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労働の価値 #6

残業。このワードを聞いていいイメージを持つ人は現在にはもういないだろう。
仕事が定時に終わらない。その日がとても忙しかった。これらの言葉を言う人たちは決していい意味で使ってない。特に、正社員になるとサービス残業、賃金が支払われない労働をしている人たちも多い。このように、残業に対してマイナスなイメージを持っている人たちが多いと考えられる。

しかし、一昔前の世代では、自ら好んで残業を行っていた人たちが多かったという話を父親から聞いたことがある。他にも父親世代の人たちから話を聞く機会があり、大変興味深かったので記事にしてみようと思った。

その話の内容とはこうである。
現在の高卒中卒の平均年収は約250万円となっている。しかし、一昔前の高卒中卒のサラリーマンは、年収700万円も稼ぐ人がいた。これは多く残業をしたからである。深夜残業や土日出勤などを行ったためである。

現在は逆に働きすぎることが問題とされており、過労死などという言葉を耳にする。そのため、人は「なぜそんなに働く必要があるのか」「働きたくない」と、労働に消極的な意見を述べる。ではなぜ昔の人達が長時間残業していたのだろうか。

父は「大卒のエリートに年収で勝つには、その人間たちより多く働くしかない。そのための体だった。そうすることで中卒や高卒でもそこそこの年収になっていた。」「現在は働き方改革で残業時間に制限がかかっていて、まるで残業が悪と言われている。昔はそんなことがなかった。」という。ネットでも調べてみるとこのような主張をしている人たちを見かける。

自分がこれらの主張や調べてみて思ったことは、残業自体は悪いことではないということである。

現在、ブラック企業と言われるものがある。このような企業は、会社が強制的に残業をさせようとしている。これは、自分たちが残業を行ってきたため、下のものたちにも強制させようとするという昔の残業の弊害とも言える面である。
しかし、昔の人がそうだったように、自分の意志で残業をして学歴の差から生じる賃金格差を埋める。このようなことは、あってもよいのではないかと考える。誰かに強制されることなく自分の意志で働く。このような労働のほうが質は高いし生産性も高くなるのではないかと考える。メリットとしてもGDPは底上げされるし、当時の経済成長などの背景などもあるが、実際にGDPが高水準だったのは製造業で働くサラリーマンたちが多く残業したからである。

こうは言ったものの、働き方改革が導入されている現在と、当時の男尊女卑の背景などがあった昔では、労働環境に大きな差が生じているため、働きたくても働けない人たちもいる。現在、大学の授業で労働と経済について学んでいるが、もっと深く学んで明確な主張を持てるようにしていきたい。


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