダウンとなり、2か月半は病院以外はほぼ引きこもり。規制が緩和されてからも出かけるのはショッピングモールやきれいめの飲食店にしていたけど、最近ようやくローカル飯を解禁した。


待ちに待ったローカル飯。

復活1発目に選んだのは、のんびりと時間が流れるカンポンバルに位置するナシレマ&ロティチャナイ店。

このお店の詳細についてはまた後日書くとして、

がっつりマレー系屋台に突然あらわれた外国人、さらにベビーカー押してやってきたもんだから、店に到着した瞬間から私たち浮きまくっている。

そんな中でも居心地の悪さを感じずに、心地よい風が吹いてるね~なんてのほほんと朝食を楽しめたのは、お店の人もお客さんも私たち、とりわけ赤子にとても親切にしてくれたから。

てきぱきとテーブルを片づけている強面のおじさんが、あっちの席のほうがベイビーが涼しいから、と気にかけてくれた。隣のテーブルのお姉さんが赤子をあやしてくれた。店のおばちゃんが豪快に赤子に絡んでくれた(赤子ギャン泣き)

後ろのおばちゃんが「チョメルね So cute!」と赤子のほっぺをつんとしてくれた

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とってもとっても嬉しい。赤子がマレーシアに包まれている。それは "大丈夫、この国で赤子を楽しく育てていけるよ" と背中をさすってもらっているような温かな景色だった。

エッセイのタイトル「チョメルな小杉」

チョメル(Comel)はマレー語で【かわいい】【ちっちゃな】の意で、タイトルを決めたのはお店に行く数日前のこと。そしてこの日、おばちゃんが赤子に「チョメル」といったのを私の耳は聞き逃さなかった。エッセイのVOL.1には絶対にこのお店でのことを書こうと決めた瞬間だ。

ということで、

突然スタートさせた子育てエッセイのはじまりに。わたしたちを温かく迎え入れてくれたナシレマ屋さんに心からの感謝を込めて。

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