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ぼくは「戦場のメリークリスマス」をこうやって作曲した(その1)
「お前誰やねん?」と若い頃のダウンタウンにツッコまれそうなタイトルとともに、私の「戦メリ」分析連載の新章開幕です。
音楽に限ったことではないのですが、何かとびぬけた作品なり研究なり発明なり、とにかく「あんたどうやってこれ作ったんやー!!!」とひとを驚かせるものは、たいてい無計算によるものです。事前の計算が仮にあっても、次第にそこから逸れていって、想定外のものに育っていくことのほうが多い気がします。
まるで神が設計なされたかのように緻密で、端正で、無駄のないもの…「メリークリスマス・ミスターローレンス」はまさにそういう楽曲です。
この曲の組み立てについて、順に振りかえってみましょう。
基本はこの和音。
![](https://assets.st-note.com/img/1696842341613-E5iIbg5xlm.png)
龍一教授がどうしてこの和音を、映画「戦場のメリークリスマス」のサウンドトラックを貫く、メインテーマならぬメインハーモニーとして選んだのかについては、すでに語ったことなのでここでは省きますが…
![](https://assets.st-note.com/img/1696842971196-Y0M5wh1hvH.png)
この素朴といえば素朴な音の重ねあわせより、彼は二つのモチーフを造形しました。
ひとつ(Ⓐ)はこれ。
![](https://assets.st-note.com/img/1696843838294-Y4e7Ed0BNz.png)
ミ ↘ レ ↗ ミ ↗ ラ
![](https://assets.st-note.com/img/1696843904134-qLF2lQ5fEV.png)
もうひとつ(Ⓑ)はこれ。
![](https://assets.st-note.com/img/1696844027384-X0kTkOv765.png)
レ ↗ ミ ↘ レ ↘ ラ
![](https://assets.st-note.com/img/1696844195434-fszWiOspJl.png)
ひとつの和音から、上二つのモチーフが生まれていますね。
ひとつの和音というのは、先ほど見ていただいた、これ。
![](https://assets.st-note.com/img/1696844463880-ZBIBxb18nC.png)
ここから、ふたご(性別違い)が生まれたわけです。
![](https://assets.st-note.com/img/1696844524869-v3bARnjDj6.png)
![](https://assets.st-note.com/img/1696844533278-dz13bZpeQJ.png)
動画で再聴してみましょう。以下の和音が母胎となって…
こんなふたごさんが生まれてきました。
おお、「戦メリ」のイントロと、主旋律さんではありませんか、このふたり!
その2につづく
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