2021年3月16日参議員法務委員会 真山勇一議員質疑 共同親権について
2021年3月16日
参議員法務委員会 真山勇一議員質疑
共同親権について(01:02:10-01:17:05)
真山勇一議員
それからもう一つ家族の関係で言うと、今比較的論議になっておりますのが、親子の関係と言う事ですね。家族の複雑化、多様化の中で家族の形と言うのもどんどん本当に変わってきています。夫婦の形も変わってくるし、親子関係も変わってくる。今、離婚も3組に1組が離婚をすると言う時代になっていて、勿論子どもがいる夫婦もいる訳です。親の離婚後にですね、別居した親、片方の親との交流が今大きく制限をされているのが、我が国の現状だと言うふうに言われております。面会交流が中々思うように出来ないと言う声がありますけれども、子どもの権利条約、これもまた国際条約になりますが、子どもの権利条約でも、これに著しく反しているのではないか、やはり国連からの勧告を受けています。これについては上川大臣はどう受け止めていらっしゃいますか?
上川法務大臣
この児童の権利条約でありますが、父母の離婚後の子の養育に在り方につきまして具体的な基準を必ずしも示している訳ではございませんので、どの程度の頻度で面会交流を行うとか、そういった事が子どもの利益にかなうのかと言う事については個別具体的な事案ごとに異なるものと考えられる訳でございますが、我が国の現状が児童の権利条約に違反していると言うようなご指摘があると言う事については承知をしているところで御座います。国連の児童の権利委員会からは平成31年2月に父母による児童の共同養育を実現するため離婚後の親子関係について定めた法令を改正する事、また子どもと離れて暮らしている親と子どもとの定期的な人的関係及び直接の接触を維持する事などを、確保すべきであるとの勧告がなされたところで御座います。我が国の親子法制につきましては、制度面、及び運用面いずれにつきましても子どもの利益の観点から、必ずしも十分なものとなっていないとの指摘もされているところで御座いまして、この勧告もこのような指摘も踏まえて行われたものと理解をしております。私自身真摯に受け止めさせていただいております。
真山勇一議員
離婚後の親権制度の比較と言う表です。これは法務省がこういう事に関して調査を行った調査結果をいただいて、私の方で加工と言うか見やすいようにしたものがこの表であります。見ていただけるとお分かりのように、左側の赤い法が単独親権しか選択肢が無いと言う国は日本、インド、トルコ。そして青色の方、共同親権も認められていると言う国は殆どこちらの、24カ国を調査した分類したものなんですけれども、これだけ違いがある訳ですね。単独親権しか選択肢がないと言う事なんですけれども、ハーグ条約で、大臣のところにEUからですね手紙が来た。抗議の手紙と言うか、それとも改善してくれと言う手紙なのか、そういう手紙が来ました。それに対して大臣も返信もされています。EUからこうした手紙を受けたと言う事をですね、直接やはり、こういう事を言われたと言う事について、大臣はやはり、どんなふうに思われたか聞かせてください。
上川法務大臣
昨年の7月に欧州議会におきまして、日本の子の連れ去りに関する決議と言う形で父母の離婚後の親権制度、また子どもの連れ去りの事案、また面会交流に関する決議が採択された事につきましては承知をしております。またその事について、私自身注意深くご意見の内容についても、受け止めさせていただいているところでございます。我が国における父母の離婚に伴う法制度につきましては、こうした欧州議会で示されているものも含めまして、国内のみならず、海外にも様々なご意見があると言う事でございます。例えばその中で、我が国におきまして、父母の一方が無断で子を連れて別居をした場合に、子を取り返すための法的手続きがないなどと言った、こうしたご指摘も御座いますが、一部にはですね、制度そのもののご理解と言うものについて十分ではないなと思う点も御座いまして、今回のこうした事を受けて、大臣所信におきましても、我が国の制度について保護司もそうでありますが、出来るだけ正確な情報を積極的に海外内外に向けまして、広報していく必要があるのではないかと言う事を改めて強く認識したところで御座います。ご指摘に対する意見に対しましても、この我が国の法制度について正確な理解を得られるように、引き続き丁寧に説明を行うと言う事で、誤解などがあってはいけないと言うふうに思っておりますので、こういった事につきましては外務省としっかりと協力をしながら、積極的な周知等も務めて参りたいと言うふうに思っております。また法制度面での検討についてでありますが、今後法制審議会の議論に委ねられると言う事でございまして、国内外にある様々なお声も参考にしていただきながら、充実した調査審議が進められるように、期待をしております。
真山勇一議員
大臣は子どもの目線に立ってと言う事で、チルドレン・ファーストと言う事を仰っております。単独親権と言うのは、子どもから一方の親を引き離してしまうと言う現状を生んでいる。それが結果、大変残念ながら、夫婦の分断と言う事も起きてしまってきている訳ですね。やはりあの子どもにとって、子どもから見ればですね、やっぱり最善の福祉とか幸せと言うのが、どういうものかと言う事を考えるべきだと思うんですね。やはり親権の問題と言うのは何か子どもの視点が無くて、夫婦の問題と言うふうにしか捉えられていない。私はやはりチルドレン・ファーストと言うのは大事な事だと言う風に思うんです。特に私は、離婚をしたって上手くやっている夫婦もある。或いは不幸にして絶対によりは戻らないと言う夫婦もいるかもしれない。まぁ色々ですけれども、子どもにとってどうなのかと言う事を考える事が大事だと思うんですけれども、大臣が考えておられる、このチルドレン・ファーストと言うのはどう言うものなんでしょうか。
上川法務大臣
子どもの利益、子どもの利益を確保すると言う観点、子どもの利益を最優先にしていくと言う観点で、チルドレン・ファースト。そしてその健やかな成長をしっかりと、離婚後であったとしても親がサポートしていくと言うか、しっかりと関わっていくと言う事が大事ではないかと言うふうに思っております。あくまで子どもが当事者と言う事で御座いまして、そしてその子どもの目線、子どもの意見、心の叫び、こういった事についての目線を大事にしながら、その子の健やかな育ちをしっかりと支えていくと言う事が極めて大事であると言うふうに認識しております。離婚及びこれに関する制度の見直しにつきましては、本年2月10日にですね、先ほど申し上げた通りで御座いますが、法制審議会に対して諮問をさせていただきました。法制審議会におきましては、父母の離婚に伴いまして、子どもがどのように生活して、またどのように成長をしていく事が、子にとっての最善の利益になるのかと言う観点から、様々な議論がなされていくものと承知をしておりまして、繰り返しで御座いますが、子どもの視点と言うものに立った、幅広い充実した調査審議が行われる事を期待を致しております。
真山勇一議員
子どもが居る夫婦がですね、海外、例えばアメリカで離婚をしますね。向こうで離婚の手続きを裁判所でやってくる訳ですね。で、帰国をします。そうすると夫々の戸籍がですね、子どもの親権と言う欄があるんですけれども、普通日本だったら父か母が単独親権ですから、そう言うふうにしか書いていない訳ですね。ですけれども、この海外で離婚をして帰国した方の戸籍を私見せていただいて、以前もここでご紹介をしたんですけれども、それを見るとですね、親権に父母と書かれているんですね。これ父母と言う事はつまり共同親権だよと言ってる事だと思うんですね。だから日本の戸籍に共同親権がある。日本は法律で単独親権しか認められていないかも知れないけれども、戸籍に父母と、共同親権と記された人が居ると言う事。これ大臣ご存じだと思うんですけれども、単独親権しか認められていないのに、共同親権がこうして存在していると言う事。これについて、どう思われますか。
小出民事局長
委員ご指摘の通り、外国の裁判所の確定した裁判によりまして、父母の離婚後の親権が共同親権とされている場合で、且つその裁判が民事訴訟法第118条各号に捧げる要件の全てを具備する時には、その外国の裁判の効力、これ我が国においても承認をされると言う事でございまして、これ離婚後単独親権を定めている我が国においても、このような場合には離婚後の共同親権が存在することについては委員ご指摘の通りだと言うふうに考えております。
真山勇一議員
存在していると言う事は、その様に対応をしていくのかなという風に思っているんですけれども、単独親権と言う事でですね、先ほどの表で見ていただければお分かりのように、日本は単独親権しか選択がない、海外では共同親権も認められてると言う事なんですよね。つまり共同親権か、単独親権かと言う事があって、場合によっては、親がそのどちらかの親が問題あったり、例えばDVがあったり、犯罪に子どもを巻き込む危険性があるとか、色々な事があれば、親として不適格だと言う事で親権剥奪される事もある訳です。共同親権ではない訳ですね、単独親権も有り得ると言う。日本もですね、家族の多様性、選択的夫婦別姓と同じようにですね、やはり親権を選択できる、つまり単独親権か共同親権かと言う二者択一ではなくて、選択的親権制度。場合によっては単独、場合によっては共同と言う事も有り得ると言うこう言う考え方あると思うんですが、大臣はどういうふうに思われますか。
上川法務大臣
父母の離婚後の親権制度につきましては、諸外国におきまして、共同親権と単独親権の選択を認める制度が採用されている例があると承知をしております。そして現行民法が採用をしている離婚後の単独親権制度の見直しの是非につきましては、子の離婚に伴う、子の養育の在り方に関わる課題の一つと考えております。もっともこの問題につきましては、離婚後も父母の双方が子どもの養育の責任を負うべきであるとして、所謂共同親権制度を導入すべきと言う意見がある一方で、これを導入すれば離婚後に子どもの養育に関する事項に必要な判断が適時に得る事が出来なくなるなどの慎重な意見も御座います。今回子どもの利益を確保すると言う観点から、父母の離婚に伴いまして、子がどのように生活をし、そして成長をしていく事が望ましいかと言う、子の養育の在り方について幅広く検討を行う必要があると言うふうに考えております。検討の具体的な内容と言う事で、ご提言をいただきました内容、選択的と言う内容で御座いますが、法制審議会の議論の展開に委ねられると言う事で御座いまして、私は重ねて子どもの目線に立って、実態に即した具体的な検討が行われる事を期待をしているところで御座います。
真山勇一議員
そういう意味で、大臣が先日諮問された今度の法制審議会と言うのは注目をされると言うふうに思います。子どもの問題と言うのは養育費の事もありますし、それから所謂面会交流。私達は面会ではなくて親子交流と言う方が心が通っていて良いんじゃないかと言うふうに思っているんですけど、親権だけじゃないと思うんです。そうした様々な親子を巡る問題、これ是非法制審議会でしっかり検討をしていただきたいのと、それからこれ選べる、単独親権か共同親権かとそう言う事で迫るんじゃなくて、やっぱり色々状況に合わせて共同親権も選べる、単独親権も選べるにする事も出来ると言う、こう言う制度も一つやはり大事な事だと思いますので、大臣が仰ったようにですね、法制審議会是非こういう事も含めて、しっかりと議論していただきたいと言う事をお願いして、私の質問を終わります。有難うございました。
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