新世界のあたま #348
ひきつづき夜な夜な音作りについて、考えては試してをくりかしている。
かれこれ1年くらい前から使いはじめたLogicという作曲ソフトに、Alchemyというシンセサイザーがある。ものすごく多機能で、これを使うためだけにLogicを買っても損はないと言われているようなものだが、なんとなく、とくに大した理由もなく、俺はこれをほとんど使っていなかった。
自分の作りたいと思う音を、今すでに手元にある環境のなかで、つまりこれ以上お金をかけずに作ろうと思って、Alchemyをいじって試していたところ、自分と親和性がものすごく高いことに気づいた。俺はこれまで宝を持ち腐れていたのだと思った。
作曲ソフトはだいたいどんなものでも、莫大な量の機能を持っていて、そのうちどれだけの機能を使うのかということは、人によってさまざまだ。親切に全機能に対して説明書があるわけじゃないので、今回のように自分との相性に気付く前にサードパーティ製のシンセソフトを導入するというケースも多くあると思うし、それで作曲者が満足するならそれでいい。
1年かかりはしたけど、Alchemyと俺との相性の良さに気付けた最大の理由は、俺がケチだったからだと思う。「こんなことがしたい」と思ったときに、それを叶えてくれるサードパーティ製のシフトはすでに見つけていた。ただ、「そこにお金使うのはちょっともったいない気もする…なんとか手持ちのもので同じようなもの作れないだろうか」という発想があったから、かろうじて持ち腐れずに済んだわけだった。
作曲ソフトに関していうと、だいたいのことはもともと入っている機能でなんとかできる。その状態を構築するのに一手間かかるところを、一気に叶えてくれる別の方法があって、それにはお金が必要だということだ。考え方によっては、構築する手間自体も自分の作品に対して、「これは俺が作った!」と思い込める要因にもなるし、逆に言えば有料のソフトでそれ叶ったときに「あれがなければ叶わなかった、ということは、俺に力よって作品ができたと言い切っていけないにかもしれない」と考えてしまうきっかけにもなりえる。
突き詰めると、パソコンごと自分で開発しなければならないということにもなるけど。
今日のMUSICTRICAL
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