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生きる#36 わたしがやってることの意味

つぶやきです。

例年、有害鳥獣捕獲されるイノシシは、8月くらいがピークに多くなります。
毎日毎日加工場に来て、多い日は1日に5頭受け入れたこともあります。

それが、今年3月に『豚熱』という感染症がうちの市のイノシシからも発見され、イノシシの動きに変化も出てきました。

私たちも、できるだけ感染を広げないよう、ルールに則って検査をし、陰性の個体のみ流通にまわします。
(陽性が出ると焼却処分になります)
全ては、養豚場を守るためです。

野生動物に伝染病が流行るのも自然の摂理。
イノシシの数は一時的に減ります。

鳥獣被害が減るからラッキーなのか?

だったら何もしなくていいんじゃないか?

そもそもビジネスチャンスが無くなるなら、手を引く方が賢明なのでは?

この事業自体、引くに引けなくなって、わたしのエゴで進めていないか?

あたまの中をぐるぐるとまわります。

一方で
「対策の手を緩めると数年後にリバウンドが来る」
という専門家の意見。

「もうこの機会に狩猟自体を辞めてしまおうか」
という先輩猟師の言葉。

今辞めてしまうと、5年後、10年後どうなるんだろう?

そもそもわたし1人が考えたところで、何かが変わるんだろうか?

自然界においての人間は、無力な存在だということは身をもって感じてきたでしょう?

もう一人の自分が語りかけます。


この3年で、お世話になったベテラン猟師さんや施設に関わる方が病に倒れたり、亡くなられたり。

この世界に足を踏み入れる時に抱いた危機感が、ここに来てスピードを早めて大きくなっているように感じます。

スタートアップの世界は、叶えたい未来を描き、それを熱く語ります。

一方で、現場に入ると、目の前の現実を突き付けられます。

それでもやるか?

何度も自分に問いかけ、少し揺らぎそうになった時、浮かぶのは目の前のことに真っ直ぐな人達の顔です。

イノシシを上手に捕る人
美味しい猪肉をつくる人
美味しく料理するために工夫する人
美味しいということを全力で伝えてくれる人

汗水垂らして農作物を作る人
農家さんの負担を減らすために支援する人
イノシシの研究を続ける人

これらのことに共感してくれる人

「これ、結局意味ある?」

どんな仕事をしてても一度は考えることかもしれません。

でも、意味があるからやるんじゃなく、
やったからこそ、後で意味が分かるのかも。

物事を俯瞰して見れるようになりたいと思ってきたけど、
目の前のことを真っ直ぐ、盲目的にやってる人達のかっこよさを目の当たりにしてる。

わたしもまだ、意味が見い出せないからこそ、やれることを真っ直ぐにやってみます。

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