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熱中症

熱中症とは?


熱中症とは、高温多湿な環境に、私たちの身体が適応できないことで生じるさまざまな症状の総称です。
消防庁によれば、全国で熱中症による令和4年度夏期5ヶ月間(5~9月)の救急搬送件数は71,029人、搬送時に亡くなられた方は80人に上ると報告されています。
年代別では高齢者が5割を超えています。
また、発生場所別では住居(敷地内を含む)が約4割を占めています。
次の症状が出たら、熱中症にかかっている危険性があります。

めまい、立ちくらみ、失神

 熱中症の代表的な初期症状として、めまい(目眩、眩暈)や立ちくらみ、一時的な失神があります。
熱失神とも呼ばれ、炎天下や暑い室内での長時間労働やスポーツなどにより
体内に熱がこもり、脳への血流が減ることと、脳そのものの温度が上昇することで引き起こされます。
こうした血流や血圧の変化が生じることで、顔面から血の気が失せ、めまいや立ちくらみ、一時的な失神といった熱失神の症状へとつながります。
呼吸の回数も増え、脈は速く弱くなり、唇のしびれなども見受けられます。
熱失神では、脳への血流が損なわれるために、一時的に気を失い、突然バタンと倒れるようなケースがよく見られます。

頭痛・吐き気

熱中症の中等症(意識障害がある場合には病院への搬送を必要とする)の症状の中には、頭痛や吐き気があります。
熱中症の初期症状として現れるめまい(目眩、眩暈)や立ちくらみ、一時的な失神の症状が進行すると、頭痛や吐き気、体のだるさ(倦怠感)の症状が現れることがあります。

メカニズム

天下や暑い室内で長時間労働やスポーツをすると、体温を下げようと大量に汗をかき、体内の水分・塩分が不足することで、血液の流れが悪くなります。それにより、熱中症の初期症状である、めまいや立ちくらみ、一時的な失神といった熱失神が現れることがあります。その状態で、適切に水分・塩分の補給や身体の冷却が行われないと、
脳や消化管、肝臓への血流低下や、それら重要臓器自体の温度上昇により、全身の倦怠感(だるさ)や頭痛、吐き気といった症状が現れてきます。

対処法

熱中症の初期症状であるめまいや立ちくらみなどの基本的な対処法として、まずは、意識がはっきりしているかを確認しましょう。意識が朦朧としているようであれば、迷わず医療機関へ。意識がはっきりしている場合は、次のような対処法を行いましょう。

1.安全で涼しいところへ移動させましょう

このとき、自分の足で歩ける状態でもめまいや立ちくらみ、一時的な失神によるふらつき・転倒に注意し、頭を打つなどの2次被害を防ぐために両側から2人で支えることが大切です。

2.横になって休ませましょう

足を10cm程度高くすることで、心臓への血流がよくなって血圧が上がり、脳への血流を改善させる効果が期待できます。

3.保冷剤やペットボトルなどにタオルやハンカチを巻いて、体を冷やしましょう

体表近くを走る静脈(太い血管)の通る首筋やわきの下などを冷やすのが効果的です。

4.水分補給を行いましょう

スポーツドリンクや0.1~0.2%の濃度の食塩水(1ℓの水に対して1~2gの食塩を加えたもの)などを自分で飲んでもらい、体内から失われた水分・塩分を補います。
自分でうまく飲めない場合や、嘔吐や吐き気などがあって水分補給に適さない場合は、やはり医療機関を受診しましょう。
 

手足のしびれやけいれん(痙攣)

炎天下での長時間労働やスポーツ、高温多湿の室内で過ごすことなどによりたくさん汗をかいたのち、
水分のみを補給し、塩分が補給されなかった場合に、手足に熱けいれんが引き起こされることがあります。全身の痙攣(てんかん)と間違えないようにして下さい。

症状

これらの症状がでたら、熱けいれんかもしれません。
・ 手足の筋肉がぴくぴくする
・足がつる(こむら返り)
・手足のしびれを感じる
…など
筋肉が硬くなったり(筋肉の硬直)、痛みを伴ったり、筋肉痛の症状が見られたりすることもあります。全身のけいれんとは異なり、部分的に生じるのが特徴です。
また通常は意識もはっきりしています。熱中症といっても、熱けいれんのような初期症状の段階では、必ず高体温になるわけではないことも知っておきましょう。
 

熱けいれんの対処法

水分だけでなく塩分も補給

熱けいれんの対処法として、まずは、熱中症対策の基本である意識の確認から始めます。意識がはっきりせず、朦朧としている場合はすぐに医療機関へ。
このとき、スポーツドリンクや0.1~0.2%の濃度の食塩水(1ℓの水に対して1~2gの食塩を加えたもの)を補給することで、水分だけでなく、失われた塩分も補給しましょう。塩分補給には、塩分を含む飴・タブレットや梅干しなどもおすすめです。
熱けいれんの症状がひどい場合は、医療機関を受診して、点滴などで塩分の補給を行う必要があります。けいれんの症状が落ち着いていても、普段と異なる気になることがあれば、医療機関を受診するのがよいでしょう。
水分・塩分補給にオススメ!

 
熱中症に特に注意が必要な時期
5月の暑い日
梅雨の晴れ間
梅雨開け
お盆明け
暑さ指数(WBGT(湿球黒球温度):Wet Bulb Globe Temperature)は、熱中症を予防することを目的として1954年にアメリカで提案された指標です。
人体の熱収支に与える影響の大きい ①湿度、 ②日射・輻射(ふくしゃ)など周辺の熱環境、 ③気温の3つが関係してます。
 

日々の生活の中の暑さの工夫


1.気温と湿度をいつも気にしよう


いま自分のいる環境の気温や湿度をいつも気にしましょう。屋内の場合は、日差しを遮ったり風通しを良くすることで、気温や湿度が高くなるのを防ぎましょう。
 

2.「衣服を」工夫しよう

衣服を工夫して暑さを調整しましょう。衣服は麻や綿など通気性のよい生地を選んだり、下着には吸水性や速乾性にすぐれた素材を選ぶとよいでしょう。

3.日差しを避けよう。

ぼうしをかぶったり、日傘をさすことで直射日光をよけましょう。また、なるべく日かげを選んで歩いたり、日かげで活動したりするようにしましょう。

4.冷却グッツを身に付けよう

冷却シートやスカーフ、氷枕などの冷却グッズを利用しましょう。毎日の生活で使えるものから夏の寝苦しさをやわらげるようなものまで、さまざまなグッズがあります。ちなみに、首元など太い血管が体の表面近くを通っているところを冷やすと、効率よく体を冷やすことができます。
 
熱中症年齢区分別搬送者数
65歳以上48.1%
18~64歳37%
7~17歳13.9%
7歳未満1.0%
熱中症患者の約半数は65歳以上の高齢者です。

高齢者が熱中症になりやすい理由

1.  水分分量の低下
2.  体温調節機能の低下
3.  暑さやのどの渇きを感じにくい
高齢者の熱中症は 特に、在宅中に 日中の炎天下だけではなく 室内や夜間でも多く発生しています。

対策

1.家族や周囲の人たちが日ごろから注意をし、積極的に声をかけてください。
2.室内で汗をかいていなくても、 こまめに水分補給。
3.おやすみ前に 枕元に飲水を用意。
4.入浴前にコップ1杯の水を飲む。
5. 室温は28℃以下を目安に。 暑い夜もエアコンを使う。
6.暑いときは無理をせず、 エアコン、うちわ、扇風機で風の湿気対策も。
7.適度な運動で体力作り。
8.涼しい服装  ステテコやお腹を冷やさない腹巻等のカジュアルファション
などがあります。
繰り返しになりますが、夏は冬のエアコンより電気冷蔵庫のように温めるより、冷やす法が温度効率が良く電気代はかからないので、なるべく室内を冷やしてお過ごし下さい。

中野さんの解説を動画で↓(コンブリオTV)


 
 
 

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