髪は流るる水の如く -メイキング
#美しい髪
のハッシュにのっかり、みどりなす黒髪のおとめをひとり。
こちらは2016年作のオリジナル作品。
琳派っぽい雰囲気でオフィーリアっぽい絵を描きたい!
というふわっとしたノリで描いたものです。
「イラスト」を描くときはテーマや目的が先にあるのですが、
「こういう絵」が描きたいというときは頭がからっぽです。
たまにはそれでよい。
尾形光琳の「紅白梅図」をふんわりオマージュしています。
いつか対になるかんじで白梅verも描きたいですね。
黒髪ロングはシャーペンの線が存分に生かせてとても楽しい。
過去のメイキング記事にも綴ってありますが、このタイプの絵は
シャーペンでモノクロ画 → スキャン → Photoshopで彩色
という工程を経ています。
これだけ緻密に描いていると色を塗らないほうが映えるかも。
フォトショで下絵。今見ると雑すぎてびっくり。
ほんのり気持ち程度にパースを意識しています。
これを印刷してケント紙へトレースダウンします。
描き始め。下絵の時点でちゃんと作画していなかったので 探り探り。
複雑な形なので、アタリ線が消えないようところどころミリペンでくっきりさせています。
右側の髪がおおむね塗れたところ。
髪の全体がおおむね塗れたところ。
髪が終わったら服も塗り、全体の濃淡バランスを整えます。
(シャーペンの線は光を反射するので写真が撮りづらい…)
スキャンしたらフォトショへ移行。
調整レイヤーのカラーバランスやレベル補正で色味を整え(画像は調整前)
ようやく彩色作業へ入ります。
正直めっちゃ時間かかります。
なのでこういうのをお仕事で描くときは多少簡略化するか、
納期を長めにとっていただくか、報酬を上げていただくかで対応してます。
できれば報酬を上げてほしい。モチベも上がります。
まぁ最近は背景ありきのお仕事をいただくことが多いので、
あんまり髪の毛を描き込むことがないのですけれども。
上の作品を見ていただければわかるかと思いますが、
こうした緻密な線や濃淡を重ねるなら余白があるほうが映えるのです。
一度がっつり人物の顔ドーン!髪の毛ヴァー!!背景はまっしろ!!!
というお仕事もやってみたいですね。
大きいサイズを綺麗に見るならこちら↓
これと似た雰囲気で、彩色まで含めたメイキング記事↓
ちなみにこれ系でオーダーされた(今の所)唯一のお仕事が
著:青柳碧人 氏
『二人の推理は夢見がち』
こちらは茶髪の女性なのでまたちょっと雰囲気が違いますが
女性のスカートやストッキング、男性の服の黒っぽいところもシャーペンで塗り込んでいます。叙情的な雰囲気に…というオーダーでした。
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