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【心霊ログ】座敷童に会う①
高校を卒業して
大学生になるあいだの話である。
友達に誘われて八尾にある美容院に
はじめて髪を染めに行った。
いわゆる大学レビューというやつ。
その美容院には2つらとなり同士に席があり、友達が鏡に向かって右側、
わたしは左側に座っていた。
たまに友達と会話しながら、美容師さんと話しながら髪を切ってもらっていた。
「大学デビューですかーいいですねー♪」
なんて当たり障りない話をして。
髪を染めるのに親に怒られないかとか、その反面でワクワクする新鮮な気持ちだったりとか。
初々しい気持ちをたくさん持っていたのはなんとなく覚えている。
が、そんなたわいもない世間話をしてる間、
鏡に5歳くらいの子供がチラチラと映るのが気になった。
オーバーオールを着た子で、構って欲しいのかこちらを意識しているのが鏡越しに伝わる。
こちらをじっと見ていたり、気を引くように
タタタッと走ったりしていた。
決して広くはない美容院だから、気づかないわけないのだけれど、友達も美容師さんたちもその子どもには一切触れなかった。
きっと、子どもはここの美容師さんの子どもなんだろう。だから構わないんだ。
勝手にそう思い込んでいた。
お互い髪を切り終わって帰りの道いろいろ話しているとき。
わたしはふと子どものことを尋ねた。
「めっちゃ子どもちょいちょい見に来てたよねー。走ってたし気にならんかった?」
すると、友だちは言った。
「何言ってるん?りつき。子どもなんかおらんかったやん。」
えっ?
わたしはあたまが真っ白になった。
そして、美容院での違和感のピースがパチンとハマったのと同時に急に胸がゾワゾワとした。
「いやいや、オーバオールの子どもがめっちゃこっち意識してたやん?オーナーさんの子どもちゃうの?」
堰を切ったようにわたしの口から言葉が飛び出た。
友だちは困った顔をしながら言う。
「わたしはあの美容院に何回も通ってるけど、オーナーさんに子どもいないし、さっきも実際に見てないよ。
じゃあ、その子はどんな顔をしてたの?」
ここで私が固まった。
そう言えば、顔は見えなかったのだ。
顔だけはなぜか隠れて見えなかった。
ただ何となくこちらを伺う仕草だったり、
子ども特有の構ってちゃんな動きをしてたのが鏡の端っこに見えていたことしか憶えてない。
ただ、顔は見れなかった。
2人のあいだに一瞬の沈黙が流れた。
「もう〜!りつき変なこと言わんとってやー!プリ撮ろ〜」
と、友だちはサラッと流してくれた。
わたしは自分に起こった不思議さよりも、構ってちゃん不思議ちゃんムーブをしてしまったことへの恥ずかしさの方が大きくて
「うん、プリ撮ろうー!!!」
と、もう触れないようにしたことを
覚えている。
ただ、話はここでは終わらなかったのだ。
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