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中小企業は「世代交代より世代共存」

「引き際は、若者が教えてくれる」

「俺は引退させられたんだ」

保育園児の息子と、何気なく見ていた『カーズ3』のフレーズにドキッとしました。

カーズは、乗り物を擬人化したディズニー映画。

3作目は、ルーキーだった主役のマックイーンがベテランとなり、次世代レーサーの台頭を受けて引退に追い込まれる苦悩が描かれています。

幼児向けと思いきや、40代のおっさんには、なかなか共感するものがあります(笑)

ベテランが若手にバトンを渡し、新しく生きる道を見つける場面を見ながら、ふと中小企業の現場を思い浮かべました。

中小企業の人手不足

日本商工会議所等の「人手不足の状況および多様な人材の活躍等に関する調査」によると「人手が不足している」との回答が68.0%
2015年の調査以来最大となっています。

特に地方にでると、中小企業からは「若者の採用は本当に難しい」「ハローワークに出しても応募がほとんどない」という声を聞きます。

景気が上向きになり、生産年齢人口が減少するなかでは、人材獲得は熾烈。

もちろん、採用に困っていない中小企業もあると思いますが、大企業に比べる中小企業の人手不足は深刻です。

世代交代より世代共存

人材の採用が思うようにいかない、中小企業ではベテランも含めた「総力戦」

例えば、ある金属加工業の製造業では、技術をもつ社員には本人が元気に仕事ができるうちは工場で働いてもらいたい、と考えています。

世代交代は多くの組織の課題ですが、この人材難の時代では、スムーズな世代交代だけでなく「世代共存」や「世代融合」がテーマになりそうです。

仕事の中心はミドルや若手が担いながらも、60歳や65歳を超えたベテランも活躍できる職場づくり。

定年で「工場長」の肩書がなくなっても、若手の人材育成を担いながら、いち従業員としても、モチベーションを失わず、まわりと一緒に仕事ができる。
といった感じでしょうか

ベテランの居場所

中小企業では、定年後にベテランが働いているのは、以前からある話。

今後は、世代交代のための引き継ぎや、一時的な働き手の穴埋めではなく、ベテランも第一線で活躍し続ける環境が理想ですね。

とはいえ、感情を持つ人間は、なかなか難しい。

ベテランであるがゆえに、メンツやプライドもある。

本人の得意な領域を用意し、ベテランが働ける居場所をつくれるといいんでしょうね。

平均寿命が伸びて、働く期間がながければ、同時期にいくつかの世代が働くのは必然。

ベテラン世代がモチベーション高く働いている姿は、若手世代にも、自分の将来をポジティブに見通せます。

「世代交代」をアピールするよりも、今後は「世代共存」している中小企業のほうが「若者にも働きやすい職場」として評価を受けるかもしれませんね。

最後に

「キミにチャンスを与えられる最後のチャンスなんだ」

『カーズ3』では最後に、引退のかかったベテランが、若者レーサーに自分の代わりにレース参加のチャンスを与えます。

自分がレースに勝つことよりも、若者に受け継ぐことを選択。

1作目のやんちゃなルーキーからの人間的(車ですが)な成長に感動します。

と思っていたら、ベテランのサッカー長友選手の日本代表復帰のニュース。
まわりの声を気にせず「僕はワールドカップに行く」と、自分を貫く。

若者に負けじと日本代表の定着を狙う、ぎらぎらした姿も刺激を受けます。


うん。おっさんもがんばろう。



おわり。

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