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令和6年5月7日 参議院法務委員会 清水貴之議員(日本維新の会)質疑

令和6年5月7日
参議院法務委員会
民法等の一部を改正する法律案(閣法第47号)
清水貴之議員(日本維新の会)質疑


清水貴之議員

日本維新の会の清水と申します。宜しくお願いいたします。本日貴重なお話を聞かせていただきましてありがとうございます。先ず初めに熊上参考人にどうぞよろしくお願いをいたします。実際に家裁で調査官をされていらっしゃったということですが、今回の法案の方、参議員でも審議にも入っておりまして、法務省や裁判所と議論を様々してますと、最終的にやっぱりなかなかきちっと決めるのが難しいでしょうから、様々なその事情に合わせて、ケースに合わせて、裁判所で適切に判断をしますみたいな答弁が多いわけですよね。実際にはそうなるだろうなというのは勿論想像するわけなんですが、ただそこに至るまでの過程で例えばDVがあったか、なかったのか。どういう状況だったのかとかですね、これが本当に適切に判断できるのかどうか、もしくは子どもの意見をしっかり聞いて、子どもの判断、意見を聞く、聞くのがいいのかどうかって議論もありましたけども、子どもの利益を考えてみたいな話があった場合に、それをどうやって例えば子どもから話を聞く場合に、どう適切に聞いてそれをどう判断していくのかとかですね。こういったことが果たして具体的にしかも適切に裁判所として可能なものかどうかっていうそういった不安がきっとですね残っているなというのを、なので全てを任せきれないと言いますか、なんですかね、賛成されてる方も反対されてる方も、非常に不安が残ったまま進んでいるような気がしているんですけども、実際に現場にいらっしゃってその辺りというのはどう考えられますでしょうか?
 
熊上参考人
 
どうしても家庭裁判所の調査官双方の話も聞くわけなんですけども、一方の方と、一方の方と言ってることがまるっきり違うということになります。それはそれで二つの、違う世界があるんだなと。こんだけ隔たりがあるんだなっていう事は、きちんとまとめることが出来るのかなと思います。ただ不安な点として思うのは、例えばなんですけども、例えばDVがあったと片方が言った時に、いやそれは違うんじゃないかとか、そういう所謂そういう話になった時に、そのDVが認められるのかっていう不安をDVを受けた側の方々は非常に心配なるんじゃないかなというふうに思いを持っていると思います。その結果例えば親権とかですね、監護の問題で、何か負担のある決定をさせるとなると、その後が問題なんですね。家庭裁判所で決定して終わりじゃなくて、その後例えば面会交流とかであれば、子どもが3歳の時に面会交流、これってあと10年以上続くわけなんですね。不安を抱えたまま続けなければいけない。何か裁判手続きの中の不安というのを考えるんじゃなくて、その後例えば子どもが3歳だったその後十数年の不安まで裁判所はわかってくれるのかという事なんですね。例えば面会交流支援団体にいくつか訪問させていただいて、家庭裁判所で決まったんですと、もう辛かったんですけど、決まっちゃいましたと、凄い不安な顔で子どもを連れてきて、もう顔も見ない、車も見ないようにって言ってですね、置いてってっていうそういう事がですね、続くわけなんですね、5年10年ですね、これが消えないんですよ、中々。消えないんですよ、不安というのは。一時的な紛争時とか調停時だけの不安だけではなく、その子どもが成人する迄の不安、ここまでですね、きちんと考えなければいけないかなというふうに思ってますので、家裁の調査官、あるいは家裁の職員としてはですね、としてもですね、ただ決定時だけではなくて、その後の子どもたち、あるいは関係者がですね、不安に思わないような、不安を軽減できるような、そういった事をしなければいけないというふうに思っております。
 
清水貴之議員
 
そこで必ずやっぱりあの家裁の体制はどうなんだという、人員は足りてるのかなという形でてくるんです。そのあたりについては。
 
熊上参考人
 
小規模な裁判所に勤めた事もあるんですけども、そういうところではあります。裁判官が刑事、民事、家事、少年と全部担当してますし、調査官ももちろん両方やってますし、なかなか次の調停が出来ないという本当に増員というのは常に求めてるんですけども。例えば成年後見なんていう制度があって、ほとんど増えてないですね。ですので未配置のところもありますので、そこはしっかり手当をしなきゃいけないと思ってるんですけども、なんか本当に今までの事を考えると出来るのかなという不安は非常に強いです。
 
清水貴之議員
 
はい、ありがとうございます。続いて鈴木参考にお願いいたします。今回のいただいた資料でも、テーマが我が子と引き裂かれる母親たちということで、女性の側にこう視点を当ててですね、特に女性の方に視点を当てて資料を作ってお話をいただいてという事でなんですけども、先ずそのなんですかね、思いといいますか、女性をクローズアップしてというのは、なぜ今鈴木参考人が特に重要視して取り組んでらっしゃるのかというまずお話いただけますでしょうか。

鈴木参考人
 
ご質問ありがとうございます。私女性の暮らしについて、民俗学的に研究をしてきたというそういう経緯もございます。さらに我が子と引き離される母親というのは、子どもと会えない人たちの中でもより弱い立場に置かれております。子どもと同居している母親の場合であれば、子どもが居る事によって精神的にDVを受けていても安定することができると思いますけれども、より困難な状況に置かれている人たちの研究が全体として男性の方の研究もないんですけれども、その中で私は特に女性の問題について改めて捉えたいと思いました。
 
清水貴之議員
 
あと言及いただいた中で、共同養育計画の重要性というのをお話をいただきました。実際、やはりこれは協議離婚、なかなか裁判離婚になってしまうとなかなか結構協議していくと言うのも難しいのかもしれませんが、協議離婚なんかの場合でしたら、しっかりと計画を立ててっていうのは重要だと思うんですけども、実際にどこまでこれができていくのかというのも考えなくては、いけないかなと思いますしどういった形でこれを作っていくのが一番有効性が高いというふうにふうに思われているかなというところをお聞かせいただければと。
 
鈴木参考人
 
ありがとうございます。どのように作っていくのかおそらく本来であれば裁判の中で、きちんと決めていくという事の方が、立ち合いがいるのでやりやすいのではないかなというふうに思っております。逆に言えば協議の場合ですと、どこでそれをまたちゃんとチェックしてくれるのかっていう、そういう義務ではないので、そういう点でやはり難しい点はあると思いますけれども、今まで皆さんのお話もありますように、できればそういう点で行政に関わって、きちんと何かガイドライン的なものであったり、そういうものを作る体制を作っていただけたらいいのではないかなというふうに思っております。
 
清水貴之議員
 
浜田さんにお願いいたします。今の点に関連してなんですが、共同養育計画ですね。実際に裁判などの現場でこれがある事。もしくはないない場合との、このその後の面会交流であったり、親子交流であったりとか、養育費の話であったりとか、どう変わってくるかどうかというのでまた、今お話鈴木参考人からもありました通り、どう作っていくのか、行政がどう関わってというところもですね、実際に作るだけでは駄目で、しっかりそれがやっぱ機能しなければいけないと思うんで、昨日をさせていくためにはどうしたらいいかとか、そのあたりもお聞かせいただけたらというふうに思います。
 
浜田参考人
 
ご質問ありがとうございます。現状ではですね、共同養育計画なるものがなかなか難しい、これはやっぱり、その紛争当事者である親御さんに双方がそうでありながら、まぁでも子どものことは別だよねと申しますかね、子どもの方だけ、話はこれとは切り離してやろうという最低限のそこについての合意がなければ、なかなか難しいというところだと思います。そこを推し進めていくためには、もちろん裁判所からの投げかけもあり得ますけれども、親御さんそれぞれについた代理人弁護士が、その共同養育計画の重要性という事をきちんと理解をした上で、自らの依頼者にこれちゃんとやろうよと、大事な事じゃんって言っていくという事が、多分我々に課せられた使命なんだろうなと、こういったところで少しずつ拡げられていけるといいんではないのかなと考えます。以上です。
 
清水貴之議員
 
鈴木参考人、家庭裁判所に対しまして、透明化といいますか、中で決められている事などを、もう少しですねクリアにしてもらえたらなというご意見もあったかというふうに思いますが、そのあたりについては、お聞かせいただけますか。
 
鈴木参考人
 
ありがとうございます。家庭裁判所は元々調停の場でその中でブラックボックスという事が言われておりまして、更にそれが2004年の地方制度改革で人事訴訟、離婚訴訟が地裁から家裁になった事によって、より不透明になっていったというふうに私は感じております。ですので今私達が知ることができるのは当事者の証言、もしくは司法統計に出ている数字だけになります。でもそれだけではやはりわからない事が多い。なので、こうした民法改正に繋がるような不満であるとか、そういったものが吹き出てきたのではないかと思っております。ですのでプライベートな場であるという事で、中々情報を得ることは出来ないんですけれども、今回私がこの父母別の統計を最高裁からいただけたように、より詳細な数字だけでもいいので出していただけるような、そういう状態を何とか作り出していただけないかなというふうに思っております。以上です。
 
清水貴之議員
 
浜田参考にこの辺り予測可能性という言葉でお話されていたかなとも思うんですけども、これも実務をされていまして、そのあたりが明確になっていった方が、当然やりやすいと言いますか、いろいろ依頼者の方とお話しながら進めていかれると思うんですけども、やりやすいなという思いがあってという事で宜しいでしょうか?
 
浜田参考人
 
質問ありがとうございます。仰る通りでございまして、もちろん最終的に一切の事情を踏まえて、判断するというのはもう、それ勿論その通りだと思うわけです。ただ、こういった時には概ねこうなりそうだよねというところまでが、何の予測もつきませんとですね、裁判所に持ち込んだ方がいいのか、ちょっと無理してでも当時者協議でやった方がいいのかといったところの戦略を立てるところにも影響してくる訳でございます。ですので、そういった意味で言うと裁判所がきっとこう考えるんだよ、この法律の趣旨はこういうところにあるんだよと言うところを明確にお示し頂く事が、私の申し上げた希望のところでございます。以上です。
 
清水貴之議員
 
浜田参考人、もう一点お願いします。例えばそういった場合の親権の回復みたいな、今は単独親権ですけども、今度共同親権可能となって、単独親権で別居親の方がですね、今度共同親権を希望するという事で裁判所にという話が出てくるかと思います。そうした場合に、どうしたら回復できるのか、どうしたら共同親権になれるのかというのが、このあたりもある程度やっぱり指針があった方が例えばですけども、一生懸命ですね面会交流の回数をしっかり守って、例えば養育費はしっかり払い続けてとかですね、真面目にちゃんとやってる人と、そうでない、でも残念ながらですね、そういった履行をちゃんと出来てない人と、これは差がつくべきとも思うんですけども、この辺りを基準とかいう事に関してどう思われますか。
 
浜田参考人
 
大変難しいところだという事でございましょう。結局のところ、先ずはその親として成すべき事、それは親権者としてじゃなくて親として成すべき事。今、委員がご指摘の養育費や面会交流もそうでしょうし、その子どもの養育に出来る限りのところで、きちんと関わるといったところ。今までの実績ももちろん考慮される事になるんだろうと思います。家庭裁判所の判断って言うのは良くも悪くもその将来を予測するのは、今まであったものを見て、この先どうするのが良いのかっていう、難しい判断を迫られるところがございますので、ここはもう必ずしも明確にはならないのかもしれません。ただ、そういった時にもですね、概ねこんなんだったら、まだ基本的には共同と考えましょうとか、基本的には単独と考えましょうとか、大枠がわかっているとですね、戦略も立てやすいという事は繰り返しになりますが、申し上げておきたいと思います。
 
清水貴之議員
 
ありがとうございます。水野さんの方にお願いをいたします。子の意見の尊重のお話をいただきまして、先ほどの熊上参考人にも聞きしたんですけども、水野参考人ご自身はなかなか例えば、親を選ばせるとかそういうのきちっとした非常に深刻な判断を子どもに求めるのは、中々厳しいんじゃないかという事を、ご意見だったのをお伺いしました。ただこれは、先ほどお話もありましたけども、子どもの傾向とか、思いとかっていうのは尊重してもいいのかなとも思います。ただこれも難しいなと思うんです、子どもですから、親の意見に非常に左右されてしまうでしょうし、本心をねどう掴んでいくかという
のが、本当に難しいなとも思うんですが、この辺りの法制審、あの水野参考人のご意見もそうですし、法制審などでどういった議論があったかなどもしあれば教えていただけたらと思います。
 
水野参考人
 
ご質問ありがとうございます。子どもの意見表明権につきましては、確かにだいぶ激論をいたしました。反対する、つまり子どもに決めさせるっていう事について反対をしたものは私だけではございませんでしたが、日弁連の委員でやはり先ほど議員の方からもご指摘がありました、児童の権利条約などを根拠に、やはり子どもの意見聞くべきではないかという事を強く主張される委員もいらっしゃいました。ですから、そこは大きな対立点であったことは確かでございます。でも私フランス法の文献などを読んでおりますけれども、この児童の権利条約の子どもの意見表明権をこの場面で使う事を、つまり両親のどちらを選ばせるかっていう事については、絶対に反対であると、ここでそれを用いるのは、とんでもない残酷な事であるという点では議論をほぼ一致しております。ただでさえ非常に難しい判断でございます。家庭裁判所にとって、裁判官たちが慣れておりますのは過去の裁断ですが、子どもの将来を決めるのは、将来の予測になります。これ非常に難しい判断だと思います。そこでもし子どもの意見表明権みたいな事が条文に書き込まれてしまいますと、一番簡単な結論に外飛びつくのではないかと、あなたはどちらの親がいいですか?ああそうですか、という事になってしまい兼ねないと思います。それはものすごく危険なことだと私は思いました。子どもの福祉っていうのが、きっとあの議員もそう思われるでしょうけれども、一番大切な法益でございます。そのためには、子どもの状況を先ほどから色々いろんなご意見がありますように、注意深く見なくてはならないし、虐待をされているような子どもについてはやはりあの社会が関与して救出しなくてはならない。そしてそのような領域にかけている日本の予算、国家予算が先進諸国の中では非常に少ないという事も確かだと思います。高齢者の方はかなり行き届いてまいりましたけれども、育児中にかける予算は非常に少い。そういうところで司法の場に条文を一つ書いて解決するという問題ではないのだと私は思っております。周囲を固め、そして単純な原則を作るという事ではこの問題は解決しないので考えておりますありがとうございました。
 
清水貴之議員
 
はい、ありがとうございました。以上です。
 

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