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「戦メリ」のイントロにこんなのがある


歌付き版のほうです。それも1987年の新録音盤。



面白いイントロのイントロなので、分析してみます。

調性がよくわからないので、ドレミ(移動ド記法)ではなくABC(固定ド記法)を使ってみると…

うーんどう解したらいいんでしょう。増四度音程があるので色付け(紫色)すると、どうか。


それから調性を探るのではなく、白鍵と黒鍵がどう絡んでいるのかを見ていくと、なにやら見えてくる気がします。

ドレミ表記にしてみると…


シ ↘ ラ♭↘ ド ↗ ミ♭↗ ラ♭ ↗ レ… なんなんでしょうねこの音列。

和声的短音階を下降、上昇か。ラ♭と レ で増四度音程、不安げな響き。

続く ド・ファ♯・ド♯・レ・シ は、どう考えても調不明です。おそらく前の小節にあった「ラ♭」がずり下がって「ファ♯」になって、それといっしょに「ミ♭」も「ド♯」にずり下がって、ほかの音は白鍵からてきとーに選んできたというところではないかと愚考いたします。

増四度音程がトップにあったのが、続く小節ではボトムに移り、それとともに「ラ♭・ミ♭」が「ファ♯・ド♯」にずり下がり、後は白鍵の音をてきとーにちりばめて、調性のあいまいな和音を作ったと、そんなところだと想像します。


続く小節についても、増四度探しをやってみませう。

終わりの小節で、なんか着地感があるのは、増四度音程が消えているからと思われます。

ああそれから、ここで鳴っている音はすべてD♭長調の音です。「戦メリ」の調です。ちらっとここで匂わせているのですね「戦メリ」につながるよ後でみたいな。

続きいきます。固定ド表記してみたのですが、どうもピンとこないので…


いつもの移動ド表記にすると…


この採譜者さんは  F△7 → Gsus4/C → G/C → G と解釈していらっしゃいますが、私はというと、Cつまりトニック和音は絶対鳴らさないぞ鳴ってるように聞こえても実は違うんだぞーと逸らし続ける和声進行とみます。

F と G の和音をあの手この手でいじって、ときには ボトムの音が「ド」になって C に聞こえるけれどちゃうねんでーと滑走路に着地ぎりぎりで滑空し続ける、そんな和声進行


続きいきます。


ここに増四度音程めっけ。

しかし「ソ」は鳴らない。「ソ」のないドミナント和音というのが巧い。この後 Em7 に進んで(というか戻って)さらに「シ」が「シ♭」に半音下降してGm に進んで四度上のF長調に転調

滑走路すれすれを滑空し続けて、ここで上昇をかける感じ。ドレミを付けてみると… レ・ファ・ラ和音 with ミ&ソ かな。レミファソラ音列。


次でイントロのイントロの最終小節。D♭長調になってます。これで続くイントロにスムーズに続いていく。なにしろどちらもD♭長調のサブドミ和音。七音階のうち「シ」は外して残り六つすべてを使ってくるあたりが実に R.S. 的。和音を連続音列でスムージングするの。


駆け足で以上、分析してみました。

次回で「04」収録版のほうの分析に戻るよ。


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