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読書生活

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2021年5月の記事一覧

言語学からのヒント

以下はカントの「純粋理性批判」からの引用です。難しいのですが、ちょっと読んでみます。 「無限で一切を包括する全体としての空間と時間は、アプリオリな直感であって、このアプリオリな直感は空間と時間内の特定の対象を、認識する条件であり、その認識に先立つものである。」 ❓❓❓ はて。これは一体、何を言ってるのでしょうか? カントを読もうとして挫折してしまう人が多いのは仕方がありません。私もそうでした。 自分で読めないのならしょうがない。誰かわかりやすく解説してくれる人はいない

トリックだらけの言語学

この前の哲学ワークショップの時に大学で言語学を専攻した経験のある男性が参加してくださっていました。 私の講義も言語学にチラッと触れる内容でしたので、その方からのフォロー解説をいただいたのですが…。 とにかく。 言葉・言語というのは非常に厄介なものなのです。 ダーウィンの進化論で人類がおよそいつ誕生したかはそれなりにわかったみたいなのですが、言葉・言語がいつ生まれたか。これについてはさっぱりわからない、手がかりがないみたいなのです。 言語の起源について研究を進めると、

初めての哲学ワークショップ終了

5月29日、思想・哲学のワークショップを行いました。 哲学とは。 そこで一体どんなことが問題にされて来て、どんな議論が行われて来たか? そもそも思想・哲学を勉強する意味ってどこにあるのか。 それを読んで、一体、何が面白いのか? それが少しでも伝わればいいなと思って。 ぶっ通しで喋らせていただきました。 あっという間の2時間でした。 エドムンド・フッサール。 この、あまり名前の知られていない一人の哲学者。 フッサールの哲学。 現象学という考え方。 まさしくこの一

ウェイン・ダイアー「自分の中に奇跡を起こす」

1990年代に著者のウェイン・ダイアーの本は全米で大ベストセラーになり、年間売り上げランキングのトップ10にダイアーの著作が何冊もランクインするという事態が起こりました。 アメリカという国はとても不思議な国だと思います。 先進国であり科学が発達した最先端の国であるはずなのに、その反面でピンクフロイドのアルバムが何百万枚も売れたり、アメリカの代表的女優シャーリー・マクレーンが神秘体験を告白した本をリリースしても叩かれるどころかそれも何百万部を売り上げる大ベストセラーになると

学問とオカルトの線引き

小学校・中学校で習う理科の法則に「パスカルの原理」というのがありました。その他にも台風の大きさを示すヘクトパスカルというのもありますが、これはどちらもブーレーズ・パスカルという偉大な学者が確立したものです。 言うまでもなくパスカルの法則は学校で教えられる歴とした学問です。 しかし、そのパスカルが途中から物理学の世界を引退して別分野に移行したことはあまり知られていません。大科学者だったブーレーズ・パスカルはある出来事をきっかけに数学・物理学のフィールドを去り、まったく別の研

「そもそも論」からの哲学入門

哲学の世界は当たり前ですが広くて、一体何をどこから勉強したらいいのかさっぱりわからないというのが大多数の人の本音ではないかと思います。もちろん私もそうでした。 例えばですが、多度津町にある哲学カフェの哲学屋さんでは、ホームページを拝見すると、よく勉強会を開催されているようで、そこではデリダやフーコーの哲学を取り上げていらっしゃいます。 しかし、そもそもデリダやフーコーって誰よ?という、そもそものところから教えてほしいという方もきっといると思いますので。koko書房では、今