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護られなかった者たちへ

日が暮れるのが早くなりましたね。

秋の夜長には何がお薦めですか? 映画?読書?

私は、映画化された作品を本で読むのが好きです。

きっと面白いに決まってる。はずれはないだろう、と。

今回は、中山七里さんの『護られなかった者たちへ』を紹介します。

あらすじ

舞台は、東日本大災害が記憶に残る仙台市。復興に向けて人々が懸命に暮らす最中、その殺人事件は発生します。死因は、餓死。拘束されたまま、餓え死にさせられるというなんとも残虐な殺害方法。事件の被害者は、人からの悪い噂など皆無の公務員。なぜ、この公務員がこんな怨念を晴らすような仕打ちを受けたのか・・。物語は、事件を担当する刑事が捜査する流れで進みます。災害と復興の狭間に置き忘れられた弱者の怨嗟の声。その声は、護られなかった者の想いとして悲しい連鎖を生み出す。


フィクションなんですが、すべてがフィクションだとが思えない作品になっています。通常【ミステリー】は、犯人が分かってスッキリ!となりますが、こちらは読み終わって犯人が分かってもすっきりとしないモヤモヤが残ります。このモヤモヤは、この物語が被災と貧困という現代社会をテーマに扱った作品だから。そのため、犯人の私怨と刑事の責務の両方の気持ちから読み進められる珍しいミステリーではないでしょうか。

ただ、犯人の予想は当たらずとも遠からずでした。惜しい‼️

初めて読む作家さんでしたが、う~ん、負けました。

他の作品もおかわりさせて頂きます。




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