日本農業新聞コラム④ 「意外と便利」志し起業
松江市での地域おこし協力隊3年目。
狩猟免許の取得と並行して市役所の職員さんにお願いして、有害鳥獣捕獲の確認に同行させてもらい、市内全域の猟師さんとお会いしました。
有害鳥獣の捕獲にかかる負担が年々増えていることについては、捕獲・解体・残さ処理の現場に立ち会って身をもって感じていました。
また「捕獲」はあくまで対症療法に過ぎません。
鳥獣被害対策に対して広い視野を持ち、農業従事者と捕獲者の間をつなぐ存在が必要だということを痛感していました。
それなら「私たちがその存在になろう!」と農水省主催の「鳥獣被害対策コーディネーター育成研修」を受講しました。
鳥獣被害対策の問題で成果を出すには、最低10年はかかる覚悟です。
それでもやりたいと思うことが見つかった。
やるべきことも多くある。
では、どうしたらやり続けることができるか?
それは、これまで無かったことを事業として持続していくことでした。
2018年11月29日、同期と「合同会社弐百円」を創設。
会社を起こすことも仕事を創り出すことも初めてで、分からないことだらけでしたが、地元経営者の先輩や支援機関、行政の方に助言をいただきながら、無事に創業できました。
「変わった会社名ですね」と、よく言われます。
社名を聞き返されることも多く、最初は少し恥ずかしくもありました。
初めて会う方には、100%名前の由来を聞かれます。
弐百円のロゴマークは架空の200円玉をイメージしていますが、200円玉って必要不可欠な存在ではないと思うのです。
でも、あったら意外と便利かもしれない・・・
地域にとって「主役」というより、いると意外と便利で親しみやすい存在であればいいな、という思いを込めています。
実は他にも理由があるのですが…これはまたの機会にします。
「合同会社弐百円」と名乗り続けてもうすぐ3年。
周りの方にの親しみを込めて呼んでもらえるようになり、今ではとても気に入っています。
―――日本農業新聞2021年11月25日(木)掲載
※許可をいただいてます
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