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2021年3月12日 衆議院法務委員会 串田誠一議員 国連子どもの権利委員会からの勧告について

2021年3月12日 衆議院法務委員会 一般質問 

串田誠一議員  

国連子どもの権利委員会からの勧告について


串田誠一議員

 一つ問題提起をさせていただきたいのは、家族法の分野においては、日本は司法の関与が少ないんですよ。例えば一昨年の子どもの権利委員会からは児童を家族から分離すべきか否かの決定に関して義務的司法審査を導入する事と言う勧告を受けている。これは子どもの権利条約の9条で、父母が子どもから離す時には権限がある当局が司法の審査に従う事を条件として行う事が出来るとなっているんですよ。要するにこの、子どもの権利条約は1994年に日本は批准しているんですよ。だからここに書いてあるように、権限のある当局が司法の審査に従う事を条件として書いてある。その司法の審査に従う事の条件が設けられていないから、一昨年の国連の勧告では義務的司法審査を導入しなさいと勧告をされているわけです。これは司法が介入していかなければならない分野なんですよ。ですからそういう分野をしっかりと日本が携えていくような事になるんであれば、今の裁判官の数では足りないんです。合格者の数もそういう意味では、今の1500人と言うのが多いとは言い切れないんですよ。こういう分野が使われていないから、階議員のお話のようなね、人数を減らしたらどうかって言うのは、アンケート調査ではそうあるかもしれないけど、日本が必要としているような司法分野を設けていないから、そういう意味で言えるのであって、本来子どものために司法審査をちゃんとこういうようなものを、条約を批准した国として順守しているんだったら、そこの分野に関しては足りてないんですよ。この事に関しての法務大臣としての認識はおありですか?

上川法務大臣

 委員ご指摘の平成31年の2月に児童の権利委員会におきまして、審査の総括所見において、正に義務的司法審査を導入する事などが要請されたと言う事につきましては承知をしております。現在司法関与の制度と言う事で児童福祉法上の一時保護におきましては、迅速に児童の確保の必要性が認められると言う事で、親権者等の意に反する場合であっても行政の判断で行う事が出来ると、されているところで御座いますが、また他方、暫定的な措置であるとはいえ、強制的に親子を分離する措置と言う事でありますので、長期化している事例もみられると言う事から、児童相談所等が親権者等の意に反して、2カ月を超えて一時保護を行う場合につきましては、手続きの適正性、担保の観点から、家庭裁判所の承認を得る必要があるとされている状況で御座います。一時保護の手続きの在り方につきましても、以前29年の福祉法及び児童虐待防止等に関する法律の一部を改正する法律の不足におきまして、施行後3年目標として検討期的が設けられていると言う事で、これを踏まえて現在厚生労働省が検討会を設置して検討をしている状況でございます。法務省もこれに参加しているところで御座いますので、今後も引き続きしっかりと必要な協力をして参りたいと言うふうに考えております。

串田誠一議員

 その点に関しては条約だとか、国連の勧告を自分の国の都合の良いようにちょっと解釈をしているんだろうなと思っています。今日の新聞にも虐待被害の子どもが2172人と言う事で、前年比9.1%増。5年間で倍増していると言う事実がございます。児童相談所への通告が10万6991人と言う事で前年比8.9%(増)。これはコロナ禍において、自宅にいると言う状況の中で、虐待が増えると言う事も言われているんですけれども、児童の虐待に関しては本当に速やかな対処が必要である。しかし、これ通告ですので、誤った保護もある訳ですよね。先ほど大臣仰られたように、2カ月と仰られましたが、2カ月って言うのは、子どもにとっても家族にとっても凄く大きい長い期間ですよ。誤って保護されているとしたら、学校との関係で言ったら神隠しのようにね、理由を言われないで突如として2カ月学校に行かなくなるんですよね。そう言うような状況の中で、国連勧告は、ちゃんとエビデンスに基づいて保護が必要であるかどうかを審査すると言うのが子どもの権利条約に書かれていて、それを行っていないと言う指摘なんです。国連の勧告によると、ここに書いてあるのは、分離するべきか否かの決定に関して、だから分離するかどうかって言う決定の段階で司法審査がなければいけないんです。だから何か通報があって直ぐに保護をしなくてはいけないと言うのは、それは良いと思うんです。その前にやれって言うのは難しいかもしれないけれども、その後ですね、やはり常識的な範囲内で、数日以内にそれは審査をしていかなければ、これはやはり国連を納得させる事が出来ないですし、子どもの権利条約も、分離されない事を確保するんだけれども、当局の司法が審査に従う事が条件として出来ると書いてあるから、二カ月後だから良いと言う訳じゃないんですよね。それをいつまで言っても、世界が納得しない、子どもの虐待なんですよ。こういうところを、しっかりと用意していけば、今の裁判官の数、或いは弁護士の数では足りないぐらい、本当に担っている訳だし、世界中はそういう意味で家族法に関する迅速な司法審査、司法関与って言うのは本当に充実していますよね。日本はそういう意味で、当事者に任せきりになっている部分が非常にあるんじゃないかと。ここら辺の部分を、しっかりとやっていただかなければいけないと、今厚労省との間でも話し合いが行われていると思いますが、法務大臣としてね、この子どもの権利条約、そして国連の勧告から常識的に解釈できる事を踏まえた上で、厚労省ともう少し連携していただけないですか。

上川法務大臣

 子どもの利益に資する状況をいかに作っていくのか、特に虐待の場合には言葉を発する事も出来ないお子さんもいらっしゃるし、そういう事について、私は本当に大きな課題であると思っております。また緊急を要する事と言うふうに思っております。外国の様々な取り組みの事例も調査しているところで御座いますが、色々制度の中にはバリエーションがあると言う事でございますので、よく学ばせていただいて、そして厚労省とともに、検討をしっかりと進めて参りたいと思っております。

串田誠一議員

 そこで一つ提案させていただきたいんですけど、今ずっと話の中で裁判官を急激に増やすというのは中々難しいんですよね。ですけれど、国連からも義務的司法審査を導入する事を勧告を受けている。これをどうやってね、国連の勧告にあう、子どものための方策が考えられるだろうかと言う時に一時保護の段階で弁護士が非常勤裁判官のような形で、今当番弁護士として直ぐに行きますけれど、それは一方のための弁護人になるんですが、そうじゃなくてね、一時保護の時に、その児童相談所の顧問弁護士いるんですけど、それはやはり公平とは言えないですから、一時保護をする段階に、今の弁護士を当番弁護士のような形で非常勤裁判官制度を採用して、直ぐにそこの段階で、子どもの意見も聞く、親の意見も聞く、児童相談所の意見も聞くと言う形の中で中立的な立場で判断をすると言う事になれば、子どもの権利条約も国連の勧告も、私はクリア出来るんじゃないかと思うんですが、そういったようなところを検討していただけないですか。

金子司法法制部長

 先生からのアイデアは弁護士から非常勤の裁判官を採用して、この案件にあてると、担当してもらうと言う事と理解しました。一般的に言えば、社会に生起する様々な法的紛争を適切迅速に解決するためには司法権を担う、裁判所の人的物的体制の整備が不可欠です。先生の仰るような司法審査をする上で、裁判官が不足するから、しているから出来ないと言うような認識であれば、本来裁判所の体制をきちんと、臨時的ではなくて、裁判官を人的に物的に整えると言うのが本来の在り方であろうと思います。ただまぁ裁判官が不足しているから、今司法審査がされていないんだと言う関係にあるものとは認識しておりませんので、先生のご提案に直接答える事は難しいと思っています。

串田誠一議員

 まぁ答えになっているかわかりませんけれど、要するに国連から勧告を受けているって言う事自体の、そして子どもの権利条約、日本が批准をしていますからね。批准しているこの条約を守っているかと言ったら守ってないじゃないですか。それに対してどういうふうに対応をすれば良いのかって言うのは、私が言ってるのは絶対的にこういうのにしましょうと言っている訳じゃなくてね、義務的司法審査がなされていないと言う、こういう批判対して他の国はやってるんだから、日本もやる時に裁判官足りていないと言う事が理由にはなっていないと思いますと、これじゃあ何が理由なのかって話ですしね、どういう解決をするのかって言う提案をしていかないと、いつまでもずっと批判されっぱなしになっちゃう訳ですよ。そういったような事を是非ね、検討していただきたいと言うふうに思います。


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