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デザインディレクションで意識したポイント

はじめに

最近、とあるプロジェクトをディレクションして上手くいったので、そのポイントを振り返ってみる。ディレクションと言うべきかプロジェクトマネージメントと言うべきか迷ったが、ここでは「ディレクション」とする。

プロジェクト概要

あるプロダクトの利用シーンを訴求する動画を制作。利用シーンごとに異なるペルソナを設定し、計4本制作する。期間はキックオフから納品まで2ヶ月。

メンバー

  • 僕:UXUIデザイナー、ディレクター

  • Aさん:動画制作に慣れているデザイナー

  • Bさん:動画制作初心者のデザイナー


僕の役割

プロジェクトのゴールはクライアントの要求に答えた動画を納期通りに納品すること。そこから僕の役割を考えると、①クライアントの要求理解、②動画のクオリティ管理、③作業分担だろうと考えた。

①クライアントの要求理解

これは我々とクライアントで何度もディスカッションするしかない。デザイン依頼書の内容だけでは、クライアントの目的や課題を間違って理解する恐れがあるし、彼らがイメージしている動画の方向性やテイストを確認しきれない。そこで動画の方向性が定まるまでは1週間に一度のディスカッションの場を設けた。また、動画の本制作に入ってから手戻りが発生しないように、動画の絵コンテを作成した段階でクライアントにプレゼンした。そして、動画の方向性と絵コンテをクライアントと認識合わせした後、動画の本制作に進んだ。

②動画のクオリティ管理

動画のクオリティに関しては、Aさんが動画制作に慣れているため、私が指示する必要はほとんど無いのでは?から出発した。Aさんが制作した動画を僕がブラッシュアップして、クオリティが何倍になるのか。1.2倍なのか、2倍以上なのか。1.2倍程度なら自由度を与えて制作してもらう方がいいだろうし、2倍以上ならある程度しっかり指示した方がいいと思った。そこで、Aさんが別件で手がけた動画を見せてもらった。結果、Aさんが制作する動画のクオリティは十分で、僕がブラッシュアップしても伸び代は1.2倍程度だとわかった。そこで、Aさんには自由に制作してもらうことにした。

③作業分担

プロジェクト期間2ヶ月のうち、AfterEffetcsを使った制作期間は10日程しか見込めなかった。当初、絵コンテをBさんに、AfterEffectsを使った本制作をAさんにお願いするつもりだったが、日程がキツい。そこで、4本の動画を3人で手分けして制作することにした。動画慣れしているAさんが2本、動画制作初心者のBさんは1本、僕も1本。そして僕は、4本の動画の全体のクオリティ(トンマナやエフェクトの質の差)を管理することにした。具体的には、動画に使用するカラーパレットやフォント、イラスト、尺などをガイドラインとして定めた。


僕のもう一つの役割

今回特に気をつけたことは、メンバーのモチベーションケアだ。Aさんは動画制作に慣れているのでサクサク作れるだろう。しかしBさんは試行錯誤しながら制作することになるだろう。このスピード感の差がお互いのモチベーション低下に繋がっては良くない。そこで、Aさんには、動画を共同制作するための環境設定やTipsシェアに加え、Bさんのメンターになってもらうことにした。一方で、BさんにはAさんからレクチャーを受けながらAfter Effectsを習得し、1本の動画を作り上げることを目標にしてもらった。

また、クライアントに途中経過をプレゼンする際には、一部をAさんとBさんにプレゼンしてもらった。これは、彼らのプレゼン耐性を上げるとともに、クライアントや社内評価者に彼らの能力をアピールすることが狙いだ。


で、どうだったか?

結論。このプロジェクトはかなり上手くいった。「メンバーに任せられるところがあれば、どんどん任せてしまおう」という意識でディレクションしたのが良かった。AさんもBさんもやりがいを感じてくれたし、スキルシェアを通して各自のスキルが明らかに向上した(Aさんはレクチャースキル、BさんはAfterEffetcsスキル)。


おわりに

まとめると、今回のプロジェクトを通してディレクションが上手くいったポイントは次の通り。

  • クライアントの要求を理解する

  • 細部ではなく全体のクオリティを管理する

  • 作業分担を明確にする

  • メンバーのモチベーションをケアする


こうやって列挙すると、どれもディレクションするにあたって当たり前のことだ。ただ、これらを市販の本を読んで知るのと、実際に経験して導き出すのとでは納得感が違う。今後、別のプロジェクトをディレクションする際には、今回得たポイントをベースに考えていこうと思う。

最後まで読んでくれてありがとうございました。感想などお待ちしてます。



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