ランドリールームより

窓の前を黒猫が通る

マスカットのような碧色の瞳はいつしか絡みついた不幸を感じさせない

揺れるしっぽ
1つが2つに、2つが4つに

ようやく秋を感じさせる空で光るオリオン座
薫るは焦げた夏色か染まり始めた秋色か

ぴょんと跳んだ先には金木犀
ツンと触れる鼻先
秋が弾けたようにくしゃみを1つ
それにつられてくしゃみを2つ

右手で夏を
左手で秋を

夕焼け空で光る月

今度は瞳が月に見えた

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