見出し画像

模倣と創造 #10

この記事を読んでいる人たちにも、何かをしてきた中で自分よりも能力が高い人に遭ったことはあると思う。自分よりスポーツができる人、頭がいい人、仕事ができる人、面白い人。その人たちから学んで成長していく。これは誰しも経験していくことである。では、ただずっと模倣を繰り返していくだけのことを真の成長と言えるのか。そのままでは他者に埋もれていくだけである。今回は、このことを自分の経験に基づいて話していきたいと思う。

自分が以前にやっていた空手を例にしてみる。そのときは自分よりも強くて上手い人(以下、A)が、少し特殊な蹴りをしていた。決して真似ができないわけではなかったため、数ヶ月練習した。ある程度は形になってきたが、Aほど上手くいかなかった。Aの熟練度もあるだろうが、A特有の体の動きや癖のためにできるものであったからだ。そこで、自分の体格やスタイルに合ったものにアレンジして練習をすることで、自分の得意技とすることが出来た。つまり、模倣では限界があるが、自分で新たに創造する(考える)ことでそれ以上の成果を出せたのである。

先の話は、空手などの肉体を使うことに限られない。仕事についても言えることである。仕事でも勉強でも、自分よりもできる人がいる際に、まずはその人から学んでいくことが必要となる。ちなみに、学ぶの語源は真似るからきているものという。そのため、最初は模倣をしていくことも必要となる。しかし、模倣だけではいつまで経ってもその人には追いつけないし、むしろその差を広げられてしまうこともある。そのため、ある程度学べたら今度は自分で”考えて”さまざまなところから吸収して自己流にしていくことも必要となる。もしそれが失敗だったとしてもさらに試行錯誤していく。それがオリジナルを生み出し、他者と差別化していく方法だと考えている。

今回、このように語ってみたが、模倣だけをするのが悪いとは思っていない。過去からあるものでも普遍的な価値を持っているものもある。その取捨選択も行えるようになるのがベストだと考える。
また、自分でも未だに模倣しか出来ていないところもあるのは事実である。しかし、自分だけのものにできることに関してはさらに考え、自分の武器にできるように尽力していきたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?