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2021年03月30日 参議院 法務委員会 真山勇一議員質疑

2021年03月30日 参議院 法務委員会 真山勇一議員質疑

真山勇一議員

早速質問に入らせていただきたいんですけれども、今日は別居離婚に伴って一方の親から引き離されてしまう、子どもたちの問題と言うのを取り上げて参りたいと存じます。別居とか離婚の理由とか原因と言うのは色々でしょうけれども、どちらか一方の親、つまり一人親の元で暮らす子どもと言うのはですね、今現在どれくらいいるのか、かなり大勢居るんじゃないかと思うんですが、数字について教えていただけないでしょうか。

厚生労働省子ども家庭局児童虐待防止等総合対策室長 岸本武史

 お答えいたします。厚生労働省では一人親家庭の実態を把握し、必要な支援を検討する事も目的として全国一人親世帯等調査を実施しているところでございます。本調査による推計値となりますが、母子家庭の世帯数は約123万2千世帯、父子家庭の世帯数は約18万7千世帯となっております。一人親家庭に暮らす子どもの数について、直接調査をしたものは御座いませんが、母子世帯及び父子世帯の平均子ども数から、更に推計を行いますと約215万人が一人親世帯の元で暮らしているものと考えられます。

真山勇一議員

 有難うございます。今皆さんお聞きになったと思うんですけれども、とても大変な数なんじゃないかと言うふうに思います。色々な状況がありますので、これが全て大変な状況に置かれているかどうかと言う事は別にして、215万人の子どもたちが一人親と言うような状態におかれていると言う事です。この中にはとても厳しい子どもの貧困などと言われている事もありますし、一人親家庭で収入がやはり十分でないと言う、そういう家庭もあるんじゃないかと言うふうに思います。そういう意味でですね、一人親の子どもがどれぐらい居るか。それからどんな状態かと言う事なんですけど、215万人の中の子どもの状態と言うところまでは、おわかりになるでしょうか?

厚生労働省子ども家庭局児童虐待防止等総合対策室長 岸本武史

 お答えいたします。先ほど申し上げました一人親調査におきまして、監護親の元での収入ですとか、生活状況についても一定の調査をしてございます。

真山勇一議員

 あの是非その調査を、一人親の子どもの問題を考えると言う事で、これだけの数が居るわけですから、大変重要な基礎資料になると思います。是非今後はこういう資料を充実させていただきたいと言う事をお願いしたいと思います。
 お配りしている資料の一枚目を見て頂きたいんですが、新聞のコピーです。連れ去った者勝ちと言うような見出しがついています。配偶者に子を奪われた親、面会叶わない。そういうような内容の記事ですが、これはあの、ある日突然子どもを連れていかれて、引き離されてしまった2人の女性の話を紹介しております。2人は子どもの連れ去りを防ぐための立法を怠ったとして、国を相手に裁判を起こした時の記事。これは去年のものなんです。これまで母親が子どもを連れて家を出るケースと言うのは多かったんですけれども、この記事でおわかりのように、最近は父親の方が子どもを連れていってしまい、妻が取り残されてしまうと言う事が増えているんですけれども、上川大臣はこうした現状の認識を持っておられるでしょうか。

上川法務大臣

 離婚や別居後に子どもと会う事が出来ない事で辛いお気持ちを抱かれる親御さんがいる事や、一方の親に会えない事で大変悲しい思いをしている子どもも居ると言う事については認識をしております。委員からのご質問でございますが、父親のみならず子どもに会えない母親の声があると言う事につきまして承知をしておりますけれども、どのようなボリューム感でそうなのか、或いは増えているかと言うような状況までのところの具体的な事実については承知をしておりません。

真山勇一議員

 はい、やはり今後当然統計では離婚も増えていると言う統計が、これは数字として出ておりますし、そういう意味でですね、どちらの親が引き離されてしまった人になっているのかと言う事も、わかると思いますので、やはり別居とか離婚を考える上での、こうした統計もですね、これから充実させていただきたいと言うふうに思うんですけれども。子どもが一方の親から引き離される問題っていうのを扱っている市民団体の調査によりますと、10年ほど前は母親が取り残されてしまうと言うのは1割程度だったんですけれども、最近の数字ではですね、やはり増えている事が証明されておりまして、今現在新しい数字だと3割ぐらいになっていると言う事が言われております。やはり母親が一人取り残されてしまうと言う事はですね、増えていると言う現状があるんじゃないかと思います。私がちょっと心配しているのは、母親の方が取り残されてしまうと言う事は、今の状況で言うと父親の方が経済力があるので、例えば養育費なんかはいらないって父親の方から言われてしまうケースが非常に多くて、それによって余計子どもとの距離が開いてしまうと言うことも心配されていると言う事が指摘をされております。この新聞記事を読みますと審判調停にあたっている家庭裁判所。私はちょっと信じられないような対応が、この新聞記事に書かれているんですね。あの弱い者に追い打ちをかけるような、言葉の暴力とも受け取れるんじゃないかと言うような裁判所の言葉がのっているんです。この記事の中にゆかりさんと言う仮名なんですけど、出てくる一人の方のお話を先ずしたいと思うんですね。で、この女性がですね裁判や記者会見のために作ったメモと言うのをいただいております。これ本人の了承を得て、こちら今2枚目ですね、ご覧ください、見ていただきたいと思うんです。この女性、3人のお子さんがいらっしゃいます。未だ10歳前後の3人のお子さんがいらっしゃるんですが、引き離されてから3年間会えていないと言う事なんです。この女性の夫は不貞行為、所謂不倫ですね。これを続けていて子どもたちも巻き込んでしまった為に、子どもと一緒に家を出ようとしたんですが、逆に夫の実家に泊められてしまって、子どもたちが戻らなくなってしまったと言う。1番上の下線の部分を見ていただきたいんですけれども、1番上、2番目ですね、不貞を繰り返し子どもたちを巻き込む夫を信頼する事は無理だと思って、子どもたちと家を出る決意をしたけれども、逆に実家の方に泊めてしまったと言う事なんですが、真ん中辺を見てください。子どもたちと会えなくなってから一か月が経つと、子どもたちはママ大嫌いと言うようになったと言うような事が書いてあります。それからですね、その真ん中辺のところですけれども、裁判所では夫の不貞や子どもを義理の母に預けて不貞相手と同棲をしていると証拠を出しても現在問題なく生活をしていると言う事で、子どもたちを返してもらえないと言う事だったんですけれども、伺いたいのは問題なく生活していると言うんですけれども、自分は不倫相手と同棲をしていて、子どもは実家に預けて一緒に住んでいないんですね。そういう事と言うのは問題無いんでしょうか。

最高裁判所事務総局家庭局長 手嶋あさみ

 お答え申し上げます。個別の事案の判断等につきまして最高裁としてお答えする事は出来かねるところで御座いますが、その上で一般論として申し上げますと、家庭裁判所は監護者の指定や変更の判断に際しまして、子の利益を最も優先する観点から父母の側の事情や子の側の事情を総合的に考慮して判断しているものと承知しております。委員ご指摘の監護の状況や監護の姿勢、それが子に与える影響等につきましても、子の利益を最も優先する観点から適切に考慮して判断しているものと承知をしております。

真山勇一議員

 一般的に適切に判断をしていると言う事で、重ねてお伺いしたいんですけれども、その後に書いてあるように不貞は子どもの福祉には影響はない。不貞と言うものは子どもの福祉に影響がないと言うのは一般的な考え方と言うふうに受け止めて宜しいですか。

最高裁判所事務総局家庭局長 手嶋あさみ

 お答え申し上げます。繰り返しになる部分がありまして、大変恐縮でございますけれども、家庭裁判所としましては、父母の側の事情や子の側の事情を総合的に判断すると言う際に、監護の状況や監護の姿勢、それが子に与える影響等についても適切に考慮していると言うふうに承知しているところで御座います。

真山勇一議員

 今の説明はわかるんですけれども、一般的に言ってもですね、例えば子どもを連れて行って、一緒に生活をしているというのなら、わかるけれども、子どもは実家に置いといて、自分は不倫の相手と同棲していると言う事なんですよね。それが裁判所は不貞は子どもの福祉、不貞はって言ってるんですよね。厳として言っているんですよね。福祉には影響は無いと言っているんです。しかもあの、そう言う事で当然監護者として指定されている訳ですけれども、一般的に色々な状況を考えるでしょうけれども、その中で特に不貞は子どもの福祉には影響は無いと言う、こういう断定をしている訳ですけれども。これはだから一般論として受け止めて宜しいんですか?

最高裁判所事務総局家庭局長 手嶋あさみ

 お答え申し上げます。繰り返しになるところが御座いますが、子の利益を最優先に考慮すると言うところで御座いまして、様々な事情が子にどういう影響を与えるかと言う観点から様々な事情を考慮して、判断していると言うところかと存じます。

真山勇一議員

 そうすると、勿論子どもの利益を最優先にしている事はわかるんですけれども、普通の状態ではないですよね、連れて行ってる父親の状態がね。それが子どもの利益に別に影響無いと言うふうにしか、この言い方ですとやはり受け取れないと思うんですね。それどころかですね、このケースはですね、面会交流も認めてもらえなくて、月に1度子どもの写真を送る、所謂間接交流と言うんでしょうかね。この間接交流しか認められていないと言う事なんです。資料の3枚目の写真を見ていただきたいと思います。個人情報がありますので、こちらの写真は処理をしてありますけれども、これ写真見ていただくと、どうですかやはりあの、ちょっと驚くような事が、この子ども上の写真ですけど、持っているメモに書かれているんですね。上の写真、右側と左側の女の子と男の子は持ってる。で、女の子が持っている方は読めると思うんですが、“ババァ死ねクソ”。それから左側の男の子が持っている紙にはやっぱり“クソ、アホ”一部隠れていますが、これは“バーカ”って言う伸ばした言葉で書いてある。しかもこの男の子は中指を上げるポーズをしていると言う。こういう写真、そして下を見ていただくとわかるように、母親から送られた手紙をですね、ハサミでこれを切り刻んでいると言う事なんですね。これ誰が撮った写真だと思われますか。この写真を裁判官とか調停員は、当然ご覧になっていると思うんですけど、この写真を見て、どういうふうな判断を下されるんでしょうか。

最高裁判所事務総局家庭局長 手嶋あさみ

 個別の事案の資料等につきまして、最高裁としてお答えする事は出来かねるところでは御座いますが、一般に資料として提出されたものにつきましては、撮影した状況、撮影したものを含めて、よく聞き取りをした上で考慮しているものと言うふうには承知しております。

真山勇一議員

 当然ですよね、そりゃ考慮してやっていると思いますよね。一般的に言えばね。でも現実的にこうやって、これ誰が撮ったかって言ったら、第三者が撮るってまぁあるかもしれませんけど、でもやっぱり父親かなとか、逆に言えば、そういう事は裁判所では多分調べているんでしょうから。誰が撮ったものとかね。当然ですよね、調べるのね。そういう事から判断をしていくにしても、母親に対してこう言う事を書いた写真を送る。先ず子どもが書くかどうか、一般論で結構ですけど、こういう写真があります。これ事実です。だからこう言う事を子どもが本当に、子どもにして先ず書くんだろうかって言う事を、考え方を一つ。
 それからもう一つはこう言う手紙を出すのは多分監護者ですよね。子どもが出すことは殆ど考えられないと思いますけども、そう言う事も当然調査した上で踏まえて、子どもの例えば、どちらが監護するかと言う事を一般論として決める訳ですね?

最高裁判所事務総局家庭局長 手嶋あさみ

 お答え申し上げます。お尋ねの点につきましては、具体的な個別の事案についての審理判断と言うところに渡る事かと存じますので、お答えしかねるところで御座います。

真山勇一議員

 あまり難しい事聞いていないと思うんですよね。家裁の裁判員とか調停員の方が、こう言うケースってあるわけですよね。一般的にある訳ですね。その場合にどう言う対応をするのかと言う事を私は聞いているんです。

最高裁判所事務総局家庭局長 手嶋あさみ

 お答え申し上げます。一般的には先ほど申し上げさせていただきました通り提出された資料、それからお話になる事を総合的に考慮して子の利益の観点から判断をしているところでございます。

真山勇一議員

 裁判官の方とか調停員の方がどう言うふうに考えているかわかりませんけれども、一般論から言えば、こういう離婚とか別居にあたっては双方から話を聞くと言う事が原則でしょうから。こう言う事がある訳ですから、どういうふうに聴いているのかなと言うのは非常に問題だと思うんですが、この方はこう言う事をどうしても家裁の方でしっかりと聞いてくれないと言う事で学校に相談に行く。市役所の相談センターも行った。でもやっぱり相談にのってくれない。つまりこれは私の方でやる問題じゃないと言う事らしいんですけれども、挙句の果ては児童相談所までですね、具体的でないので、身体的でないので、虐待では無いと言うふうな事を言われたんですけれども、これあのこう言う事って、子どもが自主的にやるとは思えない、子どもが言葉を書くと言う事は、一般的に言って児童に対する虐待と言う事にならないんでしょうか?

厚生労働省子ども家庭局児童虐待防止等総合対策室長 岸本武史

 お答えいたします。児童虐待防止法におきまして、児童虐待として身体的虐待、性的虐待、ネグレクト、心理的虐待の4類型が規定をされております。こういった片親疎外的行為によりまして、これは個別の判断で御座いますが、子どもの身体的心理的外傷が生じる場合など、子どもの最善の利益の観点から見て問題がある場合には、上記の虐待に該当する事も考えられると思います。例えば子どもに別居親を罵倒させるなどにより、子どもがトラウマを受けたと言うような場合には心理的虐待にあたる事も考えられると言うふうに思いますが、何れにしましても最終的には個別判断にございます。

真山勇一議員

 やっぱり客観的に見たら、例えば子どもが、例えばの例で出てくる話じゃないかと思うんですよ。例えばこう言う事があったら、子どもに対する虐待ですよ。片親疎外ですよって言う話しになるんじゃないかと思うんですが、こう言う事が行われていて、しかもとんでもない決定が出されているんですね。この写真の件を裁判所、母親の方は困って、どうにかならないのかと言う事を裁判所に訴えたら、こう言う結論を出した。夫の撮る写真は子どもの福祉に反すると言う理由で。いいんですよ、やっぱりあの正常な判断です、子どもの福祉に反する、そう言う理由で決めた事、写真を送るのを2カ月に1度に減らすって言う。これ解決策ですか?全然おかしいじゃないですか。こう言う解決策について納得いきますか?

最高裁判所事務総局家庭局長 手嶋あさみ

 お答え申し上げます。個別の事案における判断について最高裁としてお答えする事は出来ないところで御座いますが、一般論として申し上げますと面会交流の内容や回数を含めまして、その在り方を定める際にも民法の趣旨を踏まえまして、子の利益を最も優先して考慮する必要があるところで御座います。具体的には子の意思や心情、親子の関係に関する事情と様々な考慮、要素を総合考慮して子の利益を最も優先した面会交流の在り方を検討しているものと承知をしております。ご指摘の一方の親の他方の親に対する行動や態度、同居親の面会交流に対する姿勢やその言動等が、子の心身の状況に与える影響といった事情は、一般に面会交流の在り方に定めるに当たり、子の利益を最も優先する観点から、適切に考慮しているものと承知しております。

真山勇一議員

 ここは凄く大事な点と言うか常識じゃ考えられない。つまり裁判官とか調停員って具体的な事例に基づいて色々な事を対応していくと思うんですよね。正にこう言う対応、だって写真普通だったら、そう言う写真を撮るのは止めてくださいって言うのは普通でしょう。それが写真を撮っても良いけど、2カ月に1度にしましょうってこれとんでもない。解決策じゃないですよ。時間になりました、すみません。これ大事なところなので、また改めて伺いたいと思います。有難うございました。






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